パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

リハビリ342―「調子悪いんですぅー」

で、10月中旬に、もう一回、リハビリがあった、  そこで妻の運転で、総合病院に出掛けた。 実はこの所、歩行障害が進み、余り調子良くないのだ。 普通に真っ直ぐ、踵から脚が出ないのである。 でも、その事は前回、予診時にM医師に伝えてあるので、

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2016/12/04/073749

 

今回は、予診時には特に申し出なかった。

 

さて、待合椅子に腰掛けて待っていると、ほぼ定刻にI士が現れ、空いている台を探して施術開始となった。 

 

   「どうですか、調子は?」

 

   「えぇ・・ 調子悪いんですぅー」

 

とI士と交わし、先ずはバランスチェックから行った。 具体的には、開眼片足立ちや前後左右の屈伸である。 例えば、両手をバンザイし組む。 そしてそのまま、左右に曲げて戻る。 子供用の体操で言えば、「バナナ・キュウリ、バナナ・キュウリ・・」である。

 

   「(こう言うのは、上手いんだよなぁ・・)」

 

と、I士が独り言の様に、呟いた。

 

   ―――――――――――――――――――

 

さて、チェックが終わり、施術に入った。 でも、本調子でない事を知っているので、全体的には復習だった。 従って、「これ!」と言った新技は無かった。 

 

しかし、一点、アドバイスを貰った。 それは、杖の使い方である。

 

   「杖は、突進を防止する時は前に突いてもいいんですが、普段は横に突くんです」

 

と。 そう言えば、正しい杖の使い方を習った事も無く、自己流だ。 そのため、過去にY士からは、

 

   「杖が、お荷物になっています」

 

と揶揄された事もあった。

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/20120706/1341523238

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/20120708/1341696853

 

もう一度やり直してみよう。 確かに、防御姿勢(=前屈み)で転ばない様に前に杖を突くよりも、身体の脇で調歩する凜とした姿の方がカッコイイ。 まぁ、それは分かっているのだが・・

 

 

母の相続―3

10月中旬の今日は、母を被相続人とする相続分についての第一階の調停が行われる日だ。 そこで妻の運転で、家庭裁判所に行った。 通常は1時間半で着くので、余裕を見て1時間40分前に出発した。 所が、当日は朝から小雨が降っていたので、道路が混んで遅刻してしまった。 勿論、直前に担当書記官に電話を入れて置いた。

 

約5分遅れで裁判所に到着したので、その旨を書記官に電話を入れた。 すると、書記官が確保して置いた車椅子を持って来てくれた。 そして、2階の小部屋に案内してくれた。

 

   「あれ? 3階じゃなかったっけ?」

 

と、私が妻に確認すると、それが書記官に聞こえたらしく、変更になった旨を言って来た。 後で知ったのであるが、2階の方が、調停室と申立人控室との距離が短いらしい。 結構、配慮をしてくれている。

 

   ―――――――――――――――――――

 

こうして、調停が開始された。 調停委員は初老の男性Tと中年の女性Sである。 まぁ、当方の主張は「調停申立書」に書いてあるので、

 

   http://psp-pagf.hatenablog.jp/entry/2016/10/05/070524

 

   ① 父の相続で、私が受け取る分を返却せよ。

   ② 母の相続で、税法に基づいた遺留分を減殺せよ。

   ③ 上記①・②を2017年〇月○日までに完了せよ。

 

主に、申立てに至った背景や経緯について、質問された。 約30分で相手方に交替し、更にもう一巡した。 その間、調停委員は裁判官と協議していた様である。

 

その結果、当方の主張①と②は異質なので、今回の調停は①のみにしてはどうだ・・と言う。 と言うのも、①については、相手方も異論は無く、

 

   「いつでも渡せる様に、現金をチャンと取ってある。 家に来てくれれば、いつでも渡す」

 

と言うのである。 すかさず、調停委員が

 

   「それなら、なぜ前回の調停時に渡さなかったのか!」

 

とツッコミを入れてくれたらしい。 後は、現金を渡す場所をこの調停の場にして欲しい旨を申し出たら、相手方は認めたらしい。 そして、両者が合意すれば「和解調書」を作成してチャンチャン・・となる様だ。

 

