パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

グルタチオン点滴療法―22~23

 

6月後半のグルタチオン点滴は、2回のみだった。 実は6月前半、「水素ガス」吸入に効果が見られず、

 

   「(次回も勧めれたら、どう言って断ろう・・)」

 

と思っていたが、誰も勧めなかったので、良かった。 

 

   ―――――――――――――

 

さて、点滴が無事終了したので、O医師が物療室に入って来た。 そして、こう言った。

 

   「きき湯って、やってますか?」

 

と。 妻と私が否定すると、彼が説明を始めた。 その要点は、

 

  • 『きき湯』と言うのは、入浴剤の商品名である。
  • 同じ『きき湯』でも種類があるが、緑色のを買うべし。
  • 緑色の『きき湯』には、マグネシウムが配合されている。
  • マグネシウムは、経皮吸収される。

 

と言う事らしい。 更に彼は、緑色のやつですよ・・と、念を押した。

 

そこで、一旦帰宅後、買い物のついでに妻にドラッグストアに寄って来て貰った。 そして、夜、風呂に16gを入れた。 すると浴槽内の湯は淡い緑色になったが、決して濁ってはいない。

 

では、マグネシウムはどんな効果があり、マグネシウム湯にはどの様な効用があるのか? 前者については、サプリメントのパンフレットから見て行こう。

 

マ グネシウムの体内での役割は、① カルシウム拮抗剤として働き、② 補酵素として300種以上の代謝酵素の活性に関与している、と言う。 そのため、体内に合計2g程存在するマグネシウムが不足すると、例えば①の効果により、高血圧、不整脈等に、更に②の効果により、糖尿病、動脈硬化等に罹って/が重くなって、しまう、と言う。 (分子栄養学研究所 2009.1、「マグネシウム 」のパンフレットより)

 

では後者について、実際、PSP-PAGFには、どうだったのだろう。 実は、血圧が安定してきているのである。 従来、例えば就寝前に測定した時、境界域(140:90)より高いと、深呼吸をしたり、測定位置を変えたりしてから、再測定をしていた。 それが、きき湯に入いる様になってから、1回で境界域より低くなる事が殆んどで、測り直しがほぼ無くなったのである。

 

ハローワークにて―「ご苦労様でした」

6月中旬の今日は、4週間ぶりの「失業認定日」だ。 そこで、妻の運転でハローワークに出掛けた。 ハローワークの直ぐ横には、15台分位しか駐車場がなく、一般の求職者は少し離れた空き地に誘導されるのだ。 勿論、我々の場合は私の身障者手帳を提示すると、門番が直ぐ横の駐車場を案内する。

 

こうして建物に入るのであるが、流石に3回目になると、要領も分かって来た。 そこで、少し早目に着いてトイレを済ませ、エレベーターで2階の⑥番窓口前の待合椅子の最前列を確保した。 

 

職員が時間帯の札を差し替えるのを見て、妻が早速反応して並んだら3番目だった。 まぁ、そんな訳で、早目に認定を終えた。 続いて、「求職活動」の実績を作らなければならない。 そこで・・

 

   ―――――――――――――

 

我々は1階にエレベーターで降り、③番窓口(「特殊相談」?)に行き、ハローワークカードを所定の箱に入れ、若草色の紙の入ったA4のカードケースを受け取った。 順番を待っている間、ラックから「障害者求人情報(パート)」のファイル(全3冊の内、1冊)をめくった。

 

すると、めくり終わる頃に、年配の女性に呼ばれた。 そこで我々は、彼女とデスクを挟んで対面に座り、早速「雇用保険受給資格者証」を提出した。 すると彼女は、何の躊躇いも無く、「(同)証」の裏に今日の日付と「ハローワーク〇〇 相談・紹介」とを押印し、赤ペンで、「相談」を〇で囲んだ。 そしてその「(同)証」を、私に返した。 

 

これで一応、書類上は「本日、ハローワーク〇〇にて求職活動を行った」と言う事になるのだが、余りにもアッサリしていると、

 

   「本当にこれ(だけ)でいいのか?」

 

