診察201310―3
ダメ押しは、以下の記述である。 (一部、既述)
(4) 思い当たる事が・・
⑨ 帰宅後、PSP-PAGFについて自分なりに調査して見た所、これまで無関係だと思っていた下記症状と類似の症例や記載があった。
・まぶたが重い(眼瞼下垂ではない) → 「眼が開かない」との症例報告があった。
・扉を通過しずらい → 同様の訴えがあった。
・「肩甲骨の動きが悪いですねぇ。 (振り向く時に)十分首が回らないでしょう?」(貴院リハビリテーション科 G理学療法士) → 「項部固縮も初期の特徴として報告されている」との文献があった。
しかし、それでもS医師は「進行性核上性麻痺」(PSP)の診断に懐疑的だった。
「PSPの場合は、眼球の動きが異常で・・」
と言いながら、手持ちのボールペンを自分の眼前で上下した。
「でもそれは、PSPの-Pや-Cタイプです。 -PAGFの場合は正常なのでは?」
「確かに、○○さんの場合はパーキンソン様症状だけで・・ 痴呆もないですよね?」
「ええ・・」
まぁ、S医師にはS医師の考えがあり、彼女にとってはこのセカンドオピニオン報告書を元に、派遣元の先輩医師の意見を聞いてからでないと・・ (拙速は避けなければならない)そう言った意味からも、今ここで診断を急ぐ必要もない。
S医師は、この堂々巡りを断ち切るかの様に、
「このセカンドオピニオン報告書にある通り、マドパーを増やしてみましょうか?」
と増量処方の提案をした。 私は、一応
「でも、パーキンソン病を除外しているのに、その鑑別のためですか?」
とは言ったが、最終的には提案を受け入れた。
「急に(マドパーの投与量を1日600mgに)増やす訳には行きませんから、今回は1日3錠で、朝昼晩と。」
「分かりました。」
と。