パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診察201710―1

 

さて、今日はリハビリ後に診察のある日だ。 そこでリハビリ終了後、私は車椅子に乗せられて、脳神経内科に急いだ。 パネルを見ると、ほぼ定刻通り進んでいる様だ。 事実、30分程でパネルに番号が表示された。

 

軽くノックをして扉を開けると、F医師がモニターからこちらに顔と視線を向けた。 軽く挨拶をして、早速、下記のメモを渡した。

 

 

(1)  前回受診(2017年9月〇日)以降の主なイベントについて 

 

  • 9月〇日、〇日、〇日、〇〇駅前の〇〇学園に友人を訪ねる。 (自分で運転)
  • 9月〇日、〇日、芝刈りを行った。 

     http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20171010/20171010094440.jpg?1507596561

 

   http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20171010/20171010094441.jpg?1507596728

 

  http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20171010/20171010113757.jpg?1507603162

 

  • 9月〇日、〇〇市内の〇〇歯科クリニックにて、定期検診(含:歯のクリーニング) (自分で運転)

 

 (2)  前回受診(2017年9月〇日)以降の体調の変化について 

 

  • 前回、セディール10mg×1/日のご処方を戴きましたが、特に効果も副作用も感じられませんでした。
  • 疲労時に両眼複視が出現 → 休息により回復。
  • 上記以外、特記すべき体調の変化は無かった。

 

 (3) 処方について  

 

  • 文献では、進行性核上性麻痺(以下、PSP)の薬物療法として、三環系抗うつ薬の有効例あり。
    • “Amitriptyline in the treatment of progressive supranuclear palsy.”, Kvale JN, Arch Neurol. 39:387-388,1982.
    • “Treatment of progressive supranuclear palsy with tricyclic antidepressants.”, Newman GC, Neurology. 1985 Aug;35(8):1189-93.
    • “Short time treatment of progressive supranuclear palsy with amitriptyline”, Yamashi M, et al, Rinsho Sinkeigaku. 1986 Nov;26(11):1138-41.
    • “Treatment of progressive supranuclear palsy with amitriptyline : therapeutic and toxic effects.”, Engel PA, J AM Geriatr Soc, 44:1072-4, 1996.

 

 

                    処方(1日当たり)

    薬  剤

    現在

    

    希望

 

プラミペキソール0.125mg

     1  錠   

     1  錠   

ドプス 100mg

     6  錠   

    0~3  錠※2

ノウリアスト 20mg

     2  錠   

     2  錠  

シンメトレル 50mg

     4  錠   

     4  錠  

アムロジピン5mg

     1  錠   

     1  錠  

 

 

   

トリプタノール 10mg

     0  錠  

     1  錠   

セディール 5mg

     2  錠※1

     3  錠  

※1:実際の処方は、10mg×1         ※2:Facebookの処方時、無効だったため

以上

   ―――――――――――――――――――――

 

頃合いを見計らって、妻がF医師に質問し、それに対して以下の回答を得た。

 

   「センセ、主人は座っていると、どんどん右に傾いて行ってしまうんです。 でも、それを言うと直るんです、が?」

 

   「それは、右と左で(筋肉の)緊張度が違うんだなぁ・・ (病気の)症状だよ」

 

   「・・ 症状ですかぁ。 では傾いたら、注意して直させればイイんですね?」

 

   「ええ(そうですよ) ・・」

 

   「後は・・ 家にいる時、いつも目を瞑っていて、物を取る時にこうやって探すんですが・・ それと、パソコンを打つ時、こんな風に手で目を開くんですが、これも症状なんですか?」

 

と言いながら、恰も、盲目の人がモノを探す時の様に、掌を水平面に廻した。 というより、テーブルの上をクロスで拭き、更に、親指と人差し指で瞼を開ける動作をして見せた。 私がいつも、

 

   「症状だから、仕方ない・・と言ってるだろう!」

 

と言っているが、信じていない様だ!?!

