リハビリ389―薬効の出現まで・・
F医師の診察を受けて2日後の8月下旬に、リハビリがあった。 そこで妻の運転で総合病院に出掛けた。 この総合病院に来るのは、この一週間で何度目だろう・・
M医師の予診を受けて待っていると、担当の理学療法士であるI士が、定刻より少し前に声を掛けて来た。
「(オオ、定刻前スタートなんて・・)」
と思っていると、彼から質問が来た。
「どうですか、体調は?」
「えぇ・・良くないです」
と私が答えると、更に質問が来た。
「お薬が元に戻って、何日ですか?」
「2日です」
と答えると、彼は半ば独り言の様に、呟いた。
「(2日かぁ・・ (薬効の出現まで)まだ、無理だなぁ・・)」
――――――――――――――――――――
さて、施術はいつもより、マイルドなものだった。 ただ、簡単な事が出来なかった。 それは、立位で脚を上げることである。 よく「すくみ足」の説明として、「足の裏が床に吸い付く様だ」と言われるが、将にそれである。
I士は、
「ハイッ、腿をあげてぇ・・ もっと高く、もっと高く!」
と声を掛けるが、何しろアロンアルファで床に着いた足を床から剥がすだけでも大変なのに、ましてや上げる事など・・
それでも何とか、足が床から上がる様になると、
「ハイ、そう・・ 今度は、腿が水平になるまで!」
とレベルを上げて来る。 勿論、そんなに高くは上がらないが、先程よりは上がっていたので、一応「合格」としてくれたらしい。
――――――――――――――――――――
こうして何とか今日の課題を終えたので、受付に戻ろうとしたその時、ふと壁掛け時計を見ると、定刻の5分前だった。