こうして、前半が終わりそうだ。 ただ、不利益を受けた分の利息については、ペンディングとなった。

 

気功―40

さて、10月中旬の某日は、気功の施術を受ける日だ。 そこで妻の運転で、気功師宅に行った。

 

さて、到着してインターホンで呼び出すと、気功師の顔が一瞬見えたが、直ぐに引っ込んだ。 後で聞くと、

 

   「私が見ていると、緊張して上手く歩けなくなっちゃうでしょ」

 

と言う事だった。 そう言えば、今朝は急いでいたので、杖を忘れてしまったのだ。 それでも、妻の介助を受けながら脇の手摺りにいつでも掴める様にして、数mを歩いた。 そして玄関の扉を通る時に、僅かにすくんだのはご愛嬌としても、玄関を上がって右の部屋に入る時にすくんでしまって小刻み歩行になってしまった。 これは、方向転換が苦手なのに加えて、扉が狭く、床にこれと言った目印(視覚キュー)がないためでもあった。

 

そんな私を見て、気功師

 

   「ほら、ユックリ!」

 

と言った。 まぁ、別に焦ってはいないのだが・・

 

   ―――――――――――――――――――

 

こうして、布団にうつ伏せになり、気功師が掛けてくれたタオルケットの上から施術が始まった。 

 

確かに今施術している所が、ほんのりと暖かい。 つまり、今、どこを施術しているのかが、タオルケットを通じて感じられたのであった。

 

今回は背中を撫でてくれる時間が長かった。 何かあったのだろうか? そして、残りの10分程を仰向けで行った。 最初の頃は施術中に眠くなって、いつの間にかスヤスヤと・・と言う事があったが、この所それも無くなった。

 

   ―――――――――――――――――――

 

こうして約1時間の施術が終わり、気功師が淹れてくれたゴボウ茶とスイスロールを戴いた。 スイスロールと言っても、中央のクリームの直径が2cm位あり、それをカステラが一周しているものである。 また、そのカステラがしっとりしていて、ホンノリと甘いのである。

 

途中、私の胡坐の姿勢について、注意があった。 前屈みになっている・・と言うのだ。 気功師は、

 

   「グッと肛門を引き締めて、骨盤を前方向に回転させてごらんなさい? そう、胸を張ってぇ・・」

 

と言いながら、手本を見せた。 

 

   「そう、肛門括約筋をグッと締めるのよ。 これがチャンと出来ないと、将来ダダ漏れになってしまうわよ! そんなの嫌でしょ?」

 

と言う事らしい。 

 

その他、血圧やら宿題のこなれ具合について、色々と話した。 こうして、次回を12月の中旬に予約して、今回の施術を終えた。

 

帰路も杖無しであるが、妻が言うには、杖を使わない方が歩き方が自然で上手だ・・と。

 

診察201610―5  

T医師は、

 

   ① 過去のドキュメント(某大学病院の神経内科医のS医師によるセカンドオピニオン)を拾い読みし、

   ② 最新のMRIの読み取りと、そのMRIと過去の撮像との比較をし、

   ③ 私の目前でペンを上下し、私の眼球の動きを観察し、

   ④ 私のADLを妻に訊いた。

 

以下は、夫々の内容である。

 

   ① 読んで、「まぁ、こんなもんね?」と割と冷ややかな反応をし、

   ② MRIで、「多系統萎縮症だと、ここに線が入るのよねぇ。 (その中でも)黒質線条体変性症では、この辺に・・ 進行性核上性麻痺ではここが薄くなるんだけど、過去のものと比較して、微妙ねぇ・・」と言及し、

   ③ 「う~ん、(眼球の動きは)正常ねぇ」とコメントし、

   ④ 例えば、「被り物を脱ぎ着する時、介助が必要ですか?」等の質問をした。

 

この④で、T医師は「どう、夜中のトイレは?」と訊いたので、妻がありのままを答えた。

 

   「夜中に何度も起きるんですが、何とか壁伝いに行っています。 でも、その内、し尿瓶でも要るんじゃないかと・・」

 

これに対して、T医師はこんな説明をした。

 

   「あのね、男性の場合は立たないと、(出るための)圧力が掛かんないの」

 

と。 ナホルド、それで分かった事がある。 それは・・

 

