グルタチオン点滴療法―3―2
なぜか彼女はまたしても、グルタチオンの点滴のために、前腕正中皮静脈を選んだのである。
その結果・・ またしても、同じ状況に陥った。 すると彼女は、私の左腕から抜針し、隣の「第二診察室」に消えた。 続いて、ほぼ入れ替わる様に大柄な看護師が出て来た。 見るからに「古参」と言う印象で、名札を見ると、「K」とある。
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Kさんは私の左腕の(最も隆起している)尺側皮静脈に、新しい翼状針を一回で刺入し、無事に点滴が始まった。
点滴の時間は10~15分と短いが、その間は暇である。 そこで点滴液を見ると、前回と同じ、淡い紫色である。 一瞬、
「(チャンと、グルタチオンは増量してあるんだろうなぁ・・)」
と思ってしまったが、その疑問は点滴液バッグに添えてある小さなカードを見て瓦解した。 と言うのは、そこには、次の様に書いてあったからである。
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生理的食塩水 |
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生理的食塩水 |
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3/n1 |
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タチオン |
4A |
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タチオン |
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生理的食塩水 |
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生理的食塩水 |
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3/n2 |
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タチオン |
8A |
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タチオン |
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生理的食塩水 |
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生理的食塩水 |
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3/n3 |
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タチオン |
12A |
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タチオン |
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ここで、n1=初回日、n2=2回目の日、n3=3回目の日=今日 である。 そして、「4A、8A、12A」のみ手書きだ。 それらの意味は? 私の推定は、夫々「アンプル4本、アンプル8本、アンプル12本」だ。 と、言うのは、タチオン(注射用)は1アンプル中に、200mgのグルタチオンを含有しているので、最終的には、夫々「グルタチオン800mg、グルタチオン1,600mg、グルタチオン2,400mg」を意味すると考えられたからである。