パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

水難の相―1(エコキュートからの漏水)

先日のリハビリと診察が無事に終了したので、一年の行事が全て終わり、後は静かに正月を迎えるのみとなる・・ハズだった。 しかし、実際はもう一山も二山もあった。

 

では、その原因は? それが掲題である。 このエコキュートは、お風呂のバリアーフリー化を目的としたリフォームの際、2015年1月に導入した設備の一つである。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2015/01/29/075615

 

最初に異常に気付いたのは、妻であった。 それは、コントローラーの画面に表示される朝一の湯使用量が、これまでずーっと「0」だったのが、この所「300」(リッター)台を表示している事が多い・・と言うモノであった。 私が気付いたのはこの頃だろうか、シャワーを使っていると温度が安定せずに、途中、水になるのであった。 なぜだろう・・と思っているあいだに1週間が過ぎてしまった。

 

12月28日の朝、給湯中のマークが出っ放しで、コントローラーのモニターのバックライトが点灯しっぱなしになってしまった。 (通常は節電のため、非使用時は明度を下げる。) ここに至って、「何か変だ」と感じた私は、妻にPanasonicの顧客センターに電話(FD=Free Dial)してもらった。 電話の指示に従って操作すると、モニターでここ1週間の使用量が表示された。 すると・・ 7日前の1,800リッターから、6日前の1,900リッター、5日以降昨日までの2,000リッターまでを表示していた。 更に、ここ1日内の使用量をモニターで見ると、常に数十リッター流れている事を示していた。 

 

尚、モニターでの使用量の目盛りの最大値が、2,000リッターとなっている。 これは、この機種で想定される最大量が2,000リッターと言う事なのだろう。 事実、この頃は、未だタンク内に湯量が半分あるのに、「湧き上げ」モードになってしまうのであった。 即ち、

 

   「このペースで使って行ったら、(未だタンク内に湯量が半分あるが)やがて、湯量不足になってしまう・・」

 

と言う、エコキュートの「学習機能」による。

 

続いて、電話口の男性は、水道メーター付属のパイロットが回転しているのを確認させた上で、室外にあるエコキュートの所に行く様指示した。 先ずエコキュート全体の電源を落とし、続いて、給水弁を閉じた上で、最後に再度パイロットの回転の様子を見に行く様指示した。 そこで妻に見に行って貰い、私に電話を替わった。 そして、パイロットが停止している事を報告すると、

 

   「大変申し訳ございません、エコキュート(以降)から漏水しているようです。 至急修理の必要がありますが、どうします? お客様が工事をした工務店さんに連絡を取りますか、それともこちらで手配した方が良いでしょうか?」

 

と詫びの上訊くので、私が前者にする旨を答えて、礼を言って電話を切った。 続いてSハウスメーカーのFDに妻が電話した。 すると、転送されて、S社の者に繋がった。 そう、世の中は「仕事納め」の日だったのだ。 ・・と言う事は、暫く直らない!?! しかし、S社の者が修理を手配してくれる・・と言う。 すがる思いで、お願いをした。

 

すると、1時間程して、電話機が鳴った。

 

尚、その間にエコキュートの取扱説明書を読んだら、下記の記述があった。

 

   「シャワーを確実に止めずに、再びシャワーを出したときは、水になることがあります。」

 

即ち、自分ではシャワーを止めても、漏れがあるので、エコキュートはシャワーが確実に止められていない・・と思った事になる。

 

診察201712-4

 

続いて、この4週間の血圧の報告をした。

 

 (3) 血圧の測定結果について  

 

  • ④ 11月〇〇日(前回受診日)~12月△△日(昨日)の起床時及び就寝時の血圧は、次表の通りであった。

 

測定時期

起 床 時

就 寝 時

項目

最高血圧

最低血圧

脈拍数

最高血圧

最低血圧

脈拍数

単位

mmHg

mmHg

 pulse/min

mmHg

mmHg

pulse/min

有効件数

28

28

28

28

28

28

平均値

132

83

65

121

78

65

標準偏差

7.5

6.1

4.9

7.4

5.1

4.9

最高値

143

91

78

133

86

75

最低値

112

66

54

106

67

58

 

