リハビリ100―2週間振りのリハビリ
2013年4月中旬の某日、2週間振りのリハビリの予約日となった。 いつものM医師による予診を終え、リハビリ室の椅子で待っていると、入院患者と共に前任のY士が現れた。 彼に気づいた妻が会釈をすると、彼も会釈を返した。
まだリハビリ開始まで時間があったので、私は彼の施術を見ていた。 患者は若い男性で、左足の膝から下が包帯でグルグル巻きになっていた。 どうやら外傷が回復に向かったので、リハビリを始めたらしい。
そうしている間にO士が現れたので、前回風邪を引いてキャンセルした事を詫びた。
「いやぁ、いいんですよ! 体調が優れない時に(リハビリを)やっても・・」
と明るく言ってくれたので、気が晴れた。 それに私が杖を使っている姿を見るのは初めてなのに、何も言わなかった。 ADLの低下を言われたくない患者もいるからなのだろう。
リハビリを続けている自分の患者のADLが低下した様子を見るのは理学療法士としてはショックなのだろうが、患者はもっとショックを受けている。
事実、私も
(もう、一生、杖は手放せないのかなぁ・・)
と、落胆していた。
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早速空いている台を探し、O士は台と枕を備え付けのウェットティッシュで清拭した。 私は杖を題の下に入れ、台に仰向けになり、施術を受けた。 その間、O士は私に質問をした。
「完治したのは、いつ頃ですか?」
「3日ほど、前です。」
「食欲は?」
「えぇ、普通にありました。」
「それは、良かったですねぇ。」
これは気遣いや、ましてや興味で訊いているのではなく、患者の体調(自覚症状)を尋ねているのである。 事実、今回は大きな負荷の訓練は、無かった。