パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ74―二両連結


その後、Y士は、長さ70cm程で直径5cm程の紙筒を2本、部屋の隅から探して来た。 以前、ストレッチに使った事がある。 今回は、これを使ってどんなストレッチをするのだろう?

 

・・と思ったら、違った。 Y士は両手で夫々の紙筒の端を握り、私に後ろ向きで残った端を持つ様に指示した。 つまり「汽車ごっこ」で、私が先頭の運転手、Y士が最後尾で車掌だ。 乗客はいない。

 

つまり、私の腕とY士の腕とが、紙筒により力学的に結び付く事になる。 これで何をするかと言うと、腕を振る訓練だ。

 

私の歩速に合わせて、直ぐ後ろをY士が同期して歩く。 そしてY士の腕の振りが2本の紙筒により私の腕に伝わり、同期して振れる。 これこそが、Y士が考えた訓練であった。 こうして、私の腕の振り方が修正された。

 

・・と思ったら、まだ次があった。

 

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この状態で、Y士はこう言った。

 

   「それじゃぁ、私は手を離しますねぇ。」

 

と言い、紙筒を手放した。 私は極力、同じ振りが出来る様に歩き続けた。 最初は持ってもらい、調子が付いて来たら手を離す。 丁度、自転車乗りの練習の様だ。

 

そして、最後に宿題が出た。 それは胴の回転と腕の振りである。 この時、歩く(=脚を動かす)必要はない。 立位で上半身を回転させ、腕を振る練習である。 これが自然にできる様になれば、練習の成果が出た事になる。 そして実際にやって見ると、まだぎこちない。

 

ここで、子供用いろはカルタの「れ」を思い出した。 それは「練習を何度もすれば、上手くなる」である。 絵札には、鉄棒で逆上がりの練習をしている女児が描いてあった。

 

こうして、2012年のリハビリが終わった。