これに対し、F医師は、

 

   「上手くコントロールされていますね?」

 

とコメントとも確認とも取れる発言をした。 私は、ただ、

 

   「えぇ・・」

 

と答える他は無かった。 さて続いては、処方についてである。

 

 (4) 診療上の希望について  

 

  • ⑤ 処方については、現在のままでお願い申し上げます。

 

これに対し、F医師が殆んど聞こえない位の声で

 

   「あ、前回と同じねっ!」

 

と独り言を、安堵と共に(?)呟いたのを、私は聞き逃さなかった。 それは、F医師が

 

   「(これ以上のトレリーフの増量要求があったらどうしよう・・ 抗PD薬としては、既に最大量を処方しているし・・)」

 

とでも困っているのかと、私に邪推させるに十分な言い方であった。 

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2017/11/05/075517

 

そして、いよいよ最終項目である。

 

 (5) その他  

 

  • ⑥ 前回測定しました心電図の結果は、いかがだったでしょうか?
  • ⑦ 12月1日、「特別障害者手当」の受給資格について、貴科の徳永医師からご評価を頂けました。
  • ⑧ 12月上旬、「指定難病医療受給者証」が郵送されて来ました。 (同)診断書を有難うございました。    (有効期間:平成30年1月1日~平成30年9月30日)→ 月額最高5,000円(指定難病医療に限り)
  • ⑨ ⑦の結果を受け、12月19日に鴻巣市役所に「特別障害者手当」を申請した。
  • ⑩ ⑨が承認されると、⑧が無効になるので、「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受けた。  →同一医療機関で、月額最高8,000円(保険診療に限り)
  • ⑪ ⑧の結果を受け、⑨・⑩と同日、鴻巣市に「難病患者手当」の継続申請を行った。(月額5,000円)

 

これに対し、F医師は私の心電図を表示した。 観ると・・ 全20ストローク程の内、前から1/3位の場所に、乱れがある! それは、本来のリズム位置よりわずかに早く始まり、不応期が1サイクル以上あった。 F医師は、

 

期外収縮ですね」

 

と説明した、 すると、妻が小さな声で、私に

 

   「キガイシュウシュクって何?」

 

と訊くので、私は同じく小声で、

 

   「本来のリズムとは違うタイミングで(心臓の)収縮が起こることだよ」

 

と言うと、F医師は

 

   「そうですね、その通りですね」

 

と、追認する様に言った。 そして、次回の予約を5週間後にお願いして、今回の診察を終えた。 

 

え? これまで、ずーーーと4週間毎だったのに、なぜ5週間後なのか・・ですって??? それは、月間医療費の上限が8,000円と決められいるからである。

 

診察201712―3

 

さて、リハビリが終わったら、今日は診察のある日だ。 そこで、妻は車椅子を押して私を外来リハビリ室から脳神経内科に連れて行った。 そして、私が施術を受けている間にコンビニで買って来た缶コーヒーを出してくれた。 しかも、私が好きな「キリマンジャロ豆100%使用」と言う、リキャップ可能な容器である。 

 

しかし、自販機のものより2廻り程、大きい。 中々飲み切れないので、リキャップの意味を実感する。 表示を見ると、370mlもある。 うん、160円するのも納得できる。

 

   ―――――――――――――――――

 

さて、コーヒーも飲み終わり、暫く待つと、我々の番号が表示された。 全部で40分位待ったろうか? 私は車椅子を降り、杖を突いて軽くノックしてから入室した。 そして、いつものメモを提出した。

 

(1) 前回受診(2017年11月〇〇日)以降の主なイベントについて 

 

(特筆すべき外出イベントはなく、自宅にいる事が多かった。)

  • 12月中旬、自宅内の巨木を、専門の業者に委託して伐採した。 自分で出来ない理由は、枝下ろしをしてから伐採するが、枝下ろしの時、木に登る必要があるが、足がすくんだり、更にバランスを失いそうになったりするから。 伐採の結果、大きな木が無くなり、全体的にスッキリした。