夜中に目が覚めると、尿意を感じる。 しかし、それは弱く、あと5分位は何とか持ちそうだ。 でも、どうせ行くなら早や目に越した事はない。 そこで、枕元の椅子を頼りに立ち上がると、急にその尿意は強くなる。 否、強く・・なんてものではない。 将に、「強烈な切迫尿意」なのである。

 

まぁ、強烈な尿意があっても、男性ならどうにかなる。(><)

 

   ―――――――――――――――――――

 

こうして、身障者手帳を申請するための診察は終わった。 すると、T医師は、別れ際にこう告げた。

 

   「そうねぇ、あなたの場合は進行のユックリした進行性核上性麻痺ね。」

 

   「診断書は、2週間後に出来ます。 後は、それ位出来れば、構音障害の方は(認定は)無理ねぇ・・ それと、ええっと・・ 2級かなぁ・・」

 

と。 と言うのも、念のため、肢体不自由と視覚障害聴覚障害 ・平衡機能障害 ・音声、言語機能障害 ・そしゃく機能障害の2種類の診断書を持参したのだった。

 

そして礼を言い、妻が私の車椅子をバックして、診察室を出た。 そして会計をしたら、診断書代は10,800円だった。 普通は5,400円なので、その倍である!?! しかし、もし本当に身体障害者2級が取得出来れば、元は直ぐ取り返せる。

 

診察201610―4

さてリハビリが終わったら、今日は脳神経内科のT医師による診察がある。 目的は身体障害者の認定を受けるための診断書を書いて貰うためだ。 そこで我々は、途中、病院の外来用車椅子を借用して、いつもの脳神経内科に行き、待合室のソファーを陣取った。

 

パネルを見ると、15:30~16:00の予約時刻の患者を診ている。 つまり、まだ少なくとも30分は待つ必要がある計算だ。 と言うのも、我々は午後4時半の予約だからだ。 

 

そこで妻がその時間を利用して、車椅子を交換して来る・・と言う。 と言うのは会計と出口(=正面玄関)と車椅子を借用した場所とは反対側であり、「ご使用になった車椅子は元の場所に戻しておいて下さい」と言う要請があるからだ。 更に、缶コーヒーも買って来ると言う。

 

所が、その間に予約時刻が16:30~17:00が急に変わった。 つまり、16:00~16:30の時間帯に患者がいないのだ。 私は焦った。 万が一、最初に呼ばれたらどうしよう・・と。

 

しかしその様な場合に限って、呼ばれるものである。 事実、妻が車椅子を返しに席を立って程なくして。我々の番号が表示された。 私は焦った・・ しかし、「受診案内票」は妻がもったまま・・ 長い時間が経過した様な気がした。 すると、次の患者の番号が表示された。 つまり、未だ私がリハビリ室から来ていない・・と思ったのだろう。

 

やがて妻が戻ったので、上記の旨を伝えると、

 

   「だって、未だ3時半~4時の患者を診てたじゃない!」

 

と言うので、私は表示を見る様に言った。

 

   「ほら、4時半からの患者だろ!」

 

と言ったら、妻が納得した。 それから10分以上待ったろうか? 漸く私の番となった。

 

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妻が私の車椅子を押して、扉をノックして診察室に入った。 初めて近くで見るT医師である。 結構年齢が行っているのに、化粧が濃い・・ まつ毛は通常人の数倍、瞼には紫が入っている。 短めの白衣に、ピッチリとしたボトムスだ。

 

そして、妻が「受診案内票」と診断書の用紙、そして前回の私のF医師へのメモを添えた。 T医師は、

 

   「身体障害者の認定ね?」

 

と訊いたので、私は肯定した。 さて、いよいよ・・である。

 

リハビリ341

10月中旬の今日はいつものリハビリの後、T医師による「身体障碍者認定のための診断」がある日だ。 そこで妻の運転で、総合病院に出掛けた。 先ずは、リハビリである。

 

家族旅行から帰って来て、どうも歩行能力が落ちた印象があったので、いつものM医師の予診を受けた時、

 

   「歩き難いんです」

 

と訴えてみた。 すると、M医師は残念そうな表情でキーボードから、何かを入力した。 その後、

 

   「体調に問題はないですか?」

 

