診察―201108-4(歩行障害と姿勢反射障害)
「意識をすれば、普通に歩けるんです」 (私)
と前置きをして歩いてみせた。
「でも、意識をしないと、少し前屈みになって、こんな感じなんです」 (私)
と、トボトボと普段の歩き方をして見せた。 妻は、
「会社では緊張しているらしく、普通に歩いている様なんですけど、家では・・」 (妻)
と説明した。 それを聞いたI医師は、
「それは、あり得ないでしょう・・」 (I医師)
と言った。 要するに、「普通に歩く」事も訓練の内であり、将来のADL・QOLを考えると、普段から意識して「普通歩き」を練習するべきである・・と言う示唆に思えた。
そして私を直立させたI医師は、私の背後に廻って両肩をクッと引いた。 1回目は少しの引きだったので、そのままの姿勢でいられた。 そして2回目は、より強く引いた。 初診や前回の引きよりも、明らかに強かった。 それでも私は、半歩下がっただけで、耐えた。 きっと、I医師もその事を記憶していたため、引きを強めたのであろう。 そしてよろめく様子だけでなく、姿勢を立て直す様子を観察していたのだろう。
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歩行試験が終わり、私は患者用のイスに再び掛けた。 そしてI医師は、所見を述べた。 眼振もないので、小脳に異常はなさそうだ。 私が、
「(歩行の)問題は錐体外路にあるんでしょうか?」 (私)
と質問したら、この「錐体外路」と言う専門用語が私の口から出た事に、I医師は少し驚いた様であった。 そして、「パーキンソニズム」(パーキンソン症候群)と言う言葉で、私の病気を説明してくれたのである。
それは、メモに書いてある、次の質問にも関連するからだ。