 

   http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20171230/20171230172515.jpg  伐採前(棕櫚と梅)

 

   http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PSP-PAGF/20171230/20171230210851.jpg 伐採後(スッキリ)

                       

  • 12月〇〇日、××市内のU歯科医院にて、歯の定期検診(+歯石除去)を受ける。 ・・妻の運転で。

 

 (2) 前回受診(2017年11月〇〇日)以降の体調の変化について 

 

  • 前回、トレリーフ25mg×2/日への増量のご処方を戴いた。 その結果と思われるが
    • 増量後の最初の一週間程、却って体調が悪化した。
    • その後は体調が安定し、現在に至る。

 

ここまでを読み、F医師は以下の様にコメントし、それに対して妻が返コメした。

 

   「ヘェー、樹をねぇ・・ この(写真の)大きな樹ですね?」

 

「ええ、梅の木なんです。」

 

「随分、明るくなりましたねぇ!」

 

「それ・・ 隣ン家(ち)なんです。 その手前の畑がウチなんです。」

 

「樹をきった時にでる(切り)屑を片付けるんが大変なんですよねぇ・・」

 

「そうなんです、片付ける費用って、kg(当たり)いくら・・でしょ! 樹を切る費用と同じ位掛かったんですよ・・」

 

まぁ、当を得た会話になっているか否か・・

 

リハビリ406―初めてのK士と

 

さて12月も、否、今年も残り少なくなって来た。 そんな下旬の某日、今年最後のリハビリと診察日となった。 先ずは、リハビリをこなそう。 

 

今日は診察日なので、例によってI士は不在。 Y士も担当患者がいるらしく、K士となった。 勿論、初めてである。 そこで代替医師の予診を受け、待っていると、

 

   「〇〇さーん、〇〇××さーん・・」

 

と呼ばれたので、返事をすると、またしてもイケメンの男性が呼んでいた。 歳の頃は、未だ20代だと思われた。 軽い自己紹介をして、彼のサポートを得ながら、リハビリ室へ歩いて行った。 途中、彼は

 

   「もっと、(歩行は)ユックリでイイですよ」

 

と、私に言った。 例の、歩幅の小さいチョコチョコ歩きが、何か焦っている様に見えたのだろう。 以降、私はマイペースで歩いて行った。 そして、空いている台を探して、台を清拭後、私だけ腰掛けさせた。 

 

彼は台を清拭後、私の正面に体勢を低くして質問して行った。 例えば、以下の様に。

 

   「困っている事とか、痛い所とか、ありますか?」

 

   「痛い所はありません。 困っている事は、すくみ足とか・・ 突進歩行です」

 

と答えたら、納得した様だ。 そして、いよいよ施術に入った。

 

   ―――――――――――――――

 

彼は、台の上であおむけになった私の足首を持ち、膝と股関節を折った。 すると、彼は

 

   「股関節が、少し固いですねぇ・・」

 

と評した。 そして、下半身のストレッチを行い、上半身のストレッチを行っていった。 すると、彼は更に、

 

   「左側の方が固いですねぇ・・」

 

と言った。 ははーん、私の上半身が安静時に右に傾きやすい原因は、これだな! ・・と思えた。 

 

続いて靴を履き、歩行練習に移った。 部屋の端まで往復したが、彼は私に杖を渡してくれたので、歩くのは簡単だった。 すると、彼は

 

   「おお、イイじゃないですか! ついさっき、この部屋に入って来る時と比べて」

 

と嬉しそうに言った。 

 

そして最後に、彼は私に平行棒の間に入る様指示し、

 

   「何て言うのかなぁ・・ 足をこうやって」

 

と言いながら、右足を左足の前に持って来て、踵を爪先に付けた。 私は、

 

   「ああ、継ぎ足ですねっ・・」

 

と言いつつ、背筋を伸ばすために、真っ直ぐ前方を見て歩いて行った。 すると、彼は私に、

 

   「足を見て歩いても。イイですよ」

 

と言うのである。 即ち、今の段階では歩容を多少犠牲にしても、シッカリ継ぎ足歩行に集中すべきなのだろう。

 

歯科医院に行く

 

