リハビリ185―水彩画
2014年5月上旬の某日、5月に入って最初のリハビリ日である。 つまり、理学療法と作業療法とがある日だ。 それぞれ40分間、計80分間の長丁場の日である。
まぁ理学療法の方は、M医師による予診後エアロバイクを20分間やり、O士がこなしてくれた。 ただし、時間の都合で、NuStepは負荷6で400歩までとした。
その後斜面台でふくらはぎのストレッチをやっていると、担当のM士がやってきた。
「今日は。 では早速(作業療法を)やりましょう。 あちらのテーブルへどうぞ。」
と案内後、少し休憩を取る様に言われた。 その間、妻が宿題の習字の作品を持ってきたので、M士に見せた。 楷書の「春夏秋冬」と行書の「十六夜の 寒さや雲も なつかしき」である。
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M士は、高く評価してくれたが、まぁ、割り引いて聞いた方が良い。
「(十六夜の)これって、何て字ですか?」
「夜です、いざよい・・の。」
「い、ざ、よい・・ですか? 十六夜(じゅうろくや)って書いて? どんな意味なんですか?」
「新月から数えて、16日目の夜の月です。」
その後私が椅子に座って待っていると、目前の女性作業療法士が車椅子の高齢女性患者に、ボードを指しながら質問していた。
「5 足す 6は?」 「・・ 11 ・・」
「そうですね、じゃぁ、4 掛ける 2 は?」、「・・ 8 ・・」
「そうですね、じゃぁ ・・」
と、1桁同士の加算と乗算をやっていた。 老婆の回答は、多少時間が掛かっているものの、全て正答であった。
そんな様子を見るとはなしにみていると、M士が私の目前の机に水彩絵具を置いた。 どうやら今日の課題は水彩画らしい。
そして、課題の下絵を持って来た。 雲海にそそり立つ富士である。 そして、お椀の水と、白い皿も揃い、水彩塗り絵の時間となった。 ただ、筆が書道の筆である。
私がいざ絵具を出そうとすると、M士が制した。
「その前に・・」