と、却って不安になる。 否、きっと彼女は、私が「障害者求人情報(パート)」のファイルを一生懸命開いて、就職先を探していたのを見ていたのだろう。 だからこそ、「求職活動を行った」と認めたのだ(ろう)。

 

我々が戸惑いながら席を立つと、彼女は我々に、

 

   「今日は、認定日だったんですか?」

 

と訊いた。 我々は、どちらかともなく、

 

   「ハイ、そうです」

 

と答えると、更に彼女は

 

   「(それは)ご苦労様でした」

 

と、我々を労(ねぎら)った。 こう言う場合は、何と答えたら良いのだろう??? 咄嗟に出た言葉は、

 

   「有難うございました」

 

だった。 こう言い残す様にして離席し、我々は帰路に就いた。 

 

リハビリ427、428―グルタチオン点滴の効果

 

6月最初のリハビリを2回分纏めて書くには、それなりの理由がある。 それは、グルタチオン点滴の効果を実証する良い機会となったからだ。

 

先の診察時の報告にある通り、グルタチオン点滴の効果が徐々に薄れて行っている・・と言う自覚があった。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2018/07/24/075611 の (2) 前回受診 ・・ 

 

そこで今回、2つのケースを比較しようというのだ。 その2つのケースとは?

 

   ケース1:午前中にリハビリ、午後からグルタチオン点滴

   ケース2:午前中にグルタチオン点滴、午後からリハビリ

 

である。 勿論、リハビリの曜日も担当者も単位(時間)も同じ、当然点滴液の成分も量も同じである。 では、その結果は?

 

   ケース1:体調不良で、結局リハビリテーション室内まで車椅子で入った。

   ケース2:体調は普通で、リハビリテーション室内まで杖を使い、入った。

 

どうだろう、グルタチオン点滴の効果は、明白だろうか?

 

   ――――――――――――――

 

所で、作業療法士の担当者・M士については、まだ、紹介していなかった。 そこで、この機会に、紹介しよう。 

 

身長は175cm程で、全身はスマート ・・ つまり、S士と良く似た体型だ。 そしてその雰囲気は? 

 

端的に言えば、「Men’s Non-no」の表紙を飾っても不思議ではない程、格好イイのだ。

 

   

www.mensnonno.jp

  

顔は、若い時の髙橋一生が、短髪にして刈り上げた ・・ と言うか、滝沢秀明二宮和也が同様のヘアースタルにしたら、ソックリである。 

 

   「え? 格好良すぎだろう!!!」

 

ですって??? いや、マジ、決まっているのだ。 実は、その理由は ・・ 最初は分からなかった。 しかし、2回目に分かった。 ・・それは、(色白のベースに)眉に剃りを入れている事だった。

 

かれの眉は、目頭からすーっと一直線に伸び、最上部から短い直線を描き、そして曲率を持ち、幅ゼロへと収束する。

 

   http://capri-h.com/wp/wp-content/uploads/2015/03/b0e581946817164676689719a6f434ed.jpg

 

形だけでなく、長さも揃っている。 決して、村山前総理みたいな事は、無い。

 

   https://media2.picsearch.com/is?-MCDuIN0Nej992U3N4i70xv7YvZ9BrBhaEZZTuU-Wmo&height=223

 

所が、名札の写真は長髪である。 きっと、就職時の写真なのだろう。 まるで、志尊淳の様だ。 

 

   http://www.watanabepro.co.jp/mypage/10000047/

 

そう言えば、前任のI士も同じで、名札の写真は別人の様な長髪だった。

 

グルタチオン点滴療法―20~21

 

2018年6月最初の行事は、グルタチオンの点滴であった。 今回は、水素を吸う予定である。 

 

いつも通り、妻の運転でO外科整形外科に行き、受付を済ませて待っていると、初めて見る職員がやってきて、

 

   「今日は、水素をやりますか?」

 

と訊いて来た。 元々、その予定だったので

 

   「ハイ、お願いします」

 

と答えると、職員は、事務室に消えた。 

 

   ――――――――――――――

 

