パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ481―カワイイ研修生

 

さて、5月下旬の某日はリハビリの予約日だ。 そこで、妻の運転で総合病院に出掛けた。 そして、いつもの手順でM士とリハビリテーション室に入ると、彼はこう言った。

 

   「今日は、学生さんと一緒です。 後で、挨拶(を)させます」

 

と。 事実、リハビリテーション室内の奥の方に、白いケーシーとトレパンを着用した女性が立っていた。 小顔(縦長の丸顔)・髪は後ろで1本に束ね、痩せた印象の女性だった。 ま、女性と言うより、いかにも未だ学生ぽくってカワイイ・・と言った方が良く彼女を表しているだろうか?

 

さて、我々が彼女に近付くと、(M士が何か合図を出したのだろうか?)彼女は、

 

   「Y〇〇と申します。 本日は、宜しくお願い致します」

 

と私に挨拶をして来た。 勿論、私も、

 

   「〇〇です。 こちらこそ・・」

 

と返事をした。 すると、M士が私に、

 

   「病気の事、(彼女に)喋ってもイイですよね?」

 

と確認して来た。 勿論OKした。 こうして、作業療法のリハビリが始まった。

 

   ――――――――――――――

 

その後、M士は、台に腰掛けた私の真正面でスツールに座って、

 

   「(患者は)右の肩が下がってしまうんです」

 

と言いながら、左肩をチョット落とし、僅かに前に倒した。 勿論、Y嬢(Y研修生)のためのポーズである。

 

   ――――――――――――――

 

そこで、彼は私を台に仰向けに寝かせ、輪投げ一式を持って来た。 そして、私の左側に腰掛けて、右手で輪を持ち、左手でその輪投げの芯棒を持ち、私の左腰の辺りに後者を立てて座った。 彼は更に右手で、一つずつ輪を繰り出すので、私が右手でそれを受けて知芯棒に入れて行く。 

 

この時の呼吸が問題である。 息を吸いながら輪を右手で受け取り、ユックリと息を吐きながら、その輪を芯棒に入れて行く。 そう、以前やった事がある。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2018/06/10/095322 (の後半)

 

そう、腹筋強化のためのトレーニングである。

 

   ――――――――――――

 

作業療法士が、後輩にリハビリの様子を見せるのに、巧緻作業でなく、筋トレを見せるのは、なぜだろう・・と思ってしまった。

 

 

診療009―201905(3)

 

更に、メモは続いた。

 

(3)  介護認定について

 

  • 上尾中央総合病院作業療法士曰く、「急性期にやるべき作業療法は、すべてやった。 今後は家庭環境でのリハビリになるが、それは介護保険の役割だ。 自分達は、家庭に入って行けないので・・」と。
  • 今の段階で、医療保険のリハビリから、介護保険によるリハビリに切り替えるメリット・デメリットとして、どんな事が想定されるでしょうか?
  • 介護認定に当たり、「主治医としての意見」は頂戴出来ますでしょうか?

 

これに対して、f医師から、直接のコメントはなかった。 そこで、妻が、f医師に質問した。

 

   「あのぉ、スキーのストックみたいに、両腕で持つ杖がありますよね? あれって、どうなんですか?」

 

f医師は、

 

   「ああ、あれねっ! イイんじゃあ、ないですか! でもあれって、使う時に、気を付けて下さいね!?! 両手・両脚が揃って動くと、ロボットみたいになってしまいますので。(対角線に)交互に動かさないと・・」

 

と言いながら、「ロボットみたいに」の所では、右手・右脚を、そして左手・左脚を同時に動かし、「交互に」の所では、右手・左脚を、そして左手・右脚を交互に動かした。 更に、f医師はメモ用紙に、「キザキ 安定歩行ポール」と書き、

 

   「このメーカーのは、ここ(接地部と杖本体との接合部)が、ジャバラになっているので(、地面のグリップ力が)強いんです」

 

と紹介した。

 

(4) 血圧の測定結果について  (アムロジン処方の結果の検証)

 

  • 前回診察日(4月〇〇日)~昨日(5月〇〇日)の起床時及び就寝時の血圧は、次表の通りであった。

 

 

