リハビリ80―ターンアラウンド伝票
「どこが悪かったんでしたっけ?」
と、私に尋ねた。 何のためにモニターを凝視していたのだろう・・と思ってしまった。
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定刻に、理学療法士のY士がボードを持って現れた。 軽い挨拶を交わして、早速リハビリの開始となった。
所が、リハビリを3週間も休んだ事には、全く触れて来ない。 恐らく気遣っているのだろうが、腰痛だった事は告げないと、腰に負荷の大きいトレーニングをしてしまうかも知れない。 そこで、その旨を伝えた。 するとY士は、腰痛で受診した病院が違うので、レントゲン像を見られない事を残念がった。
先ず、私は持参したターンアラウンド伝票を見せた。 5枚重ねの薄手の感圧紙である。 以前、日常動作で不便な事を聞かれたからである。 そこで、スプロケット用の端を落とし、
「これをめくるのが苦手なんです」
と、指先で紙をめくろうとして、滑る様子を見せた。 すると、Y士は
「ちょっと待って下さい」
と言い、事務所に行ってゴム製の指サックを持ってきて、私に紹介した。 私は右手の人差し指に嵌めてみたら、確かに紙がめくり易くなった。
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「それ、差し上げますよ」
と言うので、有り難く頂戴した。 今度文具屋に行く時に、購入しよう。
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次の課題は、四つん這いでの片手片脚上げである。 私が始めると、またしても
「ちょっと待って下さい」
と言って消えた。 今度は四つん這い状態なので、Y士がどこへ行ったのか見えなかった。