診療028 ― 202103(2)
メモは、続いた。
(2) 処方上の希望について
- 現行処方の継続をお願い申し上げます。 また、「これは、どうかな?」と思える薬剤がありましたら、試して見たいと考えています。
(3) 血圧の測定結果について (アムロジン5mgの処方結果の検証)
⑫ 前回診察日(2月〇日)~昨日(3月〇〇日)の起床時及び就寝時の血圧は、次表の通りであった。
|
起床時 |
就寝時 |
||||
日数 |
19 |
19 |
19 |
31 |
31 |
31 |
項目 |
脈拍数 |
脈拍数 |
||||
単位 |
mmHg |
mmHg |
pulse/min |
mmHg |
MmHg |
pulse/min |
平均値 |
126 |
80 |
76 |
125 |
84 |
76 |
11.1 |
5.9 |
10.1 |
10.6 |
6.3 |
8.7 |
|
最高値 |
141 |
91 |
103 |
143 |
93 |
91 |
最低値 |
101 |
70 |
59 |
105 |
69 |
63 |
以上
―――――――――――――――――
さて、上記の内容に対して、f医師からコメントはなかったが、妻にこんな質問した。
f「ご主人は、器用ですか?」
妻「えぇ、この病気になる前は、本当に器用で、何でもこなしたんですよ! それが、最近はトンとダメで、私の方が器用な位で・・。」
f「この病気の人の中には、特定の物―――たとえば、時計なら時計―――を見ると、必ず分解してしまう人がいるんですよ」
妻・私「(へぇー・・)」
こう言って、f医師は、後ろに振り向き、A4のパンフレット(の様なもの)を一枚出して来た。 それは、「ドパミン受容体サブタイプとアゴニスト」と言うf医師自身が書き下ろした紙だった。 そしてそこには、次の様な事が書かれていた。
パーキンソン病の特効薬であるL-DOPAから脳内で生成される)ドパミンには、D1からD5までの5つの受容体(レセプター)が想定されている。 この内、D1とD2は、黒質からのドパミンを受けるための線条体のレセプターで、運動症状に関係する。 逆に言うと、D3~D5は、非運動症状(=精神症状)に関係する。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20210401/20210401124136.jpg
D3は、腹側被蓋野から側坐核へと投射される。 所が、D3は「報酬系」に関係しており、これを(過剰に)刺激すると、「病的賭博・買い物依存症・過食症・過剰性欲」等の衝動制御障害や何かに取りつかれた様に没頭する反復常同行動が、見られる。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20210401/20210401124210.jpg
どうして、この紙を出して来たか、ここで分かった。 妻がチクった私の行動が、その反復常同行動の一部に似ていると思っていたのだ。 と言うのは、次の発言から窺える。
「この処方の中で、精神を高揚させるのは、ノウリアストだけだ」
と。 更には、f医師は、ノウリアストが、私の諸症状に無効だと思っている。 即ち、f医師は、副作用のみを示し、本来の薬効がない薬剤は、中止すべき・・と考えている。 事実、
「ノウリアストをやめてみましょう」
と言った。 こうして、従来の処方からノウリアストのない新処方となったのである。