リハビリ517―11月のリハビリ(2)
途中、干し柿作りの話題が入ったが,、リハビリの話題を続けよう:
では、S士の施術は、具体的には?
例えば、上半身のストレッチを行う時、これまでの総合病院では、肩幅より長めの棒を使い、台に腰掛けて、棒を肩幅より広く持ち、バンザイをしていた。 そして、十分伸びていない時は、施術者が台に登って、棒の中心を引き上げていた。
それが、S士の場合は、20cm位しか無い短い棒を両手で持って行う。 しかも、台に寝て行うので、
「(ストレッチが足りないなぁ・・)」
と思った時は、台に寝た患者の脇に立って、バトンを押し下げるだけで良い。
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では、週の後半は?
K士によるリハビリだ。 いつものストレッチやマッサージを行った後、先々週提案した「パーキンソン体操」の、3番目をやった。 これは、椅子の背もたれを持って立ち、両足は揃えて踵を上げて、ストーンと落とすものである。
これを10回やって、1クールとし、1日数クール行う・・と言う。 勿論、これだけなら、簡単だ。 すると彼は、こんな課題を出した。
「じゃあ、(椅子の背もたれに掛けた)手を出来るだけ、離してみてください」
と言って、自らやってみせた。 私もやってみると、割とと簡単だった。 スタティック(静的)な状態での動作(作業)は、比較的簡単なのだ。 それが、「純粋無動症」である。
その後、4、5回目を終えたら、彼は、そのコピーをクリアーファイルごとくれた。 曰く、
「このコピーにある技は、どれもパ―キンソン病患者が一人で、(比較的)安全に出来るものばかりを集めたものなんです」
と。 つまり、自宅でもやれ・・と言う事だろう。
少しスペースがあるので、5番目の技(=訓練)を紹介しよう。 これも矢張り、椅子の背もたれを使う。 どうやるかと言うと、スタートは3番目のリハビリに近い。
先ずは椅子の後ろ側に立ち、足を肩幅に開いて両手で背もたれを持つ。 そして、この状態を「スタート位置」と呼ぼう。 次に、左足を肩幅位、左にステップする。 更に、右足を先程まで、左足のあった位置までステップする。 今度は右足を、続いて、左足を戻して「スタート位置」に戻る。 勿論、手の位置に変化は無い。
最後に、同じ事を右足から右側に行い、1サイクルとする。 これを、10サイクル繰り返して、1クールとする。
一見すると「反復横跳び」に近いが、間に「スタート位置」が入っている分、ステップ数が多くなる。 それに、スピードを競うものでは、無い。
以上が、5番目の課題であったが、私は「一発合格」した!!!