公園にてランチ―6
2017年6月上旬の今日は、私の友人である烏賊博士の職場である○○学園にて待ち合わせた。 メールで連絡を取り合い、4階のラウンジで合流した。 先ずは、ランチである。 彼の手製のサンドイッチを、すぐ横の自販機で買った微糖缶コーヒーで頂いた。
え? それでは、「公園でランチ」は嘘となる!?! まぁ、それは後半を読んでから・・
食べ終わる頃、彼はリュックからあるデバイスを取り出した。 それは牛乳瓶より少し低く、もっと太い円柱形で、頭頂部が半球型の黒いプラスチックであった。 それが何であるかは、彼からのメールで予め知っていた。
「360度撮影の新兵器を入手したので、披露したいのです」
と。 そう言えば、頭頂部の半球に2個のレンズが見える。 彼はそのデバイスの電源を入れた。 その様子を見ていた隣席の女学生が、4人とも寄って来た。
「わー、カワイイ! 何ですか、これ?」
とその内の一人が言った。 随分親しげなので、きっと烏賊博士の学生なのだろう。 彼は丁度その頃、自分のiPhoneであるアプリを起動していた。 すると・・ 画面に画像が現れた。 その画像には明るい白線が数本あり、直ぐにそれが天井の蛍光灯である事が分かった。 それを手掛かりに画面を見ると・・ オオ。彼も女学生も写っている!!! 直感で認識出来なかったのは、そのデバイスのレンズが魚眼になっていて、歪んでいたからだ。
余程気に入ったのだろう、先程の彼女が、デバイスの価格を尋ねた。 彼はチョット考えてから、
「う~ん・・ 50ドルだね!」
と答えた。 そんな話をしていたら、午後の講義の時刻となったのだろう、ラウンジには我々だけとなった。 すると、校内放送があり、今から防災訓練を行う・・と言う。 まぁ、私は部外者なので、
「(これは、マズい・・)」
と思ったら、彼も荷物をまとめ、立ち上がってエレベータに向かって歩き始めた。 エレベータを待っている間に、彼が防災訓練に参加したくない理由を教えてくれた。 それは、
「左膝が痛くて、階段が使えないんだ・・」
と言う事であった。 ま、人間、誰しも歳をとると、故障が出て来るものだ。 そんな訳で、エレベータが動く内に1階まで降りて私の車に乗った。
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行く先は、いつもの公園である。 車で10分少々の行程だ。 すると、同行した烏賊博士が提案した。
「○○美術館に行ってみない?」
実は公園の近くに美術館があるのは私も知っていたが、行った事は無い。 そこで、公園の脇を通ってからナビに入れた。 すると、5分程で美術館の駐車場に到着できた。