半世紀ぶりの同窓会
2015年11月上旬の今日は、中学3年の同窓会の日だ。 卒後、ほぼ半世紀である。
実はこの9月に、同窓会の案内通知を、往復はがきで受けていた。 難病の事もあり出席を躊躇していたが、「引きこもり」にならないためにも、思い切って出席をする旨の返信を先月に出して置いたのだった。
出席したかった理由は、他にもある。 例えば、中学卒後ほぼ半世紀ぶりである事や、恩師のT先生も隣席する事である。 確かT先生は、当時○○歳。 現在は齢(よわい)78になっているハズだ。 次回、いつ同窓会が開催されるか分からないし、自分の難病の事もあるので、今回が最後(最期?)の機会になるかも知れない・・
―――――――――――――――――――――――
場所は市内なので妻に車で送ってもらい、定刻少し前に着いたら幹事が私の姿に気が付いて、扉の所まで迎えに来て両側に付き、支えてくれた。 そして、
「○○さん、本当に良く来てくれました」
と歓待してくれた。 と言うのも、前回の同窓会を、「体調不良」で欠席したからである。
財布から会費を出し、席の番号札と名札を持って着席していると、恩師のT先生が到着した。 T先生は、室内に入るなり私の姿を見つけて、近づいて来た。
「○○××くんだよね?」
「えぇ、そうですが、憶えています?」
「勿論だよ・・」
「中学3年間の内、2年間、担任して戴きましたから。」
「そうそう、○○君はそうだったね! 2年と3年の・・」
と私を最初、フルネームで呼んでくれた。 もうそれだけで、感激モノである。
―――――――――――――――――――――――
出席は、45人中16人である。 そうしたら、見覚えのある顔、見覚えは無いが名札で思い出した顔、全く思い出せない顔など、様々であった。 また、名簿を見ると4人が既に他界していた。
宴は楽しかった。 昔話あり、当時のマル秘エピソードの披露あり、当時流行った歌のカラオケあり・・ それは、あっと言う間の3時間であった。
そして妻にメールで迎えをお願いしたら、暫くして「着いたよ」との架電があった。 幹事に帰る旨を伝えたら、
「○○さんが帰りまーす」
と大声で伝えたので、会場に残った全員が談笑を止めて私の方を向いた。 私は精一杯の笑顔で手を振った。
その後、途中まで迎えに来た妻と会い、車に向かった。 すると、男性幹事と女性2名が見送ってくれた。 私も車の窓を開け、手を振りながら頭を下げた。 やがて、道を曲がって私が見えなくなるまで、彼らも手を振ってくれていた。
何か、暖かいものに包まれた様な一日となった。