パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ440―10月の作業療法(1)―指の訓練

ではここで、2018年10月の作業療法を紹介しよう。

 

まずは、指の動きのチェックとトレーニングである。 そのため、M士は私を椅子に座らせテーブルを挟んで、反対側に座った。 そしてこれからやる、チェックとトレーニングのため、自分の真似をせよ・・と言う事だ。 

 

例えば、両手を机の上に置いて、左右同時に指で(両人差し指~小指で順次、)机をタップして行く。 ただそれだけだが、私がやると左右がシンクロしなかったり、指によってタップの強さが違ったりする・・

 

彼のタップを聴いていると、間隔も一定だし、小指のタップもチャンと軽やかな音がする。 勿論、(パソコンの)キーボードの打鍵の練習だ。

 

   ―――――――――――

 

そして、別の機会に、

 

   「今日は、パソコンをやりましょう」

 

と言って、M士は、大きなノートパソコンと電源アダプターと外付けマウスとを持って来て、はなえた。 そして、私の姓名の付いたアイコンを指(ゆび)で指した。 私がマウスカーサーをそのアイコンに合わせてダブルクリックすると、懐かしい文章(「今日は、〇〇さん。 いつも作業療法では、大変お世話になっており、有難うございます。」)が表示された。 その続きを書け・・と言う事だ。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2018/10/06/081635

 

さて、私は今日は何を書こうかな・・と思い、今日が暑かった事を思い出した。 そこで、

 

   「今日(きょう)は小春日和です。 小春日和は英語で『Indian Summer Day』と言います。 今日は『Summer Day』と言う位、暑い日となりました。」

 

と打ってみた。 すると、M士は、

 

   「本当に(小春日和の事を、)インディアン・サマー・ディと言うの?」

 

と訊くので、私が肯定の返事をすると、打ち終わってから、暫く画面を見つめ、

 

   「今日のは、イイ文章だ」

 

と褒めた。 まぁ、それはそれで嬉しいのだが、

 

    「(今は内容云々でなく、打ち方を議論すべきだろう)」

 

と思った。 すると、私の思いが通じたのか、こう評した。

 

   「うん、いいけど、右手の指が、伸びちゃってるんです。 左手の様に、こう丸まらないと、指の腹で、別のキーも打ってしまうでしょ?」

 

と言って、その見本を示した。 丁度、ピアノの鍵盤を打つ時の様に、手の内側にお椀を入れた様な格好だ。

 

   ――――――――――

 

その後、M士は、小さな、丸いデバイスを持って来た。 直径5~6cm程の丸い、手の平に乗る位の大きさだ。 その丸いデバイスには、圧力計の様な目盛りと針がある。そしてそこから、更に小さな丸が飛び出している。 直径1.5cm位だろうか。 

 

M士はそのデバイスを私の曲げた人差し指の上に置き、私にその小さな丸の中央の凹みに親指を乗せて、目一杯押せ・・と指示した。 私が押すと、大きな丸の中の針が動いた。

 

目一杯押したら、針はほぼ10を示した。 すると、M士が、

 

   「エェー! 10kgですかぁ・・ 強いんですね! (私より強かったりして・・)」

 

と、半ば驚きを持って言った。 【( )内は小声で。】 そして、自分自身で同じ事をやり、同じく10kgを示したので、納得した様子だった。

 

今度は、下に親指を置き、人差し指を凹みに乗せて、同じ事をやったら、4.5位だった。

 

   「ヘェー、4.5kgはありますねぇ・・ 強いですね!」

 

と、また言った。 そして、同様に自分自身でやったら、ほぼ5kgだったので、再び安堵した様だった。

 

歯科医院へ――歯が痛い!

 

2018年の10月中旬、歯が痛くなった。 そう、冷たいものが沁みるのだ。 例えば、水道水の温度でさえ、「シクッ」とする。 ましてや、冷水・・ 「ズキーン」とする。

 

余りの痛さに、歯医者に予約を入れた。 勿論、「歯の治療」として。 ただ、なぜか、翌日に予約を入れてしまった。 その後、

 

   「(しまった! もし今夜、痛み出したらどうしよう)」

 

と思った。 しかし、現実には翌日まで持った。 

 

   ――――――――――――

 

翌日、10:15の予約であるが、その5分前に着いた。 すると、いつものA歯科衛生士(女性)が私を呼んだ。 しかし、A士は私を、いつもの「歯のお掃除」用の椅子(治療台)に連れて行こうとした。 そこで、私は

 

