パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ426―深爪し過ぎた!?!

 

さて、今日は5月最後のリハビリがある日だ。 そこで、妻の運転で総合病院に出掛けた。 いつもの手順で、医師の予診を受けて待合椅子に座っていると、作業療法担当のM士が声を掛けて来た。 こうして今日のリハビリが、始まった。

 

さて、今日のハイライトは? それは、「上肢機能簡易検査機」を用いた、手・腕の機能検査である。

 

M士は、私に広いテーブルの前の椅子に座らせて、

 

   「チョット、待ってて下さい」

 

と言って、部屋の隅にあるラックから、大きなカバンの様な物を取り出し、テーブルの上に置いた。 続いて彼は、その1辺が50vm程のカバンを開け、2つに開いた。 丁度、2枚貝の様に開いたカバンの中には、色々な「小道具」が入っていた。 そしてそれぞれの中央には、20cm角程の穴が開いていた。

 

彼は4つのプラスチックの箱(タバコの4倍位)を、左側の穴に入れ、自分の腕時計をストップウォッチモードにして、こう言った。

 

   「では、右手で4つの箱を右側の穴に並べて下さい。 いいですか? ヨーイ、ハイッ」

 

そこで、私は「急いで・落ち着いて」箱を運んで行った。 運び終わった時点で、M士は自分の腕時計を操作し、「6.18」(秒)とシートの欄に記入した。 続いて左手で同様に元の位置に戻し、「6.78」と記入した。 同じ様にやっても、1割程利き手の方が早い。

 

全く同様の事を、箱の代わりに野球のボールを用いた。 同じ様でも、微妙に違いがある。 それは、ボールを穴に入れて、置く所だ。 どういう事かと、ただ穴に置いただけではダメなのだ。 静置しないと、ボールが穴の中で動いてしまい、2、3、4番目になる程、置き難なってしまう・・ そのため、余分な時間が掛かってしまうのだ。

 

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更に、箱・玉共に順次サイズダウンして同様の事を行った。 勿論、移動元・移動先共に、穴ではなく木枠になり、場所も左右から前後に変わった。 そして、一番最後は、直径2mm程の玉と、マッチ棒位の長さで直径1mm程のステンレス棒だ。 この棒は6本あり、移動先では、6個の穴に挿すのだそうだ。

 

左手でその棒をピックアップしようとしたら、不注意で落としてしまった。 落ちた棒は、木枠の隅に転がって行った。 私は棒を拾い上げ、もう一度同じ穴に挿そうとした。

 

所が、その棒が取れないのである。 普通は、人差し指や小指等の爪で、中央に出して、親指と人差し指とで挟んで(摘まんで)運ぶのである。 勿論、試した。 しかし、引っかからないのである・・ その理由は、タイトルから明らかであろう。 そう、深爪である。 なぜ、深爪にするか・・ですって??? 一つは深爪が好きだった母親の影響、もう一つは食品製造会社の勤務が長かったからである。

 

で、深爪の上に(爪切りに付いている)ヤスリで角を丸めたので、余計に棒に引っかからない・・ 

 

   「(どうしよう・・ どうしたらいいのだろうか?)」

 

と考えている間にも、時間は刻々と進む。 しかし、焦りは禁物である。 兎に角、考えながらでも、指を動かさなければ!!!

 

そうしている間に、ある事を思い付いた。 それは、人差し指で、金属棒の天面をそっと撫でてゆくのである。 これが他の指だったり、人差し指でも力が入ったりしたら、折角出て来た棒を再度押し込んでしまうかも知れない。

 

仮に隅から棒が出て来ても、今度はその細い棒を親指の先との間で摘ままなければならない。 実は、この状態も極めて不安定で、穴に挿す時に(片手のまま)持ち直さなければならない。 この時、左手だと、つい落としてしまう・・

 

こうして、左手で3回ほど落としたが、終了した。 結局、右手で62秒・左手で111秒掛かってしまった。

 

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こうして作業療法を終え、続く理学療法もS士によって、無事に終わり、我々は帰路に就いた。