診察201112-4
「意味、分かんなーい」 (I医師)
と、言った。 私にはその不満げな口調も、発言内容も意外であった。 その質問とは、以下である。
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質問:「パーキンソン病治療ガイドライン2011」(日本神経学会/医学書院、2011.4.1)について
・ 臨床に直接携わっている先生の目からの、ガイドラインの内容に対するご評価は?
・ 一般論として、ガイドラインに沿った治療方針や処方の変化(例えば、今回の改訂ではL-DOPAの使用範囲が広がった事)はあるのでしょうか?
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「だってMIBG(検査)で(H/M比が)3、あったんでしょ?」 (I医師)
「ええ、2.9から3、ありました・・」 (私)
つまり、
「だったら(アナタの病気はパーキンソン病でなく)パーキンソニズム(=パーキンソン症候群)・・ って事でしょ?」 (I医師)
これは言外に、
(だったら、どうしてパーキンソン病の事を聞くの?) (同)
と言っていたのであろう。 しかし、「一般論として」を忘れている!!! つまり、私はパーキンソン病について、ガイドラインの重みを尋ねているのである。 私・個人の事は尋ねていない。
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もっと言えば、前任のT医師が現在の治療方針(処方)を決定した時も、基本は旧ガイドラインが念頭にあったと思われる。 それらは例えば、
? 70歳以下ならD2アゴニストで、以上ならL-DOPAで治療を開始する
? 複合処方を推奨する
である。 勿論、病気(症状)は、人それぞれである。 そのため、あくまで「念頭(参考)」である。
つまり、I医師は
(今日のこの場は診察の場であり、医学の議論をする場ではない)
と言いたかったのかも知れない。