   「あのぉ・・ 今日は、歯の治療をお願いに来たんですが・・」

 

と言った。 と言うのは、つい1か月前に、「歯のお掃除」に来たばかりだった。 ただし、9月の「歯のお掃除」は、日記にはしていない。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2018/08/09/130557

 

すると、それに気付いたのか、A士は、「はっ」とした様子で、

 

   「もう少々、お待ちください」

 

と言った。 そう、H歯科医師(男性)は、他の患者を治療中なのだ。 どうも、電話予約の時に「歯の治療」のため・・と言ったのが、伝わっていない様だ。

 

こうして私は、一旦、待合室に戻り、歯科医師の診察を待った。 やがて名前が呼ばれ、処置(診察)室に入ると、A士が、案内してくれた後に、問診を始めた。 私が、

 

   「右上の歯に、冷たいものが当たると、沁みるんです」

 

と言うと、彼女はエアーを歯に順次当て始めた。 私が途中、

 

   「あっ、痛いです!」

 

と言うと、A士は、

 

   「あぁ、ここね!」

 

言った。 予診が終わると、歯科医師やって来て、A士が問診の結果を報告した。

 

   「右上の5番か6番の様です」

 

つまり、第2小臼歯か、第1大臼歯だろう・・と言うのだ。 私は、前者だと思った。 と言うのは、下の第1小臼歯の先が尖っているので、咬合時に上の第2小臼歯に当たり、少し凹んでいるのだ。 勿論、食事の時に食物が溜まらない様に気を付けてはいるが、器質的問題なので、如何ともし難い。

 

   「いつ頃から、痛いんですか?」

 

と訊くので、私が一昨日からと答えると。さらに、痛みの程度を訊いて来た。

 

   「ズキーンと・・です」

 

と答えた。 すると、歯科医師は、

 

   「痛みが強い場合は、神経(=歯髄)を殺しちゃう方法もあるけど、急性のようだから、×××を被せとこかなぁ?」

 

と言った。 すると、A士は

 

   「そうですね、×××でイイと思います」

 

と答え、何か準備をして、それを歯科医師に渡した。 彼は、それを右上の小臼歯に塗り、自分の指で抑えた。

 

   「はい、口を濯いで下さい」

 

と言い、治療は終わった様だ。 早い・簡単・痛く無い・・と言う訳で、余りにもアッサリと終わり、拍子抜けをした。 私は、①リドカイン(麻酔薬)を打って10分程したら、②病変部を削り、③型を取って、④臨時の詰め物する。 そして後日、⑤詰め物を取り、⑥出来上がった型の、歯への当たりを調整し、⑦セメントを用いて接着し、10分程待ち、⑧はみ出したセメントなどを取り除く・・というプロセスを経るものと思っていた・

 

   ――――――――――――

 

こうして、余りにもアッサリと終わった。 しかも、費用はたった200円(健康保険適用、1割負担)だった。 

 

そう言えば、以前、同様の事例で、被せ物の材質に

 

   「セラミックはいかがですか? 健康保険の適用外となりますが・・」

 

歯科医師に言われ、値段を訊いたら9万円だと言う。 私は思わず、

 

   「健康保険の範囲内で、お願いします」

 

と答えた事があった。

 

義妹達とランチ

10月中旬の某日、義妹達とランチをした。 勿論、妻も一緒である。 予め、義妹の一人が11:30に予約を入れておいてくれた。 場所は、「〇〇〇亭」である。 地元では、結構有名な洋食屋らしく、昼は客で一杯になる・・と言う。 では、距離は?

       

前日、Google Mapで調べると、車で35分位だと言う。 しかも、15分前に義妹達が店の前の駐車場で待っていてくれる・・と言う。 そこで、当日、我々(妻と私)は、1時間前に家を出た。 勿論、道程はカーナビ頼りだ。 

 

   ――――――――――――

 

所が、カーナビ曰く、

 

   「目的地まで、45分程掛かります」

 

ですって! つまり、既にギリギリの出発である!?! なぜ、Google Mapとカーナビとでそんなに、異なるのか? これは、私の想像であるが、

 

  • Google Mapでは、距離から走行時間を割り出す、
  • カーナビでは、通行する道路の制限速度を考慮に入れて、割り出す、

 

である。 まぁ、例えば、制限速度が40km/hrの道路で両者を比較すれば分かる。 

 

   ―――――――――――――

 

