リハビリ123―重心の位置
バランスの訓練で、私がO士の考えている目標に達したかどうかは、O士は言わなかった。 ただ、不十分に思えたのか、こんな説明をした。
台に腰掛けた私の目前に立ったO士は脚を肩幅に開き、右手で作った拳を自分のヘソの辺りに置いた。 そして
「(躰の)重心と言うのは目には見えないんですが、見えるとすると、この拳の位置にあるんです」
と言いながら、説明を続けた。
「そして歩く時は、こうやって左右に動くんです。」
つまり、右足を出す時は重心が左に移動し、(着地している)左足のほぼ真上に来る。 逆も真である。 移動距離は、真横に15cm程だ。
「○○さんの場合は、この重心の動きが少ないんです」
と、今度は移動距離を5cm程にして見せた。 その結果、チョコチョコしたぎこちない動きになる様だ。
でもこれこそが、パーキンソン病/症候群の典型的な「姿勢保持障害」。 それが出来れば苦労はない。 ・・とも思えたが、
(そのための、バランスの訓練じゃないか!)
と思い直した。 巨大ドラ焼きに座り、肩を水平に保ちつつ上半身を左右に揺らせたのには、そんな意味があったのだ。
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最後に壁に手を着いて踵上げの練習をして、本日のプログラムを定刻に終了した。 そしてエアロバイクを前回と同じ条件で20分間やり、キッチリ5分間休んで帰宅した。