 

リハビリ394―「脚の力が強いからなぁ・・」  

 

2017年10月となった。 10月と聞くと、いよいよ秋も深まるのを感じると共に、今年も残り少ない・・と思うのである。

 

さて、10月最初の行事は、リハビリと診察だ。 そう、今日の担当は、いつものI士ではなく、Y士となる。

 

待合椅子の掛けて待っていると、ほぼ定刻にY士が声を掛けて来た。 しかし、

 

   「チョット、お待ちください?」

 

と言ったまま、事務所に消えた。 どれ位、待ったろうか? 随分長く感じたが、正味、2~3分であろう。 

 

   「お待たせしました」

 

とは言ったが、なぜ一度定刻に声をわざわざ掛けに来たのか、今でも不思議である。

 

   ――――――――――――――――――――

 

さて、並んでリハビリ室に入り、彼が空いている台を清拭して、本日のリハビリが始まった。 私が台に上がろうと靴を脱ぎ始めると、彼が私を止めて立位になる様指示した。 

 

   「私が今から、押しますので、耐えて下さい?」

 

と言い終わると、私の正面に位置し、両腕を前に伸ばして私の両肩を「ツン」と押した。 私が耐えるのを見て、今度は左右から、そして最後に私の後ろに廻って、前に押した。 続いて、私のみ台に腰掛け、上半身を左右に移動する事により片尻の状態になって、同じ様に左右に押した。 私は、全ての動作に耐えた。 要するに、バランスチェックであった。

 

そしてその後、マッサージとストレッチをこなして行った。

 

そうそう、今回、Y士はI士がやった事の無いトレーニングを行った。 それには・・

 

先ず、台に向かって、50~60cm程離れて立つ。 この時、足を肩幅に開く。 そして、上体を屈めて、両手を台の縁に置く。

 

続いて、その状態から徐々に腰を落として行く。 すると蹲踞(そんきょ)になるが、更にお尻を引いて落とすと、ウ〇コ座りになる。

 

さて最後に、立ち上がって、最初の姿勢に戻るのが課題らしい。 「らしい」と言うのは、課題と言う程の事も無い位、簡単だったので、私が、「スー・・」と立ち上がると、Y士は、

 

   「じゃあ、(両)手を(台から)離して出来ますか?」

 

と訊いて来た。 そこで私は、両腕を前に、キョンシー見たな格好で、同じく「スー・・」と立ち上がって見せた。 すると、彼もまるでI士が言った様に、半ば自虐的に言うのである。

 

   「脚の力があるからなぁ・・」

 

と。 それは、あたかも

 

   (なーんだ、そんなに簡単に出来るんじゃ、我々・理学療法士の出る幕が無いなぁ)

 

と言っている ・・ ハズは無い ・・ でしょう、ね!?! 

 

確か、前回もI士が同じ様な事を言っていた。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2017/10/28/080550

 

   ――――――――――――――――――――

 

今日は月初なので、「リハビリテーション総合計画書」を作成する日だ。 例によって、Y士がリハビリの目標やリハビリへの期待を訊いて来た。 私が「歩容の改善」と言うと、彼は、

 

   「もう、印刷しときましょうか?」

 

と言った。 仮に毎月同じでも、

 

   「(チッチッチ、そいつはワイパーだぜ!)」

 

とは思ったが、言わなかった。(古!)

 

 

 

リハビリ393―「脚の筋肉が強いからなぁ・・」

 

さて今日は、9月最後のリハビリの予約日だ。 そこで妻の運転で総合病院に出掛けた。 M医師の予診を受けて待っていると、I士が声を掛けて来た。 時計を見ると、未だ定刻3分前である。 そして、リハビリ室に入る時に、彼が訊いて来た。

 

   「どうですか、調子は?」

 

   「相変わらず・・です」

 

と、私が答えると、それ以上は質問してこなかった。

 

   ―――――――――――――――――――――

 

さて、先ずは下半身のマッサージとストレッチから始まった。 そして途中、四つん這いになり、2つ新技を取り入れた。 では、その新技とは?