話しが逸れてしまったが、余り焦っている振りを見せずに、私は、助手席で、カーナビのナビ係をやっていた。(笑) それでも、制限速度40km/hrの道を進んでいると、到着予定時刻が逆進している!?! その道は、片側一車線の直進の県道である。 我々の車は前の車に付いているが、スピードメーターを見ると・・ 40km/hrを越えているではないか! そのため、到着予定時刻が逆進したのである。

 

   ――――――――――――

 

こうして、殆んど遅刻せずに「〇〇〇亭」に到着した。 店の前の駐車場に義妹達が待っていてくれた。 勿論、バックで駐車するためだ。 何度か切り返して、漸く駐車が完了し、店内に入った。 (妻は、「バック」が苦手)

  

まだ、昼までには少し時間があるせいか、店内には殆んど客がいなかった。 我々は、女性店員の案内で、一番奥の「予約席」に着いた。 それを見て、店員は冷水を配った。 しかし、我々は、一生懸命メニューに集中している。 そして、全員が2,000円(税抜き)のコースを選んだ。 すると、店員は、ナイフ・フォーク・スプーンを並べ始めた。 いよいよ・・である!!!

 

   ―――――――――――――

 

前菜(野菜サラダの上に鳥の唐揚げが2個)、コーンスープ、パンとバター、アントレ(主菜)とその途中のパンとバターのお代わり、デザート、飲み物等が、次々と運ばれて来た。 尚、アントレとして私は肉を、妻や義妹達は魚(スズキ)を選んだ。 また飲み物として私はコーヒーを、ほかのメンバーは、夫々の物を注文していた。 更には、パンのお代わりをしたのは、私のみだった。 また、義妹の一人が店員に、

 

   「デザートのケーキは選べるんですか?」

 

と訊いたが、否定的な返事だった。 しかし、現実に出て来たデザートは、ココアケーキ・バニラアイスクリーム・アップルシャーベットのワンプレートで、どれも、十分、おいしいものだった。 特にアップルシャーベットは、逸品だった。 きっと、(フルコースの)果物の代わりなのだろう。

 

こうして、皆、満腹で満足のランチとなった。 尚、サラダの上に鳥の唐揚げはミスマッチだろうと、皆が思った。 わたしも思った。 しかし、実際は温かい唐揚げが美味しかったのだ。 今度、家で唐揚げを作った時に、試してみよう!!!

 

次(のランチ)は、11月の中旬らしい。(><)

 

診療002―201810―4

 

最後は、姿勢の問題である。 妻が、こう切り出した。

 

   「あのぉ、センセ・・ 主人が右に傾きやすいのは、薬の副作用なんでしょうか?」

 

これに対し、f医師は明確には答えなかった。

 

   「う~ん、確かにプラミペキソールは姿勢異常を引き起こす事がありますが、普通は前後方向ですよねぇ・・」

 

そして今度は、f医師から質問がだされた。

 

   「リハビリテーション・ワークブックの(リハビリ)は、やってますか?」 

 

すると、妻が茶々を入れた。

 

   「えぇ、毎日やっていますよ! まるでトドが寝ているみたいですけど・・ それに、背筋の(トレーニングの)時だって、1ミリ(メーター)位しか上がんないんですよ!!!」

 

と。 f医師は、流石にそれは言い過ぎだと思ったらしく、フォローしてくれた。

 

    「1日1ミリでも、1年間で36.5センチ(メーター)になるんですよ! それに1年後には、続けて良かったー・・となりますから」

 

と。 そこまで言われたら、続けるしかない。 以前、自宅で我々夫婦が娘を講師として、ヨガの練習をしていた時、三角のポーズを娘がやって見せた。 それを妻が真似、私も真似た。 すると、妻はほぼ完璧にコピーしたが、私はそこまでは、出来ていなかったのだろう。 そんな私を見て妻が、

 

   「お父さん、全然出来ていないじゃない! ほら、〇〇が真っ直ぐじゃあないよ」

 

と笑った。 すると、それを聞いた長女が、その笑いを制する様に言った。

 

   「出来ない人の事を、笑っちゃダメだ!」

 

と。 それを聞いて、私は娘の成長を感じた。 尤も、既に社会人ではあるが・・

 

   ――――――――――――

 

その後、f医師は、姿勢を保つ方法として、こんなのを教えてくれた。

 

   「車に乗っている時、頭をヘッドレストに着けておくとイイですよ」

 

と。 そこで早速、帰路にやって見ると、確かに背筋が伸びるし、右への傾きも緩和される。

 

唯、困った事と言えば、隣で運転している妻が、

 

