パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ441―10月の作業療法(2)―古いツール

さて、その他の作業療法としては、こんな事をやった。

 

M士は、どこからか、大きな小豆色の古い箱(50cm×30cm(×厚み5cm)位の縦長)を持って来た。なぜ、古いと分かるかと言うと、蓋の縁や角で薄い表層の紙が剥がれ、セロテープで補修してあるのだが、そのセロテープも重ねて貼ってある所が粘着力を失い、セピア色になって台紙から浮いている・・からである。

 

 

それもそのはず、表(おもて)面の文字を指さして、M士は、こう言った。

 

   「見て下さい、ほら・・ 労働省時代のものですよ! 今は厚生労働省でしょ?」

 

と。 見ると、金の箔押しで、

 

            「  労働省監修

             職業訓練適性測定器  」

 

と言う様な事が書いてあった。 早速、M士は蓋を開け、厚い木の板を出して、それを斜めに立て掛た。 

   

見ると、小さな穴が100個程空いていて、そこに入れるプラスチック製のペグが下部の溝の中にある。 (ペグの長さは20mm、太さは4mm程の円形) 彼は、その溝から金属の棒を出して、穴の脇にある専用の(雌ネジ)穴にネジ込んだ。 そして、その金属棒に、ワッシャーを40枚程刺して、こう言った。

 

   「これ(ペグ)を取って、ワッシャーを通して、穴に入れて下さい」

 

と。 私は、右手でペグを、左手でワッシャーを取り、2列(20個)程やった。 すると今度は、それを戻せと言う。  そして私が戻し終わると、彼は箱に蓋をして、またどこかに持って帰った。

 

   ――――――――――――

 

彼はタオルを持って来て、台に腰掛けた私の右斜め前でスツールに座って一端を左手に持ち、他端を私の右手に握らせた。 そして、こう言った。

 

   「私がタオルを引きますから、〇〇さんは腕を緩めて下さい。 続いて、〇〇さんが引いて下さい。」

 

と。 で、実際やって見ると、

 

   「私が引く時は、力を緩めて下さいねぇ・・」

 

と言われた。 成る程、そう言う事か! ・・と、分かった様な気がした。 そして更に、20回やった。 すると、今度は彼が私の左側に位置し、反対の腕でやった。 先ず、数回お試しでやって、今度も20回連続でやった。

 

すると、体が温まってきた。 そう、好気的運動なのだ。 結構な運動量になったので、M士は、

 

   「少し、休憩しましょう」

 

と言った。