 

先ずは、予備練習である。 四つん這いのまま、右手を後頭部に当てる。 そしてそのまま、肘を上げよ・・と言う。 従来は、手を天井に向けて上げ、上半身をひねる練習だった。 手なら真っ直ぐ上に上げられるが、その腕を畳むだけで、水平まで上げるのが難しくなる。 その事情は、左右を入れ替えても同じだった。

 

続いて、四つん這いのまま、片足を水平に上げる練習をした。 左右の足を交互に上げるのであるが、自分では水平に上がっていると思っても、未だ水平に達していないらしい。

 

そして、最後に2つ目の新技である。 I士が、

 

   「では続いて、右手を後頭部に置いたまま、左足を上げてみて下さい? そしたらそのまま、右手(肘)を上げて・・」、「ハイッ、左右を入れ替えて・・」

 

と指示した。 いや、別に動作そのものは、難しいものでもない。 しかし、バランスが取れないのである。 そのため、左足を完全には上げられない・・ すると、I士が左足を持ち上げるのであるが、すると、オットットとなってしまう。 

 

   ――――――――――――――――――――

 

更に、私は台に浅く腰掛けて両足を肩幅に開き、丸椅子に腰掛けて向かい合ったI士の両肩を持った。 すると、I士は丸椅子を引いた。 更に彼が両肩を引くので、私の上半身は思いっ切り前に倒れた。 その状態のまま、

 

   「ハイッ、胸を張ってぇ・・ 手はそのままで、自分で支えられますか?」

 

と言いながらI士は肩を下げたので、私は両腕を前に伸ばしたまま、スクワットの格好になった。 続いて、今度は彼の両肩を持ったまま、

 

   「お尻を持ち上げられますか? ・・ ハイ、下ろしてぇ・・」

 

と訊いた。 勿論、3~4回、難なくこなした。

 

以上の動作を、片足を大きく一歩踏み出した状態で行った。 (その後、左右の足を入れ替えて。)

 

別に、どう言った事でも無かったが、彼が、自虐的(?)な笑みを浮かべて、

 

   「(脚の筋肉が強いからなぁ・・)」

 

と半ば独り言の様に、言った。 きっと出来ないと思ったのかも知れない。 なぜそこで、彼が自虐的に笑まなければならないのか? そんな事を考えていると、こちらまで可笑しくなり、つい、失笑してしまった。

 

視力障害か?  

 

実は、午後からの運転で重大な事があった。

 

これまで、進行性核上性麻痺(PSP)の内の純粋無動症(PAGF)とのセカンドオピニオンを受けて、投薬治療を受けつつリハビリを頑張って来た。 それらの目標は、何れも最もADLを落としている「歩行障害」の克服であった。 そのため、主訴以外の症状(例:「開眼失行」、「小字症」、「構音障害」、「動作緩慢」等)については、患者本人も医療側も特別強い関心を示さなかった。

 

しかし、次(の重篤な症状)は「視力(眼球運動)障害」かと思えた。 と言うのは、これこそが「核上性麻痺」(=核上性注視麻痺)の言われであるからである。 そして、PSPが次の段階へと進んだ証左かと思われた。

 

と言うのも、http://www.nanbyou.or.jp/entry/4114 に、PSPについて次の記述があり、

 

「6. この病気ではどのような症状がおきますか

2) 眼球運動障害

上下、特に下向きの随意的眼球運動が障害され、下方をみることが困難になります。眼球運動障害は初期には認めないことも多く、多くの例で発症して2~3年経た後に出現します」

 

更には、http://www.nanbyou.or.jp/entry/4115 には、PAGFについて次の記述がある。

 

「5.予後
ADL低下の進行は速く、我が国の剖検例の検討では車椅子が必要となるのに2~3年、臥床状態になるのに4~5年であった。平均罹病期間は5~9年という報告が多い。参考事項にあるパーキンソン病型や純粋無動症型は経過が緩徐で、罹病期間が10年以上であることも少なくない」

