パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

私が見聞した緊急対応

 以前、その総合病院の消化器科での受診でも、診察が予約時刻から大幅に遅れた事があった。 

 

予約時刻前に消化器科に着くと、受付窓口にはA医師による外来診療が遅れている旨の掲示があった。 2時間近く待った記憶がある。 ようやく呼ばれて私の診察順となった時、担当のA医師は開口一番、

 

   「大変お待たせして、済みません」

 

と言ったのである。 その横顔には疲労の色が濃く出ていた。 緊急患者の処置に追われていたのは、明らかだ。 

 

ただ、A医師のお詫びの言葉が咄嗟の事だったので、私はA医師への労(ねぎら)いの言葉すら出なかった。 診察は遅れに遅れていたが、それでも診察に必要な時間は、十分とってくれたのである。

 

そんなA医師に対して、私の頭は今も下がったままである。

 

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別の大学の医学部外科学教室に、ある医師を訪ねた事があった。 約束の時間に医局に入ったら・・ 当の医師ばかりか、誰もいない? 内心、

 

(折角アポイントメントを取ったのに・・)

 

と、思ってしまった。 でも、中央のテーブルを見た時、私は全てを察したのである。

 

テーブルの上には、まだ手を付けたばかりと思える仕出し弁当がいくつも散乱していたのであった。 つまり入院患者の急変か救急患者の搬入かがあり、ページャーで急に呼び出されたのであろう。 それもそこに居る外科医、全員が・・ 11秒を争う事態に、昼食を摂っている場合ではないのだ!

 

自分の身を削ってまで患者を助けようとするその使命感には、ただただ頭が下がるばかりである。 処置が終わって患者の容態が安定しても、彼らは患者やその家族に、

 

   「俺、まだ昼メシ食ってないんだけど・・・」

 

なんて事は決して言わない。 医師(達)の緊急対応に感謝の意を述べる家族に、ただ

 

   「よかったですねぇ・・」

 

とニコニコしているだけである。

 

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そうこうしている内に、脳神経内科で私の診察順が巡ってきた。

 

通常は一旦「中待ち」となるのに、その時は診察室の扉が開いて、いきなり看護士によばれた。 急な事だったので、慌てて診察室に入ったら、自然と小走りとなった。 T医師はこれを見ていて、

 

「随分と早く歩ける様になりましたねぇ・・ 前回はゆっくりだったのに。」

 

と評した。 観察が細かい。 流石は神経内科医である。 

 

そして、診察は問診から始まった。