パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ170―箸使い

続いて、M士が

 

   「日常(生活の中)で、困っている事は、他にありますか?」

 

と訊いたので、

 

「食事の時に、ご飯をこぼしてしまうんです。」

 

と、答えた。 するとM士は、箸と無色半透明で1.5cm立方の物体が20個程入ったビニール袋を、棚から持って来た。 その物体を箸で触ると、丁度指ぬきの様な形の弾性を持ったシリコンゴムの様だ。 うん、これなら掴み易い!

 

私がそのゴムを袋から運び出したり口に運ぶ真似をしたりしていると、M士は、

 

   「チョット、口を開いてみて下さい」

 

と言った。 私が食べ物をこぼす原因が、手ではなく口にあるかも知れない・・と、考えたのだろう。 流石である。

 

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続いて、こんなやり取りが続いた。

 

   「箸ですか、スプーンですか?」

 

   「箸です。」

 

   「どんな箸ですか? 塗り箸とか・・」

 

   「無垢の(木の)箸です。」

 

   「無垢ですか・・」

 

すると、M士は箸を何膳か持って来て見せた。 見ると、丸い塗り箸、先に数本の溝が入った丸箸、更に先がザラザラしたプラスチック箸であった。 

 

このプラ箸は、不思議な形をしていた。 例えば、持つ所の断面が六角形なのである。 丁度、鉛筆の様に・・ 実際に持ってみると、握りやすい。 そして、持つ所に幾つかの窪みがある。 つまり、箸への握力が下がっても、手から滑り落ない工夫が施してあるのだ。

 

色々と考えるものである。