     起 床 時

     就 寝 時

有効日数

17

17

17

25

25

25

項目

最高血圧

最低血圧

脈拍数

最高血圧

最低血圧

脈拍数

単位

mmHg

mmHg

pulse/min

mmHg

mmHg

pulse/min

平均値

133

87

67

118

80

72

標準偏差

6.8

3.5

3.5

6.9

6.9

6.4

最高値

144

92

73

130

94

86

最低値

115

81

61

104

62

61

 

以上

 

これを見て、f医師は

 

   「立ち眩み・・なんて、無いですよね?」

 

と訊いた。 私は、

 

   「えぇ・・ ありません」

 

と答えると、f医師は

 

   「アムロジンを(現在の半分の)2.5mgにして見ましょうか?」

 

と、提案したので、私は合意した。 その結果。処方は次の様になった。

 

   Rx.   ドプス      600mg   (分3毎食後)

        シンメトレル   300mg   (分3毎食後)

        ノウリアスト   40mg    (分1朝食後)

        アムロジン    2.5mg   (分1朝食後)

 

 

 

診療009-201905(2)

 

f医師は私の方を向いて、私の右腕を持ち、肘の辺りをまさぐった。 そして瘤を探り当てると、

 

   「どこかに、ぶつけたんじゃないの?」

 

と言った。 私が、キッパリ否定すると、

 

   「水が溜まってるんじゃないかなぁ・・」

 

と言った。 うん、それなら心当たりがある。 私は右利きであり、また身体が右に傾くので、つい、右腕で支えるので、右肘を突く事が多くなる・・

 

妻は、それを聞いて、

 

   「センセ、それって、良く膝に水が溜まるのと、同じですか?」

 

とf医師に訊いた。 すると、f医師は、両手をグーに握り、拳と拳を擦り合わせながら

 

   「膝の場合とは、チョット違うんだけど、ね!」

 

と答えた。 更に、

 

   「まぁ、ほっといても大丈夫だけど、気になるんなら、整形外科ですねぇ」

 

と付け加えた。また、次の項目では、

 

(2)  処方上の希望について

 

  • 上記③から、ノウアリストは有効と考えられる。 ついては、「ノウリアスト 20mg錠」を、「1日1回、朝食後に1回2錠 服用」をご処方戴けないでしょうか?

 

   「(何で、こんな薬が効くんだろう・・)」

 

と独り言を言いながら、処方してくれれた。 但し、

 

   「この薬は、L-DOPA製剤と一緒に処方しなきゃ、ダメだったんじゃないかなぁ?」

 

と言い、「処方薬辞典」(?)のノウリアストのページを私に見える様に開き、

 

   「ヤッパリそうだ・・ じゃあ、一緒にドパコールの50mgを出しとくから、これは飲まずに捨てて下さい?」

 

と確認した。 

 

更に、f医師は、価格についても言及した。

 

   「確かこのノウリアストって高かったんじゃなかったかなぁ・・」 

 

と言いながら、再び「処方薬辞典」(?)を見て、

 

   「へぇー、782.4円/20mg錠もするよ! L-DOPA製剤って、10円位なのにねぇ・・」

 

と感心してみせた。 まぁ、私個人は、月額5000円と個人負担の上限額が決まっているが・・

 

 

診療009―201905(1)

 

5月中旬に、中央クリニックのf医師を受診した。 いつもの手順で受診手続きを取り、診察室の前のソファーに座って待っていると、12~13分程で呼ばれた。 実は、我々の前に数人いたのだが、皆、(受診が)早いのである。

 

私がノックして診察室に入ると、f医師が椅子を廻して、こちらを向き、

 

   「どうでしたか?」

 

と訊いた。 私は、

 

   「(はて、前回は、特別な処方は無かったのに、何を訊きたいのだろう・・)」

 

とは思ったが、きっとリハビリ時に療法士が

 

   「体調は、いかがですか?」

 

と訊くのと同じなのか・・と思った。 そこで、私は、

 

   「余り、良くありませんでした」

 

と答え、いつものメモを渡した。 そこには、次の様に書いて置いた。

 

   ―――――――――――――

 

1)  前回受診日(20194月〇〇日)以降の体調について 

 

