パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

質問 − MIBG検査の意義

 私が渡したメモの下の方に目をやったT医師は、固まってしまった。

 

そこには、T医師への質問、それも以前は明確な解説を頂戴できなかった項目に対する疑問を書いておいたのである。 その質問とは、

 

MIBGを用いた心筋シンチグラムの、パーキンソン病に対する診断マーカーとしての意義と先生の評価は?』

 

である。

 

つまりMIBG検査の結果を受けて、T医師はパーキンソン病をほぼ否定し、多系統萎縮症の可能性を考えた。 (勿論、それだけではないが。) 所がその後の臨床症状や抗パーキンソン病薬に対する反応性から、再びパーキンソン病を考えているフシがある。

 

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もしかしたら、それはT医師にとって一番聞かれたくなかった事だったのかも知れない。

 

しかし、T医師は

 

「まだどちらとも断定できない段階なんです」 (T医師)

 

と言っていた。 つまり、この相反する判断の元凶は、MIBG検査なのである。

 

初診時に、T医師は迷わずMIBG検査を指定した。 結果論であるが、それ程までに診断の根拠となるのであろうか? それこそが、私の質問の真意だったのである。

 

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質問に対するT医師の答えを要約すると、こんな風になる。

 

       確定診断のツールと言うより、参考としての意味合いが強い。

       もしMIBGによるパーキンソン病の確定診断が可能なら、(健康)保険適用となるハズである。 実際はそうではない。 適用となる疾患は、脳梗塞位である。

       私にこの検査をしたのは、年齢が若いからである。 もし70歳以上の患者であったなら、検査せずに(L-DOPAによる)投薬治療を開始したであろう。

       パーキンソン病の疑いのある患者にこの検査を逐一実施したら、(高価な検査なので、保険財政が)大変な事になってしまう。

 

では、検査結果そのものについては、T医師はどの様な評価をしているのだろうか?

 

(蛇足ではあるが、70歳以上の患者にはMIBG検査せず、直ぐにL-DOPAを処方する事は、ガイドラインに示されている。 因みに、70歳以下の場合の投薬治療は、ドパミン・アゴニストから始める。)