診療015―201911(2)
さて、f医師による診察の際、提出したメモの後半である。
(2) 進行性核上性麻痺とGABAについて
- GABAは脳内で、神経伝達物質として、どの様な役割りを持っているのか?
-1 基本的に、抑制性である。
-2 GABA作動性のニューロンとして、大脳基底核の線条体からの投射ニューロンや小脳のプルキンエ細胞などがある。
(3) 進行性核上性麻痺とコリンエステラーゼについて
(一部 https://www.akira3132.info/central_nerve_system.html#アセチルコリン神経系 より抜粋)
- コリンエステラーゼは、脳内で、どの様な役割りを持っているのか?
-1 アセチルコリンを分解する。 結果、コリンエステラーゼを阻害すれば、アセチルコリン濃度が増える。
-2 アセチルコリン神経は、前脳基底部において、マイネルト基底核を起点として、大脳皮質へ投射。 (ノルアドレナリンとグルタメートにより増強される) 認知機能の基盤と成る注意力、集中、記憶や覚醒、思考に非常に重要な役割を担う。
-3 橋(脳幹)において、背側基底核を起点として、腹側路は視床下部の内側前脳束を経由して、マイネルト基底核、脳幹網様体に投射する。 この回路は、歩行運動、姿勢反射、筋緊張に関与している。
-4 もし適切なコリンエステラーゼ阻害薬があれば、試したい。 (アリセプト以外。 例:エミニール。)
これを見て、f医師は次の様なコメントをした。
「GABAを阻害すると、身体がフニャフニャになっちゃうんですよ・・」
「コリンエステラーゼを阻害すると、確かに(脳内)アセチルコリンは増えるが、痴呆が進んじゃうんですよ・・」
と。 つまり、GABA阻害薬も、コリンエステラーゼ阻害薬も、上手く行かない・・と言う事らしい。 残念!?!
(4) 血圧の測定結果について (アムロジン5mgの処方結果の検証)
- 前回診察日(10月〇日)~昨日(11月〇〇日)の起床時及び就寝時の血圧は、次表の通りであった。
起 床 時 |
就 寝 時 |
|||||
有効日数 |
22 |
22 |
22 |
26 |
26 |
26 |
項目 |
||||||
単位 |
MmHg |
mmHg |
pulse/min |
mmHg |
mmHg |
pulse/min |
平均値 |
136 |
86 |
70 |
121 |
79 |
76 |
10.1 |
6.5 |
5.1 |
7.5 |
5.4 |
5.5
|
アムロジン2.5mg→5mgにより、いずれの平均値も、2~4mmHg、低下した。 以上
これを見て、f医師からはコメントはなかったが、彼は、このメモを私に返却しなかった。 きっと、何か思う所があるのだろう。
こうして、2019年の診察は無事に終了した。 次は、2020年の1月上旬だ。