妻の慟哭―3
で、大腸X線バリウム透視を控えた前日となった。 3月中旬である。 翌日の検査に備えて、専用の検査食のみの摂食と下剤の服用がノルマである。
この所、排便時の出血もなく、順調に昼食を摂った。 所が、またしても下血があったと言う・・
で、夕方、下剤の服用時刻が迫って来たので病院で渡された説明のプリントを読むと、
「下剤を服用して次の症状が現れた時は、直ぐに病院に連絡して下さい。 ・・出血・・」
まぁ、妻の場合は元々の出血があったのであるが、一応、病院に電話する様に勧めた。 もう病院の診察時刻は過ぎているので、電話は「救急外来」に繋がれた。 所が、電話の向こうがワサワサしている。 きっと急患が運び込まれたのだろう。 こちらの用件(=症状)を聞いた男性(医?)は、緊急性が低いと判断したのだろう、
「7時までに、電話します」
と言われた。 まぁ、目の前の急患に手一杯なのだろう、緊急性を考えると妥当な判断と思えた。
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その後病院へ電話を入れ、結論として継続する事にした。 勿論、重篤な症状が出たら、直ぐに受診すると言う条件付で・・
その時の説明は女性の看護士からだったが、その内容の専門性、病状の把握、評価・判断を聞くと、まるで後ろにY医師がいる様だった。 こうして検査前日は、スケジュール通り終えた。
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検査当日、朝7時に座薬を入れ排便してから、妻は一人で車を運転し、病院に行った。 午前9時の検査開始である。
すると、9時半過ぎには帰宅した。 「(スワ、何かあったか!?!)」と思ったが、検査は無事に終了したと言う。 きっと「検査30分前までに来院」とあったので、早く始まったのだろう。
結果は、数日後である。