その後、いつもの様に点滴の準備が出来たと言うので、物療室に入ると、大きな機械の電源が入っていて、その装置から、透明なチューブが延びていた。 私は看護師に促されていつもの点滴用の椅子に座った。

 

すると、看護師は私の後ろに廻り、頭の上から透明なチューブの小さなループを被せた。 その途中に、T字型の接続部が1cm間隔で並んでいて、そのT端が開放されている。 つまり、ここから水素ガスが出るので、鼻に当てるのだろう。 そう言えば、「生涯現役」を謳っていた某落語家が、高座で(酸素吸入のために)付けていたが、アレと同じ物である。 そして、メガネのツルを描けるように耳に架けた。 

 

こうして、点滴とほぼ同時に、水素吸入が始まった。 すると、妻が流量調整していた看護師に訊いた。

 

   「あのぉ・・ 水素って、何に効くんですか?」

 

と。 これに対して、当の看護師は、

 

   「あのね、副交感神経を刺激するの・・ だから、(吸入後に)体の芯が熱くなったりするの・・」

 

と説明した。 ならば・・と思い、私は途中何度も深呼吸をした。

 

こうして先に点滴が終了し、30分タイマースイッチで水素ガスの供給が止まり、電子音のメロディーが鳴った。 その音を聞きつけて、先程の看護師がやって来た。 そして、透明チューブを片付けながら、私に訊いた。

 

   「どうですか、体の芯は熱くなりましたか?」

 

と。 私は、正直に答えた。

 

   「いえ、ただ、チョット眠くなりました」

 

と。 どうやら、私(の病気)には、効かない様だった。 

 

リハビリ426―深爪し過ぎた!?!

 

さて、今日は5月最後のリハビリがある日だ。 そこで、妻の運転で総合病院に出掛けた。 いつもの手順で、医師の予診を受けて待合椅子に座っていると、作業療法担当のM士が声を掛けて来た。 こうして今日のリハビリが、始まった。

 

さて、今日のハイライトは? それは、「上肢機能簡易検査機」を用いた、手・腕の機能検査である。

 

M士は、私に広いテーブルの前の椅子に座らせて、

 

   「チョット、待ってて下さい」

 

と言って、部屋の隅にあるラックから、大きなカバンの様な物を取り出し、テーブルの上に置いた。 続いて彼は、その1辺が50vm程のカバンを開け、2つに開いた。 丁度、2枚貝の様に開いたカバンの中には、色々な「小道具」が入っていた。 そしてそれぞれの中央には、20cm角程の穴が開いていた。

 

彼は4つのプラスチックの箱(タバコの4倍位)を、左側の穴に入れ、自分の腕時計をストップウォッチモードにして、こう言った。

 

   「では、右手で4つの箱を右側の穴に並べて下さい。 いいですか? ヨーイ、ハイッ」

 

そこで、私は「急いで・落ち着いて」箱を運んで行った。 運び終わった時点で、M士は自分の腕時計を操作し、「6.18」(秒)とシートの欄に記入した。 続いて左手で同様に元の位置に戻し、「6.78」と記入した。 同じ様にやっても、1割程利き手の方が早い。

 

全く同様の事を、箱の代わりに野球のボールを用いた。 同じ様でも、微妙に違いがある。 それは、ボールを穴に入れて、置く所だ。 どういう事かと、ただ穴に置いただけではダメなのだ。 静置しないと、ボールが穴の中で動いてしまい、2、3、4番目になる程、置き難なってしまう・・ そのため、余分な時間が掛かってしまうのだ。

 

   ―――――――――――――――

 

更に、箱・玉共に順次サイズダウンして同様の事を行った。 勿論、移動元・移動先共に、穴ではなく木枠になり、場所も左右から前後に変わった。 そして、一番最後は、直径2mm程の玉と、マッチ棒位の長さで直径1mm程のステンレス棒だ。 この棒は6本あり、移動先では、6個の穴に挿すのだそうだ。

 

左手でその棒をピックアップしようとしたら、不注意で落としてしまった。 落ちた棒は、木枠の隅に転がって行った。 私は棒を拾い上げ、もう一度同じ穴に挿そうとした。

 

