診療030 ― 202104(2)
メモは。続いた。
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(2( 処方上の希望について
ノウリアスト(40mg/日)の追加(次回予約日の4月〇〇日迄の2週間分)をお願い申し上げます。 また、「これは、どうかな?」と思える薬剤がありましたら、試して見たいと考えています。 (例:進行性核上性麻痺にCOMT阻害剤)
(3) 血圧の測定結果について (アムロジン5mgの処方結果の検証)
前回診察日(3月15日)~昨日(4月4日)の起床時及び就寝時の血圧は、次表の通りであった。
|
起床時 |
就寝時 |
||||
日数 |
10 |
10 |
10 |
17 |
17 |
17
|
項目 |
脈拍数 |
脈拍数 |
||||
単位 |
mmHg |
mmHg |
pulse/min |
MmHg |
mmHg |
pulse/min |
平均値 |
129 |
83 |
78 |
127 |
81 |
74 |
8.6 |
6.7 |
8.6 |
9.1 |
7.6 |
5.6 |
|
最高値 |
141 |
94 |
93 |
139 |
92 |
85 |
最低値 |
118 |
71 |
64 |
110 |
67 |
62 |
以上
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f医師は、(3)の血圧には余り関心を示さなかったが、(2)の処方については、随分時間をとってくれた。 きっと、従来の文章に付加した「(例:進行性核上性麻痺にCOMT阻害剤)」に対して、思う所があったのだろう、振り向きながらA4のパンフレットの様なものを出してきた。 それは、f医師自身による「レボドパ補助薬、レボドパ経腸注入療法」(パーキンソン病シリーズ No.7)と言うものであった。 恐らく、「ドパミン受容体サブタイプとアゴニスト」と同じシリーズもの・・と思われた。 と言うも、後者には、「パーキンソン病シリーズ No.4」と書いてあったからである。 きっと、パーキンソン病患者への啓蒙書なのだろう。
https://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2021/04/01/133545
話しは戻って、「ドパミン受容体 ・・」には、レボドパ(L-DOPA)の体内代謝(=ADME)が書いてあった。 そこには、私が例示した、CCOMT(カテコール-Oーメチルトランスフェラーゼ)阻害薬が、どこで、どの様にして、効くのか、イラストがあった。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20210423/20210423103035.jpg
では、一体、COMT阻害薬は、進行性核上性麻痺に有効か、否か? レボドパが効かない以上、効くハズが無い・・とf医師は考えているのだ。 (私の症例で、変わったかもしれない。)
そこで私が、
「でも、先生、ノウリアストも『やってみなければ、分からなかった』のだったから、『COMT阻害薬だって、もしかしたら・・』でしょ!」
とツッコミを入れられれば、カッコよかったが、現実はf医師が答えを出してくれた。
f医師は椅子から立ち上がり、部屋内を歩いて棚の所に行き、
「どこかに、書いておいたよなぁ・・」
と独り言を言いながら、総説の別刷りを出して来た。 それは、「パーキンソン病とその治療」と言うタイトルの、f医師自身による22ページにもなる大作であった。 彼は、その中の図に、赤で矢印を書き、こう言った。
「ノウリアストは、もっと上位で効いているんですよ!」
と。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20210423/20210423103526.jpg
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そして、f医師は最後にこう言った。
「最後にMRIを撮ってから5年経ちますので、そろそろ撮ってみましょうか? ただ、こちらのクリニックでは出来ないので、紹介状⁼を書きますので、どこか大きな病院で撮って貰って下さい ・・ どちらの病院にしますか?」
と。 私は、、
「(元の)〇〇総合病院で、お願いします」
と言った。