   「ほらぁ・・ チャンと頭を後ろ(のヘッドレスト)に、くっ付けてぇ~」

 

と、口五月蠅(くちうるさ)くなった事だ。(汗)

 

   ―――――――――――――

 

その後、リハビリ(作業療法理学療法の施術)を受けに、総合病院に行った。 その時の様子は、後で纏めて記そう。

 

 

診療002―201810―3

さて、最後の項目は、血圧測定結果である。 メモから転用しよう。

 

 

(3) 血圧の測定結果について  (アムロジン処方の結果の検証)

  • 前回診察日(9月3日)~昨日(10月14日)の起床時及び就寝時の血圧は、次表の通りであった。

 

測定時期

起 床 時

 就 寝 時

有効件数

41

41

41

42

42

42

 

項目

最高血圧

最低血圧

脈拍数

最高血圧

最低血圧

脈拍数

単位

mmHg

mmHg

pulse/min

mmHg

mmHg

pulse/min

平均値

133

82

63

124

79

68

標準偏差

6.6

4.7

5.5

 

7.9

6.1

6.7

最高値

149

92

86

139

89

89

最低値

118

71

55

106

67

57

 

 

まぁ、上手くコントロール出来ていると思ったのか、特にコメントは無かった。

 

続いて、歩行継続障害提言のための視覚キューの話題となった。 f医師が、

 

   「床に目印を付けると、(患者は)歩きやすいんですよ」

 

と言ったら、妻が反応した。

 

   「えぇ、ウチの床には(メンディング用)テープが貼ってあります」

 

   「どうですか、歩きやすくなりましたか?」

 

   「どうなんでしょうねぇ・・」

 

と言うので、私は

 

   「ええ、なりました」

 

と答えた。 すると、今度はf医師は、紙を取り出し、こんな絵を描き、

 

   https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20181023/20181023131030.jpg

 

こう説明した。

 

「杖の先の横にネジを打って、太いストローを刺すんです。 そして、そのストローをテープで止めるんです。 ストローなら、万が一、(足に)当たっても、痛く無いでしょ。」

 

それを実現すると、次の様になるだろう。 (但し、テープは無い。)

 

   https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20181023/20181023175049.jpg

 

これは、以前作った事があった。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2015/08/18/075450 (後半)

 

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20150711/20150711180421.jpg (開いた状態:使用時)

 

   https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20150711/20150711180420.jpg (閉じた状態:収納時)

 

   ―――――――――――――

 

こうして診察は終わり、処方となった。 f医師は、

 

   「シンメトレルを1日200mgの所、300mgにしてみましょう」

 

と言った。 私個人としては、ノウリアストの方が、「効いたー!」感が強かったので、

 

   「センセ、ノウリアストは?」

 

と訊くと、

 

   「あんなの、効かないよー!」

 

と評価は低かった。 そして、7日分のみの処方だった。(飲み忘れ等のストックがあるため。)

 

 

診療002―201810―2

私の主訴は歩行障害であるが、どうもf医師の話しを聞いていると、歩行障害には2種類ある様だ。 それは、歩き始めの問題と歩き途中の継続の問題である。 まぁ、言ってみれば、「歩行開始障害」と「歩行継続障害」であろうか? 前者は、俗に言う「すくみ足」と言うモノだ。 後者が「狭義の歩行障害」(特に、突進歩行)とでも言うべきか・・

 

後者に対してf医師は、聴覚キューと視覚キューを提案した。

 

聴覚キューとして、f医師は電子メトロノームを提案した。 そして、その設定について、

 

   「速度を(♩=)70にすると、丁度いいんですよ」

 

と教えてくれた。 実際、♩=70で歩いて見ると、かなりユックリだ。 これくらいユックリ歩けば、杖は要らない。 更に、f医師は提案した。

 

   「楽器屋に無くても、Amazonで売っていますよ」

 

と言うので、私は

 

   「スマフォのアプリケーションで、(メトロノームが)ありますよ」

 

と言った。 例えば、「サウンドコルセットチューナー&メトロノーム」と言うのがあるが、結構、使い勝手も良い。 実際、使って歩くと、杖は不要だった!