  • ドプス600mg+シンメトレル300mg、アムロジピン5mg(いずれも1日量)は、ほぼ毎日服用した。
  • 4月24日の早朝、トイレに起きて、転倒。 左上唇から出血してしまった。
  • ADL/QOLが、一層低下してしまった。 例えば
  • すくみ足とフリーズ:最初の一歩が出ず、フリーズしてしまう。
  • 屋外での一人(杖)歩行に、自信が無い。
  • K公園へ歩行訓練に、妻の運転で出掛けた。 しかし、最初から「妻を頼りの間欠跛行」となり、四分の一周でギブアップ。 帰路の車中で、開眼失行から閉眼となり、自ら指で開眼を試みるも出来なかった。
    • 仕方なく、以前の処方で最も有効だった「ノウリアスト20mg錠」×2/日(余分に処方されたり飲み残した分)を服薬。 その2日後から、歩行が回復し開眼失行も消失。 妻も食事時、「ちゃんと、眼を開いているじゃない!」と。 また後日、同公園に行くと、一周を完歩出来た。
  • その他の症状
    • 相変わらず、足がむくんでいる。
    • 右肘に、2週間程前から、瘤(こぶ)? 柔らかく、痛みは無い。 一体、何でしょうか? 対処は?

 

   ―――――――――――――

 

これを読み、f医師は私の方を向いて、私の右腕を持ち、肘の辺りをまさぐった。 

 

 

ハローワークへ―最終回

さて、5月中旬の某日、妻の運転でハローワークに行った。 今回が最後となる。 そのため、支給金額が普段の28日分に対して8日分と、三分の一にも満たない。 それでも「権利」なので、ちゃんと受給したい。

 

まぁ、いつも通り、⑥番窓口に並び、「失業認定申告書」と「雇用保険受給資格者証」とを提出すると。暫くして後者のみが返却された。 そこを見ると、最終行に、「支給終了」と赤のスタンプが押してあった。 これを見ると、

 

   「(嗚呼、本当に360日経ったんだ・・)」

 

と思えて来た。 妻も、

 

   「(1年間、チャンと通えたんだー)」

 

と思ったそうだ。 と言うのは、妻は、去年の5月、DVDを見にハローワークに来署した時に、

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2018/06/03/092451

 

   「(1年間なんて、通えないだろうな・・)」

 

と思ったそうである。 しかし、現実にはこうして、1年間通えた。 その事を記録する意味でも、最終回まで来たかった。 ま、喜ばしい事である。

 

唯、職員が「雇用保険受給資格者証」を返却する際に

 

   「この書類は。1年間、保管して置いて下さいね」

 

と言った。 何かの証拠になるのだろうか? 逆に言うと、何かあっても、時効は1年と言う事だろうか?

 

こうして、最終の失業認定も無事に終え、帰路についた。 そう、(求職実績を作る必要が無いので)③番窓口に行く必要が無いからである。

 

これで、もうハローワークに来る事は、無いだろう。

 

 

リハビリ480―こ、これって、確か・・

 

さて。作業療法の後は、理学療法である。 台に仰向けに寝て待っていると、M嬢が

 

   「こんにちは、〇〇さーん」

 

と笑顔で、明るく声を掛けて来た。 女性の笑顔と言うのは、イイものだ。 それが、「営業スマイル」であったとしても・・ 唯、この頃、M嬢が「女」である事を意識しなくなって来た。 それは、慣れのため・・と言う事にしておこう。(><)

 

さて、今日は新技を紹介しよう。 

 

M嬢は、仰向けの私に

 

   「左に向けますか?」

 

と私に、横になる様、促した。 私が横を向き終ると、彼女は私に左腕を真っ直ぐ前に(=台の上に)伸ばす様、そして、右手を左手の上に乗せる様指示した。 ここまでが準備である。

 

私の背中付近にいる彼女は、私に

 

   「右腕を、後ろに(背中側に)廻してください?」

 

と言って、私の右腕を持って、押し下げた。 私の上体は、グッと右回りに回転した。 更に彼女は、

 

   「顔は、天井の方から右手を見るようにしてぇ・・ 」

 

と指示した。 すると、彼女は、

 

   「どうですか、この辺はのびますか?」

 

と私の背中をさすりながら訊いた。 私は、少しあえぎながら

 

   「えぇ・・ 伸びています」

 

と答えると、彼女は、納得した様な表情を見せた。 続いて彼女は、彼女のサポート無しにやって見る様に、言った。 私が一人で始めると、彼女は、

 

   「お臍は、上を向かないでぇ・・」

 

