セカンドオピニオン―パーキンソン病/症候群でないとしたら・・
では、PSの中の何病であろうか? この段階で○医師が考えている可能性のある疾患は?
それは、進行性核上性麻痺(PSP)や黒質線条体変性症(MSA−P)の様である。 私は○医師が、大脳皮質基底核変性症(CBD)も視野にいれているかと、思っていた。
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○医師は椅子から立ち上がりながら、
「セカンドオピニオン(外来)では、本来、診察はしないんですけど・・」
と言い、部屋の空きスペースに椅子を置いた。 そして私に移動を促し、自らはキャスターの付いた椅子に座った。
その時の○医師による診察内容は、総合病院で前任だったI医師のそれとほぼ同じだった。 例えば、手首・肘・膝関節の固縮の有無、顔前で上下左右に振られるペンの、眼だけの注視、キョンシーの腕の真似(両手を開いて、両腕を前方水平に静止し、保持する)等である。 そして最後に○医師は、私が室内を歩く様子を観察した。
そしてその結果を、
「筋固縮はありません。 ただ、自覚的には左右差はないと仰ってましたが、右腕の方が僅かに固い様です。 眼球の動きは正常ですし、振戦もありません」
と、評した。
そして、A4の白紙に手持ちの赤ペンで「PSP」(進行性核上性麻痺)と書いた。 それを見て、私は
(オイオイ、PSPじゃあないだろう。 痴呆もないし、眼球の動きも正常だ・・って、言ってたじゃないか!)
と思ってしまった。 なぜならPSPの予後は、極めて悪いからである。
それでも○医師は同じ紙に、もう一つ「PSP」と書き添えた。 2つの「PSP」の文字、一体、何のために???