 

   ――――――――――――

 

以前、f医師は、この方法の提唱者に、

 

   「やって見たけれど、効果が無かったよ・・」

 

とクレームを付けた事があったらしい。 すると、その提唱者に

 

   「『1日8時間、聴かなきゃだめだ』と言われちゃったよぉ・・」

 

と笑いながら言っていた。

 

   ――――――――――――

 

階段の昇降についてf医師は、

 

   「どうですか、階段の昇降は?」

 

と質問した。 これに対し、妻が反応した。

 

   「えぇ、大丈夫みたいです。」

 

   「そうですかぁ・・ パーキンソン(症候群?)の人って、割と階段は大丈夫なんですよね!」

 

   「どうですか、昇る時はよいけど、降りる時、危なく感じた事はありませんか?」

 

と私の方を向いて訊くので、私が

 

   「別に・・ 大丈夫ですが・・」

 

と答えると、f医師はボールペンを水平に持ち、私の眼の高さまで持ち上げて、2~3度、ユックリと上下させた。 私は顔を動かさず、目だけで追った。 するとf医師は、その様子を見て、聞こえるか聞こえない位の小声で、独り言の様にこう評した。

 

   「(う~ん、少し(私の視線の)追従が、遅いかなぁ・・)」

 

と。 これは、進行性核上性麻痺の典型症状である「下方注視障害」を示唆している。

 

診療002―201810―1

 

さて、今日は午前中に中央クリニックで診察、午後から総合病院でリハビリのある日だ。

 

先ずは、クリニックである。 8:40に出発すると8:50には着いた。 前回、f医師が早目に出勤していたらしく、9時前に患者が呼ばれたので、少し早目に到着する様にしている。

 

今回は比較的空いていたので、患者4番目位に呼ばれた。 そして、扉をノックして、診察室に入った。 我々が座るや否や、f医師が質問した。

 

   「セディールはどうでした? 効きましたか?」

 

これに対して

 

   「(メモを渡すチャンスは今だ!)」

 

と思って、メモを渡した。 (前回は、タイミング悪く、渡しそこなった。) そこには、次の様に書いて置いた。

 

   ―――――――――――――――

 

(1) 前回受診日(2018年9月〇日)以降の体調について 

  •  ① ドプス600mg+シンメトレル200mg、アムロジピン5mg(いずれも1日量)は、以降、毎日服用した。
  • ② 従来の処方(プラミペキソール、ノウリアスト、トレリーフ)の影響を除くため、6日間の休薬期間を置いた。(その間は、①のみ、服用)
  • ③ 7日目より、セディール15mg(5mg×3)/日を服用開始。 最初の3~4日はやや有効、その後は僅かに有効。
  • ④ 14日目より、セディール30mg(5mg×2×3)/日を服用開始。 17日目からすくみ足・小刻み歩行が出現。
  • ⑤ 18日目は、セディールを休薬。 その後24日目まで、セディール15mg/日に戻すも、薬効を感じられず。
  • ⑥ 25日目の夕方、セディール10mg(=5mg×2)を服用すると、夜中にすくみ足・小刻み歩行が出現。
  • ⑦ 26日目は、セディールを休薬。 その間、歩行障害が再出現。
  • ⑧ ADLの低下と転倒防止のため、27日以降、以前処方されたノウアリスト40mg(20mg×2×1)を服用開始。 29日目より、やや有効。
  • ⑨ 36日目より、(薬物間相互作用の検討のため)セディールを再開。 しかし、薬効の増分を感じられず。
  • ⑩ その後、セディールをある限り服用。 (約5日間)

 

現在の服用状況:ドプス600mg+シンメトレル200mg+ノウアリスト40mg、アムロジピン5mg(いずれも1日量)

 

 (2) 処方について  (処方量は、1日当たり)

  • 上記①~⑩までの結果、
    • セディール15mg(5mg×3)/日は、PSP-PAGF(進行性核上性麻痺-純粋無動症)には、ほぼ無効。
    • セディール30mg(5mg×2×3)/日は、同症の症状を寧ろ悪化。(再現性あり。)
    • ノウアリスト40mg(20mg×2×1)/日は、同症の症状を改善。

と考えられた。

  • 現在、以下の薬を保有している。

ドプス200mg×3×42日分(=126錠)、シンメトレル100mg×2×35日分(=70錠)、アムロジン5mg×1×28日分(=28錠) (本来、総合病院で調節して来るべきでした。(><); )

その理由は、以下の通り。

  • 飲み忘れがあった
  • 総合病院にて、次回診察まで49日間の所、50日分処方された。(何度も)
  • 総合病院のF医師により最終、28日分処方されたが、現実には14日で先生の処方を受けた。

 

   ―――――――――――――

 

f医師は、(1) を冗長だと思ったのか、(2) を熱心に読んでいた。 もしかしたら、自分が処方したセディールの効果が否定的だったのが、ショックだったのかも知れない。