パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

抄読会―12

私の友人・烏賊(いか)博士との抄読会も久しぶりだ。 今回、彼は私の歩行異常に対する彼なりの説を提唱するすると言う。 それを楽しみに、彼の勤務する各種学校に、車で出掛けた。 勿論、単独行なので、自分の運転だ。

 

で、無事に校舎隣のコインパーキング式の駐車場に着いた。 しかし、ゲートに近づいても、バーが上がらない・・ 表示を見ると「満」の文字が見える。 そこで、道一本隔てた建物の正面にある広い駐車場に入れようとした。 所が、ここも「満」杯だ・・

 

まだ、約束の時間までは、時間がある。 こうなったら、某大手家電店隣りの立体駐車場を借りるしかない。 ま、30分200円なので、料金は近所の相場と同じだ。 私は右折して、その駐車場に入った。 1階は既に一杯だったが、2階にはポツリポツリと空いている場所もある。

 

そこで、私は2階に停め、歩行者専用階段を使って道路に出た。 しかし、そこは見た事も無い景色である。 一瞬、方向音痴になってしまったが、ま、勘で戻れた。

 

それにしても、学校までの距離は遠い・・ まぁ、距離にして300m位なのだろうが、私にとっては遠距離だ。 段々疲労が蓄積すると前屈みになり、突進してしまいそうになる。 事実、学校の入り口まであと10m程の所で、突進歩行になり、転倒してしまった。 

 

まぁ、顔面制動は免れたが、左手に擦過傷を負ってしまった。 立ち上がろうとすると、男性2名が近寄って、声を掛けてくれた。

 

   「大丈夫ですか? どちらまで(行くんですか)?」

 

   「えぇ・・ そこの○○学校まで」

 

と答えると、直ぐ近くだと思ったのだろう、私の左側に位置して私の左腕を自分の肩に廻した。 そして、彼に支えられながら右手の杖を使いながら歩き始めたら、丁度、烏賊博士が向うからやって来た。 私の姿を見て悟ったのだろう、支えてくれている男性と話し始めた。

 

   「今日は、どちらまで?」

 

   「勉強会に・・」

 

   「じゃあ、2階の会議室ですか?」

 

   「えぇ、その前に4階で食事を・・」

 

と言いながら、建物に入り、エレベータに乗った。 エレベータには、一見して職員と分かる女性がいて、烏賊博士と顔見知りの様だ。 やがて、エレベータは4階に着いた。 左腕を男性の肩に預けたまま少しずつ向きを変え、エレベータを降りて椅子に腰掛けさせて貰った。 すると、何事かと思った学生達の好奇の目が集まった。

 

ここまで、長かった・・ それでも漸く辿り着け、何とか落ち着いた。 

 

椅子に座って落ち着いた私を確認した男性2人が帰りかけたので、私は深々と頭を下げて礼を言った。 すると、先程エレベータで一緒だった女性が私の怪我を心配して寄ってきた。

 

彼女は私の擦過傷を見ると、一旦奥に消え、再びティッシュペーパーの箱と大きな木箱を携えて戻って来た。 そう、応急セットである。 先ず、テーブルにティッシュペーパーを2~3枚敷き、私の左手の擦過傷にマ〇ロン消毒液を掛け、乾いた頃を見計らってキズ用テープを貼ってくれた。 慣れた手つきである。

 

こうして、私の転倒を巡る騒動は一段落した。