私は、毎3ヶ月に、歯医者に通っている。 定期検診(歯石の除去)のためだ。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2017/10/24/075151

 

12月下旬、前回からほぼ3ヶ月、今年最後の健診となった。 そこで、先ずは予約の電話である。 翌診察日の予約状況を訊くと、

 

   「何時でも大丈夫ですよ」

 

と言う。 良い(=こちらの都合を優先出来る)のか、悪い(=流行っていない)のか、常に悩むが、私の歯の事を歯科医師も歯科衛生士も熟知しているので、また同じ歯科医院に行ってしまう。 後は、仮に新しい歯科医院に移っても、エピオスウォーターまたは同等品を販売しているか否かが問題である。

 

確かにチャリ圏内にも、結構流行っている歯科医院はある。 しかし、敢えて車で出掛けるのは、上記の理由による。

 

   ――――――――――――――――

 

そんな訳で、予約時刻に合わせて車で行こうとしたら、妻が運転して行くと言う。 曰く

 

   「この年末の忙しい時期に、事故でも起こされたら大変・・」

 

と言う事らしい。 まぁ、自分で事故を起こさなくても「貰い事故」と言うのもあるので、素直に従った。

 

こうして、無事に妻の運転でいつもの歯科医院に予約時刻に着き、5分程してA歯科衛生士(女性)に呼ばれた。 A士は私の前方で、私を導く様に両手を出して腰を屈めて後退歩をしてくれている。 まぁ、私は彼女に頼らず、杖を突いて診察室に入り、歯科用の椅子に腰を落とす事が出来た。

 

A士は、殆んど聞こえない位の極々小さな声で、

 

   「(〇〇の歯は、)いつまで持つだろう・・」

 

と言うのである。

 

オイオイ、そんな大事な事をボソッと言わないで欲しい・・ では、思い当たる歯は? それは、右上の2番である。 つまり、門歯と犬歯の間の歯だ。

 

どう言う事かと言うと、犬歯が出ているためにその裏側にポケットが出来、食餌が溜まり易い。 そこで一番柔らかい2番の歯の裏側が虫歯になってしまうのである。 事実、左上の2番は、既に補修されている。

 

であれば、最初に訊く言葉は、

 

   「お変わりありませんか?」

 

ではなく、

 

   「何か、心配な事ってありますか?」

 

だろう。

 

ま、それ以外はいつも通り、無事に終了した。 そして、折角街に出たので、パソコンショップで、携帯電話のケースを購入して帰宅した。

 

行政手続き、3つ

 

今日は、妻に市役所に行(い)って貰い、3つの行政手続きを行(おこな)って貰った。

 

先ずは、「特別障害者手当」の申請である。

 

過日、「特別障害者手当」申請に向けた診断書を、総合病院の脳神経内科のT医師に書いて貰ったので、12月中旬の某日、早速にも妻に申請に行って貰った。 初めての手続きで不案内な妻は、

 

   「これ(=診断書)を出すだけでしょ?」

 

と軽く考えていた様だが、必要書類に「申請書」とあるので、現地(市役所)で書く書類がいくつかあると思えた。

 

さて、あれこれ職員の言う通り記入し、申請が一通り終了すると、例によって職員が伏線を張った。

 

   「これって、なかなか下りないんですよねぇ・・」

 

と。 更にダメ押しで、こんな事も言った。

 

   「もし、『特別障害者手当』が支給されると、指定難病医療受給の月額上限が効かなくなって来るんです」

 

と。 オイオイ、折角来年1月からPSPに限って月額5,000円になるハズなのに・・ 結局は、月額8,000円になるのであるが、途中、何万円になってしまうかも知れない。 例えば、DATスキャンの様な核医学の時に・・

 

これこそが、

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2018/01/05/090837

 

で書いた「驚愕の結果」である。

 

と言う事は、別の手段で支払い時の上限額を定めないと、一時的にせよ相当「持ち出し」になってしまう。 それ(=高額の持ち出し)を防止するのが次の行政手続きである。

 

そこで妻が、国民年金国民健康保険課に移った。 勿論、「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受けるためである。 これにより、1つの医療機関毎に月額最大8,000円に抑えられる。 すると、偶然だろうが、前回、「(同)証」について照会した時の職員の応対である。

 

妻が用件として

 

   「限度額適用・標準負担額減額認定証を探したけれど、どうしても見つからないので、再交付をお願いしたいんです」

 

と言うと、その職員は妻の事を憶えていて

 

   「前回、交付済みだと言いましたけど、未だ交付していませんでした」

 

と言った。 オイオイ、それじゃあ私の奸計が成立しなくなってしまうぜ!?!

