パーキンソン病/症候群の闘病記です。 同病の方々のご参考になれば幸いです。

idやURLのPSPとはパーキンソン症候群の中の進行性核上性麻痺、PAGFとはPSPの非典型例である純粋無動症の事です。

診察201407―2

続いて、S医師は私に診察台に寝る様に、促した。 そして、下半身の筋力を調べた。 医療用ハンマーであちこち叩いて、反射を調べ、

 

   「力はあるのよねぇ・・」

 

と評した。 そして、診察台に腰掛けさせ、一連の試験を行った。 例えば、指鼻試験、指タップ、手首・肘関節の固縮の有無、眼球運動(麻痺)などである。

 

次に、起立して、直立不動の姿勢にになった。 否、正確には、なろうとした。 しかし、僅かによろめいてしまった。

 

そして最後は、問題の試験だ。

 

S医師は私の背後に廻り、

 

   「後ろに引きますので、耐えて下さい」

 

と言って、両手で私の両肩を、クッと引いた。 私は数歩後退り(あとずさり)をしながらも、何とか耐えた。 すると次は、もう少し強く引いた。 私は耐え切れず、後ろに倒れてしまった。 と言っても、S医師が支えてくれたので転倒こそしなかったが、S医師に寄りかかって(乗って?)しまった。

 

体重70Kgの男性が倒れ込んで来たら、半ば予想できていたとはいえ、小柄で華奢な女性では支えきれずに、一緒に倒れてしまうだろう。 では、当のS医師の反応は?

 

   「姿勢反射、障害ねっ!」

 

と評した。 何か弾んだ様な声に聞こえたのは、私の気のせいだけだったのだろうか? もしかしたら私の病気が「難病」らしいけど、これまでの診察ではこれといった症状が診られなかったが、今回、(病名の決定に必要な)決定的な症状が見つかった!・・ので。 ・・と言うのは考えすぎだろう。

 

そこで、私は

 

   「構音障害・・もあるんです」

 

と申告すると、S医師は。

 

   「そうは、思えないんですが?」

 

と言った。 その申し出自体がハッキリ聞こえたからであろう。