診察201604―3
さて、問題は処方である。 これについては、私の方から希望を書いておいた。
(3) その他(処方上の希望)
・ ドプス100mg 1回1.5 または 2錠、1日3回
・ シンメトレル50mg 1回2錠、1日2回
・ マドパー配合錠 (不要)(PSPに無効の論文は多数あり。 事実、過去に5.5錠/日から3錠/日にするも症状に変化なし。 「服用後30分でオンになり4~5時間でオフになる」様な感覚も無い。)
・ プラミペキソール錠 (不要)または 0.125mg錠を、1回1錠、1日2回
・ 降圧剤 脱塩利尿剤+X(例 : X=なし、ACE阻害剤 または Ca拮抗剤等)
これに対して、F医師はチョットの間考えて、次の様に言った。
「じゃあ、マドパー配合錠を減らしてみましょう。 ええと、1日2錠でいかがですか?」
「ハイ・・」
「朝・昼(各1錠にしますか)? 朝・晩(各1錠)?」
「朝・晩で(お願いします)」
と言う事で、従来処方よりマドパーが3錠/日から2錠/日になっただけだった。 勿論、降圧剤は処方されない。 この事を、どう考えたら良いのだろう。 私の推論は以下だ。
① 抗PD薬は、進行性核上性麻痺に有効な事がある。
② PD患者で急に抗PD薬を中止すると、「悪性症候群」になる可能性がある。
③ (自分は代診なので)抗PD薬について、従前の処方を余り変えたくない。
④ (自分は代診なので、降圧剤の)新規の処方は控えたい。
どうだろう、「中(あた)らずと雖(いえど)も遠からず」ではないだろうか?
この内、①はF医師自身の発言でもある。 確かにその様な臨床病型(PSP-P)もあり、またその他の病型でも一時的に有効な場合もある。 ②はPD患者の場合であり、薬効を示さない進行性核上性麻痺ではその様な懸念は無い。 ③・④は、一般的な傾向である。
こうして次の予約を取り、礼を述べて診察を終えた。 次回はS医師である事を願い、次回こそ降圧剤を処方して貰おう。