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2017/12/23/083659

 

と言っても仕方ないので、「初回」の交付を受けた。 ま、これで、病院も薬局も同じ所なら月額上限が、8,000円になる。 そして、合計で月額8,000円を超えた分は「高額医療費」として還付される事になる。

 

そして、本日最後の行政手続きは、市の難病手当の延長申請である。 と言っても、これは、新しい「指定難病医療受給者証」を福祉課に提示するだけである。 課でコピーを取って、延長をしてくれる。 月額5,000円であるが、助かっている事は申すまでもない。

 

リハビリ405―「寧ろ、反る位・・」  

 

さて、今日は、12月中旬のリハビリの予約日だ。 そこで、妻の運転で総合病院に出掛けた。 実は直前まで義妹が来ていて、出発が10分程遅れてしまった。

 

   「(年末も近づいて)駐車場が混んでいるかも知れないので、少し早目に出たい」

 

と言っていたのに・・である。 それでも、こちらは「連れて行って貰う」身・・ ま、車から降りる時に、

 

   「〇時××分(予約時刻の10分前)になっても来なかったら、先に行っているよ」

 

と言うのが精一杯だった。 しかし、いつもより10分遅れなので、一人で行く羽目になった。 そこで私は、病院の入り口で借用した車椅子を目一杯畳んで、エレベータに乗った。

 

同乗の女性(服装から、職員らしい)が

 

   「(行く先は)何階ですか?」

 

と訊いてくれたので、

 

   「7階をお願いします」

 

と答えた。 やがてエレベータは7階に到着し、私は苦手な後退歩で出る事になった。 中では女性が「開く」ボタンを押しながら、私が無事に降りられるかどうかを見守ってくれている。 その様な視線を感じると、逆に緊張で足がすくんでしまう。

 

事実、「オットット」となり、尻餅を付きそうになったが、辛うじて耐えた。 以降は広い所ばかりなので、すくむ場所は無かった。

 

こうして、一人でM医師の予診を受け、車椅子を邪魔にならない所に置くと、丁度妻が到着し、ほぼ同時にI士がやって来て、

 

   「少し早いんですが、(リハビリを)始めましょうか?」

 

と言うので、私は急いで上着を脱いで、財布と携帯電話と共に妻に預けた。

 

   ――――――――――――――――――

 

こうして、本日のリハビリが始まった。 まぁ、マッサージやストレッチの内容は毎回、ほぼ同じであるが、最後がその時のテーマによって異なる。 今回は、次の様なものだった。

 

先ず彼は私に靴を履き、台に浅く腰掛ける様、指示した。 続いて彼は近くの丸椅子に腰掛け、私の正面に位置した。 そして私が彼の両肩に両手を乗せると、彼は後ろにのけぞった。

 

その結果、私の上半身も前に倒れて行った。 この時彼は、

 

   「ハイ、上半身を反らせてぇ・・」

 

と言うので、私は目一杯反らせて前に倒れて行った。 そして、最後に元に戻った。 こうして、以上のプロセスを繰り返して行くのであるが、彼は、何度も

 

   「上半身を反らせてぇ・・」

 

と声を掛けるのである。 後で考えると、自分としては反らせている積もりでも、I士から見たら、未だ不十分だったのだろう。 それは彼のこんな言葉から明らかである。

 

それは、歩行練習の直後に、言った言葉だ。 彼は私の横に立ち、前傾傾向のある私の胸を真っ直ぐさせながら、

 

   「もっと胸を真っ直ぐした方がイイなぁ・・ 寧ろ、反る位・・」

 

と。