パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ260―腹筋を鍛える

2015年6月中旬、午後からリハビリの予約日だ。 幸い、雨は上がった。

 

M医師による予診を終えて待っていると、予約時刻の15分前にI士が来た。 どうも早目に始めてくれるらしい。

 

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早速台に上がり、脚・横隔膜・肩・首筋のマッサージを順次行った。 そして、四つん這いになって、片方の腕を天井に向けて挙げ、顔をその指先を見る様に捩じるストレッチを行った。

 

そしてその状態で、挙げた腕と対角線の脚を(水平まで)挙げよ・・と言う。 既に上半身は腕と共に捩じり上がっているので、中々水平までは挙がらない。 ましてや、左右を高速に切り替えるなんて・・

 

もう、ストレッチでなく、立派な筋トレである。 しかし後に知ったのであるが、これが今の私に必要な「一石三鳥」らしい。

 

   ① 上半身を捻る事により柔軟性を保つ。

   ② 脚を挙げる事により、腹筋(インナーマッスル)を鍛える。

   ③ 高速切り替えにより、転倒しそうな時、バランスを保つ。

 

ナホルド、合理的である。

 

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I士は続いて、私に仰向けになり、膝を立てる様指示した。 そして、両肩を台に付けたまま、両膝を右に倒せと言う。 そして一度元に戻し(=両膝を立て)、今度は左に倒してから元に戻すらしい。 まぁ、簡単である。

 

すると、今度は踵を空中に上げて、同じ事をやっていると、I士が大きなゴムボールを持って来た。 直径70cm位はあろうか、それを両膝の間に挟んだら、両足が60度位開いた。 その状態で、ボールを挟んだ両膝を左右に倒せ・・と言う。 これが、結構な負荷である。

 

更にはボールを両膝で挟んだまま、両脚を伸ばして、同じ様に振る訓練を行った。 うん、重い。 相当な負荷である。 途中I士は、

 

   「腰は痛くないですか?」

 

と、訊いた。 確かに腰を捻るが、痛くはない。 そして、これが腹筋の運動だと言う。

 

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続いて靴を履き、フロアに立った。

 

   「うん、イイ姿勢ですね!」

 

と、I士は立位の私を横から見て、評価した。 チョッピリ、嬉しくなった。

 

そして、I士の指示通り、歩行訓練用の平行棒に両手を着き、左足を下げた。 すると、

 

   「もっと後ろに、もっともっと!」

 

と言うので、どんどん後方に左足を下げると、腰は落ち、前方に残った右膝も深く折れた。 この状態で、左足の踵を床に着けよ・・と。

 

確かに左足を後方に伸ばしただけだと、爪先立ちの様になっている。 そこで、踵を床に着けて足の裏全体で床に・・ 全体・・は着かない!?!

 

もう、脹脛の筋肉がギンギンに伸びている。 それをI士自身も確かめ、右足に交代した。

 

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さて、今日の講評である。

 

   「脚の筋力は、十分ですねぇ。 でも上半身の力は、脚と比べるとねぇ・・」

 

と言う事で、前半の四つん這いでの練習や仰向けでボールを挟んでのトレーニングに繋がるらしい。 そして、前々からハムストリングが伸びないとの指摘を受けていたが、どうやら脹脛の筋肉も同じらしい。

 

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最後に、私から質問した。

 

   「あのぉ・・ 前回、しゃがんだ姿勢で踵を床に着け様とすると、後ろに倒れちゃうのも、ハムストリングが伸びないからなんですか?」

 

すると、I士の答えは私の予想とは違った。

 

   「いや、その場合は・・ 寧ろ、バランスの問題なんです」

 

と。 そして、蹲踞(そんきょ)した私の背後に回り、色々な方向に動かして見せた。

 

   「ほら、こうやって後ろ(方向のバランスを取るの)が苦手でしょ?」

 

と教えてくれた。