認知症―6
いよいよ、この話題も最後になった。 その理由は、後述する。
さて、要介護2の認定を受け、市内の介護施設「K」に通い始めた義母であるが、その様子を紹介しよう。
先ずは、「今日は、楽しかったー!」と言う日が殆んどである。 連絡帳にはその日のイベントや、そのイベントに臨む義母の様子が分かる様になっている。 イベントとは、例えば習字であったり、フラワーアレンジメントであったり、慰問の歌であったり・・と、色々だ。
それに、施設に送迎バスが施設に着くと、朝の10時から入浴すると言う。 勿論、出来ない人には「上から下まで」洗ってくれるらしいが、自称(通所者の中で)一番元気な自分は、背中を流して貰うだけらしい。
しかも、朝から入浴する事を、
「勿体ない様だ」
と言っていた。 その後、午前中何かやり、昼食・休憩・午後のイベントとなるらしい。
そして、その日のイベントが終了し、義母が送迎バスで施設から帰ると、妻が
「今日は何をやったの?」、「誰がいたの?」、「お昼ご飯は何を食べたの?」
と毎回訊くので、義母も、
「(帰ったら、また○○に訊かれるから、憶えて行かなきゃ・・)」
と、思っているらしい。 事実、質問に対する反応が改善してきた。
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ただ、落ち込む日もあった様だ。 例えば曜日によっては、知人がいない時があるらしい。 また食事の時に、見知らぬ男性が義母の前に座った事もあるらしい。 そんな時は、義母は相手に積極的に話しかけるのであるが、相手から反応がなかったり、職員にスプーンで食事を運んで貰い、
「はい、アーン。 そう、モグモグ・・ はい、ゴックーン」
とこぼしながらも食べさせてもらったりしている姿を見ると、
(自分も、同じ評価なのだろうか・・)
と、落ち込むそうである。
その事を、受診時にかかりつけ医に話すと、医師は、
「そうならないためにも、介護施設にはドンドン行った方がイイですよ!」
と言うそうだ。 そして何より、認知症が「治った」事に驚いていた。
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で、後日ケアマネジャーが義母の自宅を訪ね、同席した妻に、
「ホント、凄い回復ぶりですねぇ・・ 私は、こんな例は初めてです」
と言ったとか? ニコニコと話す義母の表情を見るだけでも、分かるらしい。 それに、個々のエピソードは略すが、今回発症した3か月前より改善したと思われる点が多々ある。
これまで、全6回に亘って義母の認知症について綴ってきたが、多少のモノ忘れはあるものの、それを「歳相応」と割り切れば、事実上の治癒と言える。 まぁ、アルツハイマー型認知症の治癒例は、かかりつけ医もケアマネジャーにとっても初めてらしいが、もし仮に治癒したとしても、治癒には至っていないにしても、今の状態がなるべく長く続く様に願うばかりである。
尚、抑肝散とメマリーは、引き続き服用している。