と訊いたので、肯定の返事をすると、受診案内票にチェックを入れて妻に返却した。

 

   ―――――――――――――――――――

 

待合椅子で待っていると、担当のI士が声を掛けてきた。 いつもは5分遅れなのに、今回は2分遅れである。 

 

そして、空いている台の上に仰向けに寝ると、I士は

 

   「チョット、お待ちください?」

 

と言い残して、受付横のスタッフ用控室に、モニターを見に行った。 要は、予診の結果を見に行ったのだ。 折角2分遅れだったのに・・

 

   ―――――――――――――――――――

 

さて、私の歩行障害が進んだのを知ったのだろう、余り激しい動きは無かった。 ただ、台の上で四つん這いになり、同じ側の手脚を上げるのが矢張り出来なかった。 

 

さて、今日の新技は、実用的なものだった。 それは先ず、I士がキャスター付きの丸椅子に腰掛けて、私の方を向いて私の前に位置する。 私は靴を履いて、彼の前に立位になる。

 

続いて、私がI士の両肩に両手を乗せる。 この状態で、腰を屈めて見よと言うのであるが、彼は私の両膝に自分の両膝を当てた。 そこで

 

「(これは、スクワットだな!)」

 

と直感した私は、尻を後ろに出す事により彼の膝が自分の膝に当たらない様に屈んだ。 すると、彼は

 

   「その状態で、もっと屈んで胸を張れますか?」

 

と訊いた。 勿論その後は、立位に戻った。 その後、この上下を2~3回繰り返した。

 

最後にI士は、こう説明した。

 

   「もし腰掛けていて立ち上がろうとしても、そのままじゃあ上がれないでしょ?」

 

要は、座った態勢からの合理的な立ち上がり方の練習だ。 なぜ、これが実用的かと言うと、例えば様式トイレで用が済んで立ち上がるシチュエーションを考えて欲しい。 その姿勢からどうやって立ち上がるのであろうか? 足を後ろに持ってこようとしても、便器が邪魔をしている。 それに手摺りが必ずあるトイレばかりとは限らない。

 

この時、前に屈んで立ち上がれば可能であるが、その状態で勢い良く両腕を前に振り出して見よう。 すると、自分の身体の重心が、グッと前に出るので、立ち上がり易いだろう。

 

それに、椅子や便座に腰掛ける時でも、逆のプロセスで同じ姿勢をすれば、「ガタン」・「ドスン」とならなくて済む。

 

 

社会保険審査会(続々)

議長は私の方を向いて、

 

   「どうですか、下が見づらい事はありますか?」

 

と訊いたので、私が

 

   「はい」

 

と答えると、議長は

 

   「大きな声で仰って下さい、録音してますので。 今のは『はい』で宜しいですね?」

 

と畳み掛けた。 更に、

 

   「飲み込む時、喉の奥に違和感がありますか?」

 

と質問した。 これに対しても

 

   「はい」

 

と答えた積もりであったが、届かなかったらしく、

 

   「頷いたという事で、『はい』と言う事ですね?」

 

と確認した。 最もシビアな質問は、議長から「保険者」への、次の質問である。

 

   「申請者は『補助用具を使用しない状態』とは、『無服薬の場合』と解される・・と言っていますが、どうなんですか? 例えば、てんかんの場合は無服薬の状態で評価しますが、パーキンソン病の場合は服薬の状態ですが。」

 

これに対して「保険者」は、

 

   「服薬の状態です」

 

と言い切った。 そして最後に弁護士にコメントを求めた。 ほぼ論点は尽きたと見たのか、議長は正面を向いて

 

   「参与の方々のご意見は?」

 

と訊いた。 一瞬静まり返ったが、一人の男性が挙手して発言した。

 

   「もうこのケースでは、2級以上ですよ」

 

と。 この他に意見は、無かった。 ・・と言う事は!?!

 

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開始から15分が経過して、議長は私の再審査請求に対する審査を終わり、次の請求事案に移る旨を宣言した。 要は、1件15分ずつのベルトコンベア方式である。

 

Webには、再審査の結果として「申請者」の意見が認められるのは、22%と言うが、ま、それは別として、何か良い結果の期待できそうだ!

 

   https://www.shougai-navi.com/intro/id000130.html