リハビリ438―9月の作業療法
さて、9月のリハビリも、作業療法と理学療法のセットで予約した。 今月は4回リハビリに行ったが、それらを纏めて記そう。
先ず、コンピュータの話題が出た。
「一日、どれ位、やってますか?」
と言うM士の質問に、私が
「そうですねぇ・・ ずっとやっていると、目が閉じてしまうんでぇ・・」
と言うと、
「何分位で閉じてきますか? 10分位? 閉じた時は、どうするんですか?」
とさらに訊くので、私が
「いいえ、5分位です」
と答えて、閉じた目を親指と人差し指で開く様子を再現すると、彼は真っ直ぐ私の方を向いて。目を見開いた。 私が戸惑っていると、彼は
「私の真似をしてください?」
と言い、続いて、口を尖らせて、「うー」と言ったり、「いー」と言ったり、左右の頬で空気を移動したりした。 私がそれらを真似ると、彼は
「(顔面神経の問題では、なさそうだなぁ・・)」
と、小さな声で言った。 一連の真似は、顔面神経の麻痺の有無を調べるためのものだったのだ。
――――――――――――――
更に、ある時私は耳が痒くなり、彼が席を立った時、仰向けのまま両人差し指で両耳を掻いた。 その後、無意識に親指と人差し指とを摺り合わせ、「ゴミ(=耳垢)」を払う動作をした(らしい)。 すると、彼はその動作を見逃さず、
「今、オニオンピーリングをしませんでしたか?」
と訊いた。 「オニオンピーリング」とは初耳だが、パーキンソン病の患者が良くやる動作に、「丸薬を丸める動作」と言うのがあるが、きっとその事だと思った。 まぁ、私のした事は余り良いマナーではないが、彼の誤解(?)を解くために正直に話したら、彼は納得してくれた。
―――――――――――――
後は、金属の箱からゲーム用トークン(ゲームコイン)を机の上に出し、それらを指で摘まんで元の箱に戻す練習もした。 私が伸びた爪で拾っていると、M士はそれが不満だったようで、
「それじゃあ、爪で拾っている・・」
と言いかけたが、彼自身がやって見て、爪が無いとコインに取っ掛かりが無いので無理だ・・と分かったらしく、その後は何も言わなかった。
その他、スライムの様な固い可塑性の粘土を延ばして、これにフォークで穴を開ける練習とか、最終日はどこからか大きなノートパソコンを持って来て、Wordで入力の様子を見たりした。
ノートパソコンでは、私が
「今日は、〇〇さん。 いつも作業療法では、大変お世話になっており、有難うございます。」(〇〇さんは、作業療法士の苗字)
と入力するとM士は
「いやぁ、それ程でも・・」
と、書いた内容に反応していた。