傷の消毒から、抜糸まで
さて今日は、朝の8時半にT胃腸科医院に来ている。 昨日、傷の処置が終わったら、
「明日は、朝の8時半に来られますか?」
とT医師に訊かれていたのだった。 朝の診療開始は9時から。 つまり、通常の診療の前に、(特別に)診て貰えるのだ。
医院に着いて、5分程して看護師に呼ばれ、頭部を覆うネットを外して、いつものベッドに横になった。
は、傷を覆うガーゼを取って傷を露出し、T医師を待った。 妻が看護師に何針縫ったかを聞いたら、彼女は、
- 6針ですね」
と答えた。 当のT医師は隣の部屋で 何か検査をしているらしく、患者に呼吸法を指示していた。
更に待つ事5分、T医師がやって来て、傷を見るなり
「オオ、綺麗になってますねぇ・・ (化膿菌による)感染もなさそうだし・・」
と言い、看護師に消毒薬の指示をした。 それは。私には
「ヒビテン!」
と聞こえた。
次の消毒は、2日後で良いと言う。 そして、2日後に行くと、
「綺麗に治っているねぇ・・ これなら、次回は抜糸できますね」
と言うと、看護師が、
「センセ、(次回じゃあ)一週間経ってませんよ」
と言い、T医師は、
「ハッハッハ、そうかぁ・・ こう言うのを見ると、直ぐに抜きたくなっちゃうんだよね!」
と、照れ隠しを言った。
そして抜糸の当日、T医師が鋏を持って切ろうとしたら、傷を見て急に手を止めた。 私は
「(何か、あったのだろうか?)」
と一瞬不安になったが、T医師の次の言葉で、私の疑問は瓦解した。
「ねぇ、私のメガネを取ってくれない? ううん、そっちの部屋じゃなく、○○の方・・ ん、ありがと!」
と言いながら、メガネを掛け、少しトーンを落として、こう言った。
「まったくぅ、メガネを掛けないと、糸だか、髪の毛だか、良く分かんないや・・」
と。
今にして思えば、化膿しなかったことが予後を良好にした・・と思えた。 そして、化膿しなかったのは、ゲンタマイシン軟膏のおかげだ・・と思えたのだった。