 

まぁ、単純にPAGFの罹病期間を通常のPSPのそれの倍(=進行速度を半分)としたら、そろそろ眼球症状が出てもおかしくない頃である。

 

   ――――――――――――――――――

 

では、どの様な症状が出たのか? それは「両眼複視」であり、疲労時により出現して休息により消失した。 これで困るのは、遠近の目測が出来ない事である。 特に自動車を運転している時に出現すると、危険極まりない。 

 

実は烏賊博士との面談後、1人で運転し帰路に時にこの事に気付いたのであった。 前を走る車のナンバープレートに焦点が合わない・・ 勿論、車の大きさ(=距離)は片目でも分かるし、慣れた道なので片目運転でも問題ない。 ただ、道路左側に駐車している車との距離が分かり難いのが怖い。 この距離が足りないと接触の可能性があり、逆に距離を取り過ぎると反対車線を走る対向車との衝突の可能性が出て来る。 いずれにせよ、後者だけは万が一にも避けなければならない。

 

いよいよ、自力で移動できる距離が(自動車による)数十kmから(徒歩による)数十mになってしまうのだろうか?

 

以前担当していたY理学療法士が、

 

   「出来なくなったことを嘆くより、今、出来る事に感謝しよう」

 

と言う福祉の世界の言葉を紹介してくれたが、矢張り、出来なくなる事は悲しい。

 

午前中は歯科へ、そして午後からの運転で重大な事が・・

さて9月中旬の今日は、予定が2つある。 それが掲題である。 実は昨日の夕方、いつもの歯科医院に電話し、午前中の早い時間にお願いしたら、10時の予約となったのだ。

 

そこで、新・健康保険証と空のエピオスウォーター用容器とを持って、自分の運転で歯科医院に出掛けた。 私は階段でなく、エレベータで2階の受付に行き、

 

   「保険証が変わりました」

 

と添えて、健康保険証を出した。 まだ、10時までは数分間あったので、私は備え付けの週刊誌で時間を潰した。 やがて、A嬢に呼ばれ、超音波スケーラーによる「拷問」(笑)が始まった。 まぁ、その中身は、過去の日記をご参照戴きたい。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/20130717/1384158715

 

こうして、毎3ヶ月の「修行」が終わった。 後は、診察代を払うのみである。

 

   「〇〇さーん?」

 

と窓口に呼ばれ、

 

   「えーと・・ 今日は790円と、エピオスウォーターが2,700円で、合計3,490円になります」

 

と言われた。 一瞬私は、「?」と思ってしまった。 と言うのは、これまでの最高額が3割負担で2,100円程、それなら1割負担ならその1/3なので、700円以下のハズである。 ・・というのも、何かに特別時間(/手間)が掛かっている訳でも無い。 では、何処に費用が掛かっているのかと思って領収書を見ると、

 

   歯科衛生実地指導料1                         80

   歯周基本検査20歯以上                      200

   機械的歯面清掃処置                            80

   

等が増えている。 また、減ったものもあって

 

   明細書発行体制等加算                           1

   スケーリング・1/3顎加算                             38

 

等が無くなっている。 私個人としては、毎回、同じ処置に思えるが、実際は違うのかも知れない。

 

まさか、

 

   「どうせ1割負担なんだから、色々と乗せて(=追加加算して)おこう」

 

なんて事は無いとは思うが・・

 

こうして、11時には帰宅出来た。

 

リハビリ392―「普通です」

 

リハビリの話題が連続して恐縮だが、中旬にもう一回、リハビリがあった。 そこで、妻の運転で総合病院に出掛けた。 M医師の予診を受けて待っていると、I士が声を掛けて来た。

 

彼のサポートを得て、リハビリ室に入る時、彼が訊いて来た。

 

   「調子は、どうですか?」

 

   「えぇ・・、普通です。」

 

   「良かったぁ(普通で)・・ この前は大変でしたからねぇ!」

 

