診療001―201809―2
さて、いよいよ、処方の段階である。 f医師は、「セディール」と言う薬剤をチョイスした。 そう、セロトニン5HT1A受容体へのパーシャルアゴニストである。 これは、セロトニン5HT1A受容体への部分作動薬のことで、セディールは5HT1A受容体へ直接作用して、亢進しているセロトニン神経活動を抑制するパーシャルアゴニストとしての作用を示す。
https://kusuri-yakuzaishi.com/sediel-tandospirone-effect
さて、もう一つの問題は投与量の決定である。 と言うのも、少ないと折角の薬効が現れず、多いと副作用が心配だからだ。 f医師は、副作用について、こう示した。
「この薬は、副作用として、眠気があるんです」
と。 つまり、服用時は(運転する時に)眠気に注意せよ・・と言う事だろう。
さて、f医師は、
「一応3週間分出しますので、これを次の様に服用し、結果を報告して下さい」
と言いながら、手元のレポート用紙に、飲み方の説明を模式図に書いた。
追加 セディール 5mg
1W 〇 〇 〇
2W 〇〇 〇〇 〇〇
つまり、最初の1週間は毎回1錠ずつ、次の1週間は毎回2錠ずつ服用してみよ・・と言う事だ。 成る程・・ これなら、やがて至適量に達する。
以上で、本日の診察を終え、次回を7週間後とした。
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さて、f医師に礼を言い診察室を出ると、患者は増えていて、待合室に空席は殆んど無かった。 それでも、広めの場所を探して着席しようとすると、他の患者が少し寄って場所を作ってくれる。 まぁ、私が杖を使ってヨタヨタと歩いているせいかも知れない。 勿論、妻は立っている。 親切な患者は、自ら身体を捩って場所を作ってくれるが、妻は
「あ、大丈夫なんです、私は(患者の)付き添いなんです。 有難うございます」
と言っていた。
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すると、会計が出来上がったらしく、受付に呼ばれた。 妻が黄色い手帳と共に支払いを済ませ、
「このまま、薬局に行って来るから、ここで待ってて?」
と言い残して、門前薬局に行った。 そして、このクリニックのf医師を紹介してくれた薬剤師に礼を言おうと思ったら、不在だと言う。 そこで、経緯を窓口の薬剤師に述べたら、彼女は
「その様ですね、カルテに書いてありました」
と言ったらしい。 妻は、個人毎にカルテが作られているに驚いた様だったが、投薬履歴の管理も調剤薬局の薬剤師の仕事である。
唯、小さな薬局なので全ては揃わず、翌日、電話を受けてから、取りに行った。 (薬局側は「届けます」と言ったそうだが、断ったらしい。)