と注意した。 

 

これをやっている間に、私はデジャヴを覚えた。 それは、I士による下記の技である。

 

   【そして、四つん這いになって、片方の腕を天井に向けて挙げ、顔をその指先を見る様に捩じるストレッチを行った。】

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2015/07/10/064647

 

まぁ、それさえ分かれば、今回の新技のエッセンス(胸郭の柔軟性の増強)さえ分かれば、後は容易である、 その後、反対側でも同様な事を行った。

 

唯、両者の差として、I士のはstaticであるが、M嬢のはdynamicだ。

 

こうして、無事に理学療法も終り、帰ろうとしたら、彼女がこんな事を言った。

 

   「介護保険の話し、聞きました?」

 

勿論、M士から先週聞いたので、肯定の返事をした。 いよいよ、M嬢まで言い出した。

 

 

リハビリ479―「二つの事を同時に、出来ない・・」

 

さて、今日は4月の中旬、リハビリのある日だ。 そこで、妻の運転で総合病院に出掛けた。 今日は、作業療法が先にある。 そこで、ほぼ定刻に現れたM士とリハビリテーション室に入り、いつものデスクの前に腰掛けた。

 

最初は、枠内に名前と住所を書く練習だ。 ただ、今回は手本が無いので、彼が指で机をタップしてから、次の一画を書く・・と言う方法をとった。

 

すると、今度は、自分でタップせよ・・と言う。 私が左手の中指でタップしながら書くと、彼は、

 

   「もっと強くタップしてぇ・・」

 

と指示した。 私は左手で机を叩きながら、右手で文字⒦を書き始めた。 しかし、文字に集中すると、左手でのタップが弱くなる。 すると、M士からは、

 

   「もっと、強く叩いてぇ!」

 

と檄が飛ぶ。 まぁ、その時は、強くなが、また文字に集中すると、弱くなって、注意を受ける。 そんな事も3回目となると、M士の語尾が強くなる。 私は、仕方なく、

 

   「二つの事を同時に、出来ないんです」

 

と正直に答えた。 まぁ、パーキンソン病では、右手を上げて「キラキラ星」をしながら左手で自分の左膝をトントンと叩く事が難しい・・と言う。 きっとM士は、その事を知っていたい以外ない。 それ以上は、何も言わなかった。

 

   ―――――――――――――――

 

さて、書字練習が終わると、彼は枕と紙筒を、棚から見繕って来て、枕をデスクの上に置いた。 そして、その枕の上に両手を置いて、その紙筒を私に渡し、両手で水平に握る様に言った。 その結果、長さ60cm・直径5cm程の紙筒の中央近辺を私が両手で持つと、私の正面に座った彼は、同じく両手で、筒の、私の両手の外側を持った。 そして、こう言った。

 

   「私が、筒を回転させますから、回転しない様に、(紙筒を)抑えて下さい」

 

と。 こう言いながら、彼は筒を回転させようと、力を入れた。 そして、私は筒が回転しない様に、逆向きに力を入れた。 勿論、筒は回転しなかった。 しかし、彼が筒を回転させるタイミングが分からないと、私(=患者)は常時力を入れていなければならず、それはやがて疲労に繋がり、患者の力(=能力)の正当な評価になり得ない。 ・・そう思ったのだろう、彼は、こんなやりかたを提案して来た。 

 

   「私が『力を入れてぇ』と言って五つ数えて、『力を抜いてぇ』と言うから,それに合わせて」

 

と。 そして、これを10クール繰り返した。

 

   ――――――――――――――――

 

最後に彼は、同じ髪筒を左手で縦に持ち、右手の内、親指・薬指・小指の3本で筒を握り、残りの2本の指をピンと伸ばした。 彼は、私に同じ様に持つ様、促し、

 

   「力を入れてぇ、1、2、3、4、5、力を抜いてぇ」

 

と、何度か声を掛けた。 私は、筒が回転しない様に、必死で筒を持つ3本の指に力を入れ、抑えた。 すると・・

 

自然と、中指が丸まってきてしまう。 それをM士は、直した。 まぁ、彼は、私が中指も使ってゴマをしている等とは思っていないだろう。 唯、誰が、何処から見ても正しくやっている・・と言う事をアッピールするための「形」なのだろう。

 

そして、同じ事を左手でも行った。