診察201310―2
S医師が報告書を読み終わった頃を見計らって、メモを渡した。 そこには、次の様に書いておいた。
(1) 前回受診(2013年9月2日)以降の様子について
① 病気や怪我等、特筆すべき健康上の問題は生じていない。
② 症状を含め、全体的には大きな変化は無かった。
③ リハビリテーションも、貴院にて毎週1回継続している。 本日も16時より予定。
ま、ここは読み流した。 そして次の経過報告に目を移した。
(2) セカンドオピニオンについて
④ S先生に紹介状を書いて頂き、10月×日に某大学病院・セカンドオピニオン外来を受診する事ができました。 ご配慮に深謝します。
⑤ 担当は○医師、「こちら(の病院)では神経内科のパーキンソン外来を担当しています」との自己紹介あり。
⑥ パーキンソン病(PD)とパーキンソン症候群(PS)の詳細な説明の後、途中、鑑別診断のため、問診と診察を実施。
問診内容:発症時期と経過、初発症状、症状の左右対称性、自律神経損傷に関連した自覚症状の有無、精神症状や認知症の有無、薬剤に対する(自覚)反応性等。
診察内容:筋強剛・眼球運動障害・振戦の有無、並行動作・歩行の観察等。
ここは、じっくり読んだ。 そして、核心へと進む。
(3) 診断と治療について
⑨ ○医師は、「S先生からの診療情報・画像診断(CD-R)での所見・MIBG検査結果・上記⑥等から、PD以外のPSではないか」と。
⑩ 「PSは広い概念であるが、その中の進行性核上性麻痺(PSP)、更にその非定型例の純粋無動症(PAGF、Pure akinesia with gait freezing)の可能性がある」と示唆。
⑪ 投薬・処方については、セカンドオピニオン報告書に詳述。
⑫ 貴院で現在行っているリハビリテーション(プログラム)を、その専門性の観点から高く評価し、「ウチでも、ここまでは出来ない」と。 (「ADLの維持には、薬より効く」?)
S医師の視線は上記の(2)と(3)の間を往復したままである。 何か逡巡する事でもあるのだろうか?