家族旅行 (6)
車は、山道を登って、スネークセンターの駐車場に着いた。 車を降り、入り口に近づいて、妻が入場券を買って来るのを待った。 暫くして、妻と係員がやって来て、ゲートを開けた。 係員が言うには、
「急な坂が多いので、車椅子でどこまでゆけるか?」
と言った。 確かに、ここから見える建物は、山の腹にへばりつく様に立っている。 車椅子で動くのは、結構大変そうだ。
ただ、妻の関心は別の所にあった。 それは、地域振興券の使用場所である。 てっきり、スネークセンターで使える・・と思っていただけに、係員から
「当施設では、地域振興券は、ご利用になれません」
と言われてしまったからである。 つまり、どのタイミングで、どこで使おうか・・と言う事である。
まぁ、それはさておき、ここは進むしか無い。 そこで、取り敢えず一番近い建物に入った。 「熱帯蛇類温室¥だ。 すると、そこは、2階だった。 1階へはスロープがあるが、これが急峻で、車椅子を押していた長女が焦った。 それを見ていた妻が、
「あのねぇ、勾配が急な時は、バックで降りるのよ」
と教えていた。 中には、蛇と共に、長ーく(9~10ⅿ)、太―い(周囲70~80cm)蛇の抜け殻が展示してあった。
では、出る時は、そのスロープを車椅子で登って行かなければならないのか? 建物の1階の扉から出ると、更に下に続いていた。
道は、自然に「シマヘビ野外生態実験場」の間を通り、「毒蛇温室」へと続いていた。 そこで見たものは、いずれも世界中から集められた、毒蛇である。 先ず、不気味な色の毒蛇から・・
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どうです、全身黄緑色で、黄色の斑点が付いて、両顎が張って頭が三角形(毒蛇の一般的な形状)だ。 まぁ、何と不遜な表情をしているのだろう・・ 次は、
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枯れ葉や枯れ枝に擬態している毒蛇である。 こんなに上手く隠れられたら、その存在に気付く事は、なかなか難しい。
この様に、会場には、半畳(約90cm四方)の場所に1匹ずつ入った小部屋が、30程あったろうか? その他、蛇による咬症に遭った患者の様子の写真が、パネルとして展示してあった。 何れも、注視し難いものばかりだ。 我々が、毒蛇やパネルを見ていると、
「11時から、採毒室にて、採毒のデモンストレーションを行います」
と放送しているではないか! これは流石に面白そうだ!?! そこで我々は、見に行く事にした。