所が、その棒が取れないのである。 普通は、人差し指や小指等の爪で、中央に出して、親指と人差し指とで挟んで(摘まんで)運ぶのである。 勿論、試した。 しかし、引っかからないのである・・ その理由は、タイトルから明らかであろう。 そう、深爪である。 なぜ、深爪にするか・・ですって??? 一つは深爪が好きだった母親の影響、もう一つは食品製造会社の勤務が長かったからである。

 

で、深爪の上に(爪切りに付いている)ヤスリで角を丸めたので、余計に棒に引っかからない・・ 

 

   「(どうしよう・・ どうしたらいいのだろうか?)」

 

と考えている間にも、時間は刻々と進む。 しかし、焦りは禁物である。 兎に角、考えながらでも、指を動かさなければ!!!

 

そうしている間に、ある事を思い付いた。 それは、人差し指で、金属棒の天面をそっと撫でてゆくのである。 これが他の指だったり、人差し指でも力が入ったりしたら、折角出て来た棒を再度押し込んでしまうかも知れない。

 

仮に隅から棒が出て来ても、今度はその細い棒を親指の先との間で摘ままなければならない。 実は、この状態も極めて不安定で、穴に挿す時に(片手のまま)持ち直さなければならない。 この時、左手だと、つい落としてしまう・・

 

こうして、左手で3回ほど落としたが、終了した。 結局、右手で62秒・左手で111秒掛かってしまった。

 

   ――――――――――――――

 

こうして作業療法を終え、続く理学療法もS士によって、無事に終わり、我々は帰路に就いた。

 

 

グルタチオン点滴療法―18~19  

 

2018年5月後半のグルタチオン点滴は、2回だけだった。 ある時、点滴のために物療室に入ると、白衣の女性が2人立っていた。 始めは、新しい看護師の研修かと思ったが、どうも雰囲気が違う・・ すると、O医師がやって来て、

 

   「一緒に見せて頂いて、よいですか?」

 

と訊くので、勿論OKしたら、O医師は診察のために、戻って行った。 すると、妻が女性に訊いた。

 

   「もう、どれ位、お仕事をされているんですか?」

 

すると、おかっぱ頭でメガネをかけた、浅黒い方の女性が答えた。

 

   「・・ 30年 ・・ です。」

 

それを聞いて、私は医師だと思った。 30年・・と言う事は、五十路も半ば!?! 

 

   ―――――――――――――――

 

点滴の準備をしている間、その女性が私のそばにやって来て、

 

   「チョット、触っても良いですか?」

 

と訊くので、私が肯定の返事をすると、両手で私の右の手と肘を持って廻し始めた。 そう、歯車様固縮を診察する時の、アレである。 続いて左腕について、同じ事をした。

 

彼女は一旦引いて、こう言った。

 

   「キラキラ星をやって頂けますか?」

 

そこで、私は両手をバンザイの位置まで上げ、指を開いて回転させた。 ご存知かとは思うが、この2つの動作は、パーキンソン病の診断に用いるものである。

 

   ―――――――――――――――

 

こうして、点滴が終わる頃には、2人とも部屋からいなくなっていた。 そして、最後に入って来たO医師に、妻が質問した。

 

   「センセ、あの方達は?」

これに対して、O医師はこう答えた。

 

   「あぁ、さっきの人達ね! 皮膚科医と麻酔科医ですよ、 

                  ・・ 自然療法に興味ある ・・ 」

 

   ――――――――――――――――

 

また、別の機会に点滴終了後、O医師はこんな事も言った。

 

   「水素がパーキンソン(病)に良いらしいんですが、試してみますか?」

 

と。 確かJ大学で「水素水」のパーキンソン病に対する効果を検証していた論文が出ていた事を思い出した。 まあ、保険適用外なので、値段も分からないものに、うっかり「Yes」とも言えず、戸惑っていると、それを察したのか、

 

   「30分で、1000円ですけどね!」

 

と、チョッピリ自虐的な笑みを浮かべて言った。 値段も分かったので、私が

 

