パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ317―バランス喪失後の回復法

さて今日は、6月上旬2回目のリハビリのある日だ。 但し、久々に週の後半だ。 いつもと変りなく、妻の運転で総合病院に行き、M医師の予診を受けて待っていると、時間になってもI士が前の患者のリハビリをやっている。 壁時計を見ながら待っていると、定刻丁度5分後にやって来た。

 

そして、脚のマッサージから腕のストレッチを行っていると、I士が

 

   「済みません、5分程離れますので、いつものアレをやっていて下さい」

 

と言い、少し屈んだ格好から左腕を上げ、胸を開いた。 私は、四つん這いでやるストレッチと直感し、了解した。 すると彼は小走りで離れ、時計こそ見ていなかったが、5分程で小走りで戻ってきた。 一人でやる5分って、結構長く感じた。 

 

さて、今日のリハビリの後半、彼が不思議な新技を披露した。 それを紹介しよう。

 

彼は私に靴を履く様指示し、我々は通路に並んで立った。

 

先ず彼は右脚を太腿が水平になるまで上げ、その右脚で大きく前にドシンと踏み出した。

 

続いて上半身を前に折り、両手の指だけ床に着けた。 すると、短距離走のスタート直前の格好になった。 問題はここからである。

 

I士は、次のステップに移るために上半身を上げ、直立姿勢になれ・・と言う。 そして上半身を起こすのと同時に、左脚を前に持って来て、その太腿を水平まで上げよ・・と。 しかもこの時、左脚はどこにも付かず空中に保て・・と!

 

これは、バランスのみならず、右脚の筋力も必要だ。 だって、右脚・片足で屈んだ姿勢から立ち直るのである。

 

勿論、続いて左脚から行った。 自分では左右の筋力は同じだと思っていたが、軸足と利き足の違いがあるらしく、右脚を着地させた方が安定が良い。

 

これは、本当に大変だった。 ではこの運動の目的は? 私には、「バランス喪失後の回復法」の訓練に思えた。 と言うのは、動作の前半で倒れて床に手を着いても、後半の動作で起き上がるからだ。 この一連の動作を、誰が言ったか、「米搗きバッタ」と・・

 

そして、定刻チョット前にリハビリを終了した。 と言うのは、受診案内票を患者に返却し、最後に次々回の予約の日時を調整するのに、1~2分掛かるからである。 つまり、トータルで矢張り5分足りない。