転倒事故(続)
早速、当番医を見ると、以前、母のお供で行った事のある医院だ。 そこで診療時間を見て、妻の運転で出掛けた。
着くと、診療開始約1時間前だと言うのに、数組の患者がいる。 妻が受付に行き、健康保険証を提示し診察の申し込みをした。 すると、受付から戻った妻が
「ねぇ、保険証を見るだけで、何か病気を持っているって、分かるの?」
と不思議そうに訊いた。 私が、
「そうだよ、75歳未満なのに、1割負担だから、ね!」
と言ったら、納得した様だった。
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診療開始時刻の10分程前になったら、看護師に呼ばれ、処置室に入った。 広い部屋ではあるが、ベッド3台とキャスター付きワゴンが幾つかあるので、私の最も苦手な隘路となっている。 脚がすくんで歩けないのを見た看護師2人に抱えてもらって、なんとか、窓側の、ベッドに仰向けになった。
待っていると、診療開始時刻に手術着を着た恰幅の良い医師が現れた。 医師は転倒状況について聞き、事件性は無い・・と思ったのか、早速傷口を診た。
「口の中は切ってないですか?」
と訊いた。 私が大丈夫だった旨を答えると、医師は上唇をピンセッの様な器具でめくり上げて確認した。
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さて、医師は看護師に、
「消毒液・・ あれぇ、葉っぱが入ってるなぁ・・ ハサミ・・ 消毒液・・ ゲンタ・・ ガーゼ・・」
とテキパキ指示して、傷を処置して行った。 こうして、最後に看護師がガーゼをテープで止め、終了した。
さて空気の抜けた車椅子を借りて会計を待った。 すると、ゲンタシン軟膏0.1×10gのみ処方され、数百円だった。
妻曰く、
「ガーゼや消毒液って、病院じゃ出せないんだって。 薬局で自分買えってさー・・」
と、チョッピリ不満そうだった。
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帰路、休日当番薬局で、①滅菌ガーゼ、②消毒液、③紙テープを購入して家路に就いた。 さて、本日の費用の内、①滅菌ガーゼが一番高価だった。 これも1割負担の効果である。