   「えぇ、お願いします」

 

と言うと、

 

   「今日(今から)やって行きますか?」

 

と訊かれたが、この後、食後にリハビリがあるので、

 

   「次回に、お願いします」

 

と言って、今日は、断った。

 

診察201805―3

 

更に、報告は続いた。

 

(3) 血圧の測定結果について  

 

  • ③ 4月〇〇日(前回受診日)~5月〇〇日(昨日)の起床時及び就寝時の血圧は、次表の通りであった。

 

測定時期

起 床 時

 就 寝 時

項目

最高血圧

最低血圧

脈拍数

最高血圧

最低血圧

脈拍数

単位

mmHg

mmHg

 pulse/min

mmHg

mmHg

pulse/min

有効件数

33

33

33

34

34

34

平均値

131

82

68

121

76

69

標準偏差

7.1

6.2

5.7

7.9

6.4

4.8

最高値

140

91

83

140

86

81

最低値

111

64

59

104

63

57

 

 (4) 診療上の希望について  

 

  • ➃ 処方については、基本的に現在のままでお願い申し上げます。
  • ⑤ 三剤療法について

・ 進行性核上性麻痺に対する薬物療法として「三剤療法」と言うのがありますが、先生のご評価は?

 三剤=レボドパ・リバスタッチ・ドプス(ドパミンアセチルコリンノルアドレナリン濃度を上昇)

http://vanilla2984.blog26.fc2.com/blog-entry-719.html?sp

http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/201102240169211664

 

 (5) その他  

 

  • ⑥ 前回、(就労可能の旨の)「就労可否証明書」を有難うございました。 
    • 4月〇〇日に拝受し、早速にも同日、ハローワーク大宮にて失業給付の手続きを行った。 その結果・・
    • 5月〇日の説明会に出席した。 内容は、「失業・失業認定・失業給付等について」のDVDの視聴。
    • 5月〇〇日に初回の認定日となった。 上記視聴を求職活動と認定→〇〇日振込。 また、求職相談も実施。
    • 以降4週間毎に、上記「認定→求職→振込」を、360日まで繰り返す。(次回は6月〇〇日)
  • リハビリテーション理学療法につきまして、1年間の延長のオーダー票を頂戴しました。 更には、作業療法についてもオーダー票を頂戴しました。 いずれも本当に有難うございました! 前者につきましては5月〇日より、後者につきましては(予約の都合上)5月〇日より実施して本日を含めて3回目となります。
  • ⑧ 〇〇市国保年金課より、後期高齢者用「健康診査受診券」が届く。 当日の服薬はどの様にすべきでしょう?

(案内に「内服中の方は、事前にかかりつけ医へ相談してください」とあります。)

 

   ―――――――――――――――

 

この内、⑤について、T医師は

 

   「レボドパは、きっと効かないわねぇ・・」

 

と評価した。

 

T医師が読み終える頃を見計らって、妻が質問した。

 

   「センセ、主人の病気は何なんでしょうねぇ?」

 

   「そうねぇ・・ 見えたり、聞こえたりはしないのよねぇ?(幻視・幻聴の有無)、 それに、自律神経に問題は無さそうだしぃ・・」

 

とT医師は視線を部屋の隅にやった後、上記を確認してから、妻に質問した。

 

   「ご主人は夜中に声を出したりしますか?」

 

これに対して、妻が否定して答えると、T医師は、

 

   「ヤッパリ、進行性核上性麻痺でしょうねぇ・・」

 

と言う診断を出した。 処方について妻が質問すると、T医師は、

 

   「そうねぇ・・ 前回と同じねぇ・・」

 

と言い、診察を終えた。 

 

我々はT医師に礼を述べて、診察室を出た。 もう、誰もいない待合室やそれに続く廊下は、ガラスを通した外部光のみで、不気味ですらあった。 まだ、これから処方を受けなければならない。 病院の会計まで含めると、後、1時間位は掛かりそうだ。

 

それにしても、F医師は、どうしたのだろう・・ 医師が、休診にするなんて、余程の事なのだろう。