パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ393―「脚の筋肉が強いからなぁ・・」

 

さて今日は、9月最後のリハビリの予約日だ。 そこで妻の運転で総合病院に出掛けた。 M医師の予診を受けて待っていると、I士が声を掛けて来た。 時計を見ると、未だ定刻3分前である。 そして、リハビリ室に入る時に、彼が訊いて来た。

 

   「どうですか、調子は?」

 

   「相変わらず・・です」

 

と、私が答えると、それ以上は質問してこなかった。

 

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さて、先ずは下半身のマッサージとストレッチから始まった。 そして途中、四つん這いになり、2つ新技を取り入れた。 では、その新技とは?

 

先ずは、予備練習である。 四つん這いのまま、右手を後頭部に当てる。 そしてそのまま、肘を上げよ・・と言う。 従来は、手を天井に向けて上げ、上半身をひねる練習だった。 手なら真っ直ぐ上に上げられるが、その腕を畳むだけで、水平まで上げるのが難しくなる。 その事情は、左右を入れ替えても同じだった。

 

続いて、四つん這いのまま、片足を水平に上げる練習をした。 左右の足を交互に上げるのであるが、自分では水平に上がっていると思っても、未だ水平に達していないらしい。

 

そして、最後に2つ目の新技である。 I士が、

 

   「では続いて、右手を後頭部に置いたまま、左足を上げてみて下さい? そしたらそのまま、右手(肘)を上げて・・」、「ハイッ、左右を入れ替えて・・」

 

と指示した。 いや、別に動作そのものは、難しいものでもない。 しかし、バランスが取れないのである。 そのため、左足を完全には上げられない・・ すると、I士が左足を持ち上げるのであるが、すると、オットットとなってしまう。 

 

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更に、私は台に浅く腰掛けて両足を肩幅に開き、丸椅子に腰掛けて向かい合ったI士の両肩を持った。 すると、I士は丸椅子を引いた。 更に彼が両肩を引くので、私の上半身は思いっ切り前に倒れた。 その状態のまま、

 

   「ハイッ、胸を張ってぇ・・ 手はそのままで、自分で支えられますか?」

 

と言いながらI士は肩を下げたので、私は両腕を前に伸ばしたまま、スクワットの格好になった。 続いて、今度は彼の両肩を持ったまま、

 

   「お尻を持ち上げられますか? ・・ ハイ、下ろしてぇ・・」

 

と訊いた。 勿論、3~4回、難なくこなした。

 

以上の動作を、片足を大きく一歩踏み出した状態で行った。 (その後、左右の足を入れ替えて。)

 

別に、どう言った事でも無かったが、彼が、自虐的(?)な笑みを浮かべて、

 

   「(脚の筋肉が強いからなぁ・・)」

 

と半ば独り言の様に、言った。 きっと出来ないと思ったのかも知れない。 なぜそこで、彼が自虐的に笑まなければならないのか? そんな事を考えていると、こちらまで可笑しくなり、つい、失笑してしまった。