家族旅行 (7)
我々は、11時から始まる「採毒のデモンストレーション」を、見に行く事にした。
その「採毒室」に向った。 それは、山の中腹にある。 勿論、車椅子では行けない・・ そこで、車椅子は子供達に運んで貰い、私は妻の介助を得て、階段を登った。
採毒室に入ると、既に30人程がガラスの向こうを、見ている。 私も見ると、そこには、二人の男性がいた。 一人は、白の袖無しシャツの軽装、もう一人は、普通の服だった。 すると、白のシャツの男性が、(ガラス越しではあるが)皆の方にやって来て、マイクを持って喋りだした。
「本日は、ようこそ、ジャパンスネークセンターにお越し頂き・・」
と言う紋切り型の挨拶をして、早速、毒蛇を箱から棒の先にL字の金属の付いたツールで出して来た。 マムシだと言う。 相当、毒蛇の扱いには慣れている様で、巧みに棒に絡めて、皆に見える様、高く上げた。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20201018/20201018112343.jpg
すると、彼は蛇を一旦下に置き、ツールで頭を抑えて、
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20201018/20201018113103.jpg
左手で蛇の頭の直ぐ下、つまり、首(?)の辺りを持ち、顎を135度開かせた。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20201018/20201018113300.jpg
そして、上顎をガラス容器の淵に付けた。 すると、毒液がポタポタ落ち、容器の底に溜まった。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20201018/20201018113141.jpg
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20201018/20201018113148.jpg
一体、この毒液は。何に使うのだろう? まぁ、抗血清の製造に使われるのは、間違い無いだろう。 実は、生化学者にとって、もっと大切な用途があるのだ。 それは、種々の酵素が、簡単な分画で取れるからである。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/25/2/25_2_130/_pdf
―――――――――――
さて、マムシの毒はそれほど強くなく、致死性は(無いか)低いが、問題はヤマカガシの方だそうである。 これは毒性が高く、毎年300人位の犠牲者が出る・・と言う。 彼は、別の箱からヤマカガシを出して、マムシと並べた。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20201018/20201018114732.jpg
上記写真で、奥の小さい方が、ヤマカガシである。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/368603/
ならべて例示した理由は、我々、一般人でも、どちらに咬まれたか位は知っておいてほしい、そして医師・警察官・消防の救急救命士には、どちらに咬まれたかを伝えて欲しい・・と言っていた。
https://www.snake-center.com/identification
おそらく、蛇の種類によって抗血清の種類が異なるからであろう。