診察201205-2
(わざわざ診察券で患者を確認しないと間違えるなんて、マトモな医師ではない)
と言う、プライドの片鱗を誇示している様ですら、あった。
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私は着席するなり、この7週間の症状の変化を記したメモを渡した。
前回受診日以降の自覚症状の変化
? 症状に急激な変化はないものの、徐々に病状が進行している。
・ 体が重く、動作が一層緩慢になった。 例:食事の時間が長くなった。
・ 手足の脱力感が強い。 例:食事中に物をこぼす、姿勢が悪い。
・ バランスが悪くなり、移動時に杖を常用している。
・ 方向転換(振り向く)時や後退時に、バランスを失い易い。
・ 狭い所を通る時、すくむ。(自動車の昇降時や半開のドアの通過時など)
・ 日常の中で、突進しそうになる事が増えた。
? 1月下旬発生の転倒事故の影響は、殆どないと思われる。
・ 日常生活での不便さは、ほぼ解消した。
・ ただ、左肩関節の可動域には、制限がある。
I医師は、このメモとモニターを交互に見ながら、キーボードから打ち込んで行った。 内容を転記しているのだろう。
これにより、病状が悪化したのを知ったI医師の診察は、丹念であった。 例えば(以下にもあるが)、特に眼振の検査では、ペンライトを私の目前で何度も何度も往復させた。
そしてその結果をキーボードから入力しながら、I医師はこう尋ねた。
「便秘って、無いんですよね?」
私は、
「ええ、ありません・・ 先生、便秘って、交感神経の損傷を意味するんですか?」
と逆質問したら、肯定の返事が返って来た。 更にI医師は、畳み掛ける様に質問を続けた。