リハビリ74―二両連結
・・と思ったら、違った。 Y士は両手で夫々の紙筒の端を握り、私に後ろ向きで残った端を持つ様に指示した。 つまり「汽車ごっこ」で、私が先頭の運転手、Y士が最後尾で車掌だ。 乗客はいない。
つまり、私の腕とY士の腕とが、紙筒により力学的に結び付く事になる。 これで何をするかと言うと、腕を振る訓練だ。
私の歩速に合わせて、直ぐ後ろをY士が同期して歩く。 そしてY士の腕の振りが2本の紙筒により私の腕に伝わり、同期して振れる。 これこそが、Y士が考えた訓練であった。 こうして、私の腕の振り方が修正された。
・・と思ったら、まだ次があった。
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この状態で、Y士はこう言った。
「それじゃぁ、私は手を離しますねぇ。」
と言い、紙筒を手放した。 私は極力、同じ振りが出来る様に歩き続けた。 最初は持ってもらい、調子が付いて来たら手を離す。 丁度、自転車乗りの練習の様だ。
そして、最後に宿題が出た。 それは胴の回転と腕の振りである。 この時、歩く(=脚を動かす)必要はない。 立位で上半身を回転させ、腕を振る練習である。 これが自然にできる様になれば、練習の成果が出た事になる。 そして実際にやって見ると、まだぎこちない。
ここで、子供用いろはカルタの「れ」を思い出した。 それは「練習を何度もすれば、上手くなる」である。 絵札には、鉄棒で逆上がりの練習をしている女児が描いてあった。
こうして、2012年のリハビリが終わった。