と、途中、私の「普通です」を交えて、彼が笑顔を見せた。 そう言えばその昔、Y士(リハビリを最初に担当してくれた理学療法士)が、

 

   「普通であるって、凄い事なんですよ!」

 

と言う様な事を言っていたのを、思い出した。 きっと、I士の笑顔はその事を意味しているのだろう。 因みに「この前」とは、Facebookの処方を信じて体調を落とした事、及びその間、転倒事故を起こした事を意味している。

 

   ―――――――――――――――――――

 

さて施術では、3つのトピックスを挙げたい。

 

cccccccc先ずは、今回はハムストリングスの伸長に、随分と力を入れていた。 そのため、結構、痛かった。

 

続いては、前回の新技の続きである。 前回は後方のみであったが、今回は左右両側への屈伸も加味された。 具体的には、手をなるべく脇腹の高い位置に置き、その手を支点として上半身の上部を横に倒すのである。 この時、どうしても腰がつられて曲がってしまう。 すると私の背後から私の身体を持ち上げてくれる。すると、チャンと腰が伸びるのである。

 

最後は、歩容の改善である。 彼はリハビリ室内を歩く私の後ろから付いて来て、あれこれとアドバイスをくれる。 今回は、

 

   「踵(かかと)、踵、踵・・」

 

であった。 つまり、踵から着地せよ・・と言う事である。 踵から着地すると、①背筋が伸びる、②。自然に歩幅が大きくなる、③1歩の最後の「蹴り出し」が可能となる・・のメリットが出て来る。

 

なるほど、こうすれば杖無しでも上手く歩く事が出来る!

 

リハビリ391―上半身の柔軟性

さて、9月中旬の某日、リハビリの施術を受けに、妻の運転で総合病院に出掛けた。 いつものM医師の予診を受けて待っていると、担当のI士が声を掛けて来た。 さてリハビリに入り、空いている台を探して、本日の施術が開始となった。

 

靴を脱いで台の上に仰向けになると、

 

   「先ずは上半身からやりましょう」

 

と言って、私の左上方から私の左腕を持った。 今までは、下半身のマッサージとストレッチからだったのに、どういう風の吹き回しだろう・・と思った。 そして、左腕の施術中に、彼が

 

   「どこか痛い所は、ありますか?」

 

と訊いて来た。 彼にしては、珍しい質問である。 私が、

 

   「右の肩です」

 

と答えると、更に、

 

   「いつ頃からですか?」

 

と質問して来たので。二ヶ月である旨を答えた。 そう、以前彼には、伝えてあったのだ。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2017/09/03/091041

 

きっと、既に痛みは終息した・・と思っていたのだろう。 その後、右上半身、特に肩のストレッチに移ったが、彼は

 

「どうですか、これは痛く無いですか?」

 

と施術場所や方法が変わる度に訊いてくれた。 私の場合は、特定の角度に腕を上げた時のみ痛むので殆んどの場合否定したが、その角度になった時に顔を歪めた。 すると、彼は、

 

   「この角度に広げた時だけ痛むのは、〇〇筋が〇〇腱に当たる時に・・」

 

と解説し、その防衛のためにはどうしたら良いのかを教えてくれるのかと期待したら、

 

   「あっ、ごめんなさい。 痛い所(のストレッチ)は、止めておきましょう」

 

と言うのみであった。

 

   ―――――――――――――――――――

 

さて、今日の新技である。 I士は私に靴を履いて立位になり、両足を肩幅に開く様、指示した。 更に、後ろに反る様、指示した。 私は、両手を腰に当て、後ろに反った。 すると、彼は、

 

「今度は、両手を肩甲骨の下辺りに当て、同じ様に反って見てください」

 

と言った。 つまり、前者では腰が反ってしまうが、後者では胸郭の中央辺りから反ることになる。 唯、全身のバランスを取るために、腰が多少反るのは構わない様だ。

 

唯、このストレッチの意味が分かるには、もう少し時間が掛かった。