診察201403―3
処方についてはS医師は保守的であり、またセカンドオピニオンに忠実であった。
「セカンドオピニオンでは、マドパーを600mgまで増量する事が推奨されていますが、どうします?」
と、訊かれたが、私は咄嗟に返事ができなかった。 すると、S医師は畳み掛ける様に、ツッコミを入れてきた。
「どうですか、(服用いている)薬は効いていますか?」
「ドプス(カプセル)が、一番効いているようです。」
「でも、もう(最大量の)600mg(/日)だし・・ マドパーを(現在の450mgから)増やしましょう。」
と言い、500mg/日を提案した。 そしてチョット考えて、朝2錠、昼・夜1錠半とした。
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読者の中には、
(おや? 前回の約束―――抗うつ薬のPSPへの処方例の調査―――を忘れている!)
と思い出された方もあるだろう。
http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2014/02/21/065539
ここからは私の想像だが、大学の医局でも処方経験のある医師が少なかったのではないかと。 それは、PSP患者の症例数がそもそも少ない事と、その中でPAGFが「PSPの非典型例」と言われる程少ないからであろう。
或いは、障害年金申請の診断書にあった通り「リハビリを主体にし、薬物療法を補助的に」治療しているので、新処方には期待できない・・と言う事なのだろうか。
それも考え併せると、ここでS医師にツッコミを入れても仕方ない。
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ただ、処方量が増えると、副作用のリスクも増える。 処方薬はいずれも交感神経系のアゴニストなので、S医師は私に高血圧症状の有無を訊いて来た。 リハビリの度に計測していると思ったらしい。
私が答えられないでいると、袖机の引出しから血圧計を出して来た。 私がジャケットを脱いで左腕を出すと測定を始め、
の値がデバイスの液晶に表示された。
「境界域(高血圧)を超えてますよねぇ・・」
と私が言うと、
「でも、今、リハビリをやって来たばかりでしょ?」
と、S医師が言った。 運動後なので、これぐらいは別に意に介さない様だ。
そして、次回をGW前の6週間後として、今回の診察を終了した。