パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

帰国 - 滞米生活、その45  

 最後になってしまいましたが、滞米時の住環境を紹介します。 住まいはコロラド州立大学が提供するHousing Unitでした。 1棟は8軒からなり、中央の広い芝生を囲む様にグルーッと数棟が建っていました。 各Unitの前には駐車場と玄関に続くペーブメントがあるのですが、その脇の一角に花壇があります。 芝生は大学が管理していますが、この花壇にはその家の個人が好きなものを植えて良いのです。 勿論、野菜やハーブを育てても、OKです。

 

では、米国人はその花壇をどの様に使っているのか? 大学人には関心が無いのか、殆どほったらかしでした。 でも、私は何とか花を咲かせたいと思いました。 それは、オランダにこんな諺があるからです。

 

   「家があっても 花が無ければ 家庭じゃない」

 

そこで市内を探しましたが、目ぼしい花の種は無く、結局日本から送ってもらいました。 故国の花を見たかったのと、「どうだ、アメリカには無い花(品種)だろう!」と自慢したかったのです。

 

結果? 気候が違いすぎるのか土地に合わないのか、発芽はするもののやはり咲きませんでした。 季節も変えてみましたが・・ 苦節2年、遂に帰国の時がやってきたのです。 仕方なく、袋に残った種を持ち帰りました。

 

成田空港の植物検疫では、係官の前のテーブルに種の袋をズラーーッと並べました。 係官は一瞬引き、

 

   「(どうして日本の種を外国からわざわざ持ち込むのだろう・・)」

 

と、怪訝(けげん)な顔をしています。 でも、病変もなく土も付いていなければ、持ち込みを拒否する根拠もありません。 見るからにイヤそうに種を調べた係官は、それぞれの袋に「植物検疫済み」のスタンプを押し、種も私も無事に入国(帰国)できたのでした。

 

以上を持ちまして、滞米シリーズを終了とさせて戴きます。 ご愛読ならびに多数の☆やコメントを有難うございました。