パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診察201710―2

 

F医師は、私が提示したメモの一行・一行に筆記用具の先を当てながら、精読して行った。 とくに、英文の論文タイト部分は、単語一つ・一つにペン先を当て、確認しながら読んでい(る様に見え)た。 私だったら見栄を張り、英文の行に沿ってペン先を素早くなぞるだろうな・・と思った。

 

さて、論文タイトルを読んで、F医師はこんなコメントをした。

 

   「う~ん、確かに30年位前までは、抗うつ薬が使われていた事がありました。 それは、抗うつ薬が、??を活性化する事を期待して・・」(注:??は不明の意味)

 

確かに、論文の出始めは、今からほぼ30年前・・ 以降、使われなくなったのは、これより有効な薬剤が開発される中で、淘汰されて行ったのだろうか? もしそうなら、具体的に進行性核上性麻痺に有効な薬剤とは、一体、何なのか???

 

では、私からの提案(希望処方)を「古い」と決めつけたF医師はどうしたのか?

 

F医師は、別の提案を出して来た。 それは、トレリーフであった。 彼は、

 

   「今までトレリーフは使った事は無ですよね?」

 

と言いながら、彼はモニターで過去の処方を確認した。 そして赤い厚い冊子(処方薬辞典?)のパーキンソン病関連のページを開き、一つの図を示した。 それはドーパミン作動性のシナプス(神経接合部)の拡大図であり、色々な抗パーキンソン病薬の作用部位を模式的に示したものであった。 

 

で、F医師はプレシナプテックナーヴの下にある「トレリーフ」の文字を丸で囲んだ。 そこから、神経細胞のL-DOPAに矢印が伸び、「L-DOPA合成促進」(作用)により、効果を発揮する旨の事が添えてあった。

 

私はその図(トレリーフ作用点)を見て、疑問を持った。 と言うのは、その上にはL-DOPAが書いてあり、過去L-DOPA製剤(マドパー配合錠)を、5錠/日まで増量服用しても無効であり、処方を中止してしまった経緯があったからである。 即ち、進行性核上性麻痺の内、少なくとも純粋無動症にはL-DOPAを増す事に、余り意味は無い・・と考えられるからである。

 

まぁ、臨床上は「試して見なければ分からない」事は、山程あるのだろう。 試用する価値はありそうだ。 それに、ノウリアストの例もあるし・・

 

    ―――――――――――――――――――――――

 

すると、F医師は、

 

   「じゃあ、最初は25mgを1錠にしましょう。 朝? 夜?」

 

と訊いて来た。 勿論、服用時刻の希望を訊いているのである。 朝は既に5種類服薬しているので、私は、

 

   「夜で(お願いします)」

 

と答えた。 更に、彼は、

 

   「セディールは、どうします?」

 

と訊くので、私は不要の旨を答えた。 結局、今回の処方は下記の通りとなった。

 

 

処方(1日当たり)

    薬  剤

   本日まで

 

   本日から

 

プラミペキソール0.125mg

     1  錠   

     1  錠   

ドプス 100mg

     6  錠   

     6  錠   

ノウリアスト 20mg

     2  錠   

     2  錠  

シンメトレル 50mg

     4  錠   

     4  錠  

アムロジピン5mg

     1  錠   

     1  錠  

 

 

   

レリーフ 25mg

     0  錠  

     1  錠   

セディール 10mg    

     1  錠  

     0  錠