停電と病院
受診している2011年3月中旬と言えば、東北沖で発生したマグニチュード9.0と言う未曾有の地震とそれによる巨大な津波に、日本中が打ちひしがれていた頃であった。 福島第一原子力発電所の事故も重なり、電力事情が逼迫し、輪番制で計画停電が始まったのだ。 (ただその実態は、「無計画」停電とよぶべきものであったが・・)
病院では「停電で、動きません」では済まない事が、沢山ある。 私はT医師に、こんな質問を投げた。
「先生、停電の時の病院って・・ 大変ですよねぇ? 人工呼吸器の患者さんもいますし・・」 (私)
すると、こんな風に説明してくれた。
「ディーゼル発電(による電気の供給)がありますから。」(大丈夫なんです。) (T医師)
更に、
「(停電時の)大学病院では、緊急以外の手術はやらないんです。 貴重な電力を消費しちゃいますし、第一、被災地から緊急患者が運ばれて来るかも知れませんし、ね」 (T医師)
と付け加えたのである。
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矢張りT医師は、大学からの派遣医師の様だ。 当番表を見れば非常勤である事は、明らかだ。 そして、以前の診察時に私の質問に対して
「何か、教授に試問されているみたいですねぇ」 (T医師)
とコメントをした事から推察すると、准教授か助教なのであろう。 年代から推すと、助教かも知れない。
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話題がそれてしまった。 停電の話に戻そう。
私は別の総合病院の外来で、全館停電に遭遇した事がある。 その時は館内放送が流れ、必要な場合は赤い色のコンセントから予備電源を確保できる旨のアナウンスが、施設課からあった。
停電でも館内放送は維持されていたし、職員も落ち着き払っていた事を考えると、防災訓練はもとより、危機管理はできているのだろう。 まぁ、職員が慌てふためいていては、患者は余計に不安になってしまう。