診療031 ― 202104(4)
久々にT医師に会ったが、相変わらず付け睫(まつげ)が異様に多い。 化粧が一般の女性と比較しても、異様に濃い。 まるで場末の安酒場の老マスターの妻の様だ。 あ、失礼しました、「化粧が濃い」ではなく、「お化粧がいつもバッチリな」でしたね!?!
話しは本題に戻して、T医師が、進行性核上性麻痺について、語り始めた。 例えば、
「純粋無動症だから、進行が遅いのね!」
と言ったが、先程まで見ていた画面が、受診記録だったのだろう。 反対に、妻がT医師
に、2点質問した。 先ずは、1点目は、
「センセ、主人の上半身が右に傾くんですが、これって病気の影響でしょうか?」
「えぇ、そうですよ」
と言うものだった。 尚、T医師による回答も添えた。 もう1点は、
「センセ、(この病気に)何か、良いお薬は無いんでしょうか?」
「えぇ、それが、無いんですよぉ~・・」
と。 まぁ、(進行性核上性麻痺の発症率が)10万人当たり4~5人じゃあ、研究者も少ないだろうし、製薬会社も食指を伸ばさないだろう。 ましてや、(純粋無動症が)更に、その内の3%では・・
すると、T医師は、現行の処方を見て、
「この内、(1番)効いているのは、シンメトレルねっ!」
と評した。
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どうも、話しの方向が、「進行性核上性麻痺」の方に行ってしまった様で、妻が、
「あのぉ・・ MRIを撮って欲しいんですが・・」
と言うと、T医師は、画面で紹介状を探して、開いた。 そして、聞こえるか聞こえない位の声で、
「あっ! f先生ねっ!!!」
「ふっふっふ、(5年後に)MRI(像)を見たくなったのねぇ・・」
と言った。 今度は、我々に向かって、普通のトーンでMRIの予約画面を見ながら言った。
「じゃあ、3日後の。〇曜日の11時ねっ!」
と言い、更に、
「ここに来るのも大変でしょうから、同じ日に診察(まで)しちゃいましょう」
と言ってくれた。
リハビリとバッティングしてしまったが、こちらを優先しよう!!!