診察―201108-3(固縮と眼振)
I医師はひとしきり入力し終え、診察に入った。 今回は、関節の拘縮と筋肉の固縮の検査から始まった。 それは、メモに次の様に書いてあったからであろう。
新たに観られる症状
ふくらはぎの筋に、緊張(軽度の固縮?)を覚える時がある。
そこにある通り、脱力(緩和)時に、筋肉が緊張している感じがするのである。 もしかしたら症状が進み、Dopamin(ドパミン)が減少し、相対的にAcetyl choline(アセチルコリン)が優位になっているのでは? ・・と言う、私の懸念である。
I医師は私の真正面から両手を取り、私の腕を伸ばさせた。 そして手を離した。 つまり、私は座ったまま、「前へ倣えっ!」をした格好だ。 I医師は私の両腕の動きをじっと観察していた。 振るえの有無や、定位の問題だろう。
そして、静止できているのを知ると、私の右手を取り、私に左手でグーパーを繰り返させた。 そして左右を入れ替えて同じ事をさせた。 さらに、両手首・両腕の他動性運動をして見た。 パーキンソン病患者に特有な、歯車様の固縮の観察である。
最後に医療用ハンマーで両膝を叩いた後、I医師はそれを私の目の前にかざした。 そして、
「これを、目だけで追って下さい」 (I医師)
と言いながら、左右と上下にゆっくり動かした。 ハンマーの向こう側には、可愛いI医師の丸顔・・
「(うん、今日は化粧が決まっているなぁ・・)」
なんて、不謹慎な事は決して思ってもいない。
これは、進行性核上性麻痺(眼球運動障害が現れる)との鑑別の目的かも知れない。 そして私の場合は眼球の運動に問題ない・・と、結果を教えてくれた。 ここまでは、一安心